最適なトレイルランニング シューズの選び方:安定性、クッショニング、快適性
購入ガイド
最適な安定性、トラクション、フィット感を備えたトレイルランニング シューズの選び方をご紹介。安定性の高いトレイルランニング シューズなら、起伏のある地形でもより安全かつ快適に走ることができる。このガイドでは、その理由を解説していく。

トレイルを駆け抜ける高揚感と自由に勝るものはほとんどない。トレイルランニングは、心身を鍛えられるだけでなく、他のランニングでは得られない体験を楽しみ、自分の走りを次のレベルへと押し上げることができる。どんな変化にも適応できるよう、周囲の環境の変化を目と耳と肌で感じながら走る。
だがこのようなチャレンジには、怪我のリスクがつきまとう。だからこそ、基本的なトレイルランニングギアとオフロードに適したシューズを着用し、賢くトレーニングを行う必要がある。まずは、安定性に優れたトレイルランニング シューズを選ぶことから始めよう。
この記事のポイント
- トレイルランニング シューズはロードランニング シューズとは異なる。
- トレイルランニング シューズでは、起伏のある地形でサポートを得られるよう、安定性、トラクション、フィット感を優先する必要がある。
- 安定性に優れたトレイルランニング シューズは、足首のねじれや下肢の怪我のリスクを軽減する。
- トラクションラグ、ロックプレート、サポート性のあるクッショニングが、トレイルでのコントロールを向上させる。
トレイルランニングのメリット
トレイルランニングは、ランニングの総合的なパフォーマンスを高めるのに役立つ。絶え間なく変化する未知の環境を走ると、姿勢、足の運び方、脚の踏ん張りを常に調整せざるをえなくなる。この生体力学的な適応により、ランナーはロードやトレイルでの対応力を高め、より効率的に走れるようになるのだ。
メリットはそれだけではない。オフロードを走ると、一般的には最大速度が低下し、負荷が増す。学術誌『Journal of Experimental Biology』に掲載された研究では、起伏のあるトレイルでのランニングの場合、滑らかで硬い路面でのランニングよりも代謝エネルギーの消費量が5%増加することが明らかになっている。研究者によると、増加する負荷の半分以上は、上り坂や過酷な地形に対応するために、物理的な運動量が増えることによって生じる。
さらに、身体面でのメリットに加えて、メンタル面でのメリットもある。数々の研究が、トレイルランニングのメンタルな効果に注目してきた。ある2019年の研究レビューでは、オフロードランニングによって都市生活でのプレッシャーを軽減する効果的な方法だという見方が示されている。また、学術誌『Extreme Physiology and Medicine』に掲載された記事では、屋外での運動はストレスと精神的な疲労を軽減し、気持ちを明るくし、自己肯定感を高める可能性があることが示唆されている。
トレイルランニングのリスクと危険性
トレイルランニングには安全上のリスクが伴う。不安定な路面はただ走りにくいだけでなく、実際に怪我をする可能性も高まる。ある2021年の調査では、有名なトレイルランニング大会に向けて準備を進めていたトレイルランナーの4分の1が、過去12か月の間にランニング関連の怪我を1回以上したと回答。怪我の場所は主に下肢で、特に膝、足首、そして足が多かったという。この調査でトレイルランナーに最も多く見られた怪我には、関節捻挫、腱障害、筋肉損傷が挙げられる。
では、安全上のリスクを増やすことなく、トレイルランニングの恩恵を受けるにはどうすれば良いのだろうか。研究者によると、ランニングエコノミーを改善して生体力学的に安定した走りを実現するには、ランニングシューズの選択が重要だという。安定性に優れたトレイルランニング シューズを選ぶことは、最も賢い投資の一つだろう。
トレイルシューズの安定性とロードシューズの安定性の比較
安定性に優れたトレイルランニング シューズは、安定性に優れたロードランニング シューズとは異なることを覚えておこう。トレイルランニング シューズにおける安定性とは、安定性に優れたロードランニング シューズの多くに見られるオーバープロネーションの補正機能ではなく、凹凸のある路面での足と足首の動きの制御に重点が置かれていることを意味する。
安定性を重視したロードシューズは、土踏まずをしっかり支え、ミッドソールによって(場合によってはかかと部分にまで)サポートを提供することで、オーバープロネーションを起こすランナーの走りを補正する。たとえ、ロードで安定性に優れたシューズを使用していても、トレイルを走るなら、トレイル用の安定性に優れたトレイルシューズを探そう。
また、ロードでニュートラルタイプのシューズを使用しているランナーでも、トレイル用には安定性に優れたシューズを検討するとよい。安定性を重視したトレイルランニング シューズは、凸凹のある地形で足首のねじれを防ぐだけでなく、安全面や技術面で役立つそのほかの機能も備えているため、トレイルに挑むランナーをサポートしてくれる。
トレイルランニング シューズの選び方
トレイルランニングシューズには安定性が欠かせないが、他にはどんな機能が求められるのだろうか。優れたデザインのトレイルランニングシューズには、安全性を高め、下半身の動きを改善するさまざまな機能が備わっている。
- 丈夫なトラクションは、岩の多い路面や泥で滑りやすい地面など、あらゆる地形でランナーの走りをサポートするし、
- 耐久性の高い保護パーツは、予想外の悪天候や凸凹の地形、小石から足を守ってくれる。
- また、硬めの構造やクッションニングは、足をしっかりと固定し、足首の角度を調整する役割を担う。
ここでは、トレイルランニング シューズを購入する際に考慮すべきいくつかの機能を詳しく紹介しよう。
トラクションコントロール
良いトレイルランニング シューズをお探しなら、シューズを裏返してアウトソールを確認してみよう。靴底のトレッドパターン(トラクションラグとも呼ばれる)は、トレイルに想定されるあらゆる地形で安定感を維持できるように設計されている。
多方向に配置されたラグは下り坂でのブレーキ性能を向上させるし、間隔の広いラグは、ぬかるんだトレイルでも泥が溝に詰まるのを防いでくれる。
ソールは頑丈であることも重要で、とがった岩や木の切り株から足を保護できるものでなければならない。しかしソールが重すぎて、万能性に欠けるシューズは避けるべきだ。
軽量でグリップに優れ、トレイルでもロードでも滑らかな履き心地のシューズを見つけよう。
通気性と保護力
地面に近い場所にある枝や岩、小石などから足を保護できるシューズを選ぼう。足首周りを包み込んで、土や小石などの侵入を防いでくれるアンクルゲイターやアンクルカラーのような機能に注目すると良い。つま先周りにスキンを追加したシューズなら、つまずきや怪我を防いで足を保護できる。さらに、ミッドソールとアウトソールの間に配置された分割構造のロックプレートは、柔軟性を維持しながら険しい地形から足を守る。
優れたトレイルランニング シューズに保護性は欠かせないが、登山靴のような履き心地のものは好ましくない。通気性と風通しを高めるために、アッパーにメッシュが配されているシューズを選ぶと良い。
しっかりフィット
トレイルシューズは、ロードシューズよりもぴったりとしたフィット感を提供する場合が多い。圧迫感のあるタイトなシューズは好ましくないが、トレイルランでは多方向にさまざまな動きをするため、シューズ内での摩擦を最小限に抑え、靴擦れや水ぶくれを防ぐことが重要だ。そのために役立つ技術的なポイントがいくつかある。
- ヒールカップや、かかとのクッショニングは、足をしっかり固定するのに役立つ。
- ナイキ ジュニパー トレイルに採用されているような、中足部を固定するバンドシステムは、凸凹の路面でも足を安定させることができる。ソックスのようなバンドが足を包み込み、安定感を強化するのだ。
- かかとからつま先までフォームを搭載したシューズ は、優れた反発力と安定感のあるクッショニングを発揮し、岩の多い地形でも快適でスムーズなランをサポートする。
ソックスを考慮する
着用するソックスによっても、シューズのフィット感は変わるもの。多くのトレイルランナーは、ロードランニングよりも厚手のソックスを着用するため、着用する予定のソックスを履いてシューズを試着することをおすすめする。
では、優れたトレイルランニング用ソックスの条件とは、一体何だろうか。トレイルランニング用のソックスは、ウール混紡素材を使用している場合が多い。シューズ内でグリップを発揮して足のずれを防止する設計ながらも、通気性にも優れ、湿気を逃がすようにデザインされているものが良い。靴擦れなどの摩擦を防ぐため、足首はもちろん、少なくともふくらはぎの一部をカバーする長さのソックスが理想的だ。
また、長距離ランでも快適な着用感が持続するように、コンプレッション ソックスを選ぶのも良いアイデアだろう。
オフセットを揃える
シューズのオフセットとは、ヒールの高さとつま先または前足部の高さの差異を指す。オフセットは、シューズのクッショニングの量によって変化する場合が多い。クッショニングの多いシューズは、オフセット(かかととつま先のソールの高低差)が大きくなりがちだ。
トレイルランニングシューズは、使用しているロードランニングシューズとオフセットが同等のシューズを選びたい。それには理由がある。トレイルランナーの中には、強い接地感を求めてオフセットを極小化したシューズを好む人もいる。そういったミニマルなシューズはオフセットが4mm未満で、足中央部から前足部で着地するのに適している。
一方、多くのロードシューズはオフセットを大きめに設計してあり、舗装路にかかとで着地する走り方に適している。どちらが優れているのか、一概には言えない。しかしオフセットのタイプを急に変更すると、急激な生体力学的変化が起こって痛みや怪我を誘発する可能性もある。
地形の種類がトレイルシューズの安定性に与える影響
ぬかるんだトレイル、岩場の多い道、急な下り坂。地形が異なれば、強力なトラクションを発揮するラグや硬いミッドソールなど、求められる安定性機能もさまざまだ。
深いラグを備えたアウトソールは、泥だらけの地面や濡れた地面では有効だが、乾燥した硬い地面なら短めのラグで十分だろう。坂道を走る場合、下り坂ではラグが多方向に配置されたシューズが走りやすい。
岩場の多い地形では、足を保護するために、より硬めのミッドソールを備えたシューズがおすすめだ。ナイキ カイガー 10は、前足部にロックシールドを備えており、ランナーの足と小石などの間に追加の保護を提供する。
自分のランのスタイルに適したトレイルランニング シューズを選ぶ
トレイルランニングでは予測不可能なことが起こり得るもの。それでも、トレイルランニング シューズを選ぶ際は、最も頻繁に走る地形に合わせて、安定性、トラクション、快適性のバランスを考慮しよう。
ロードでもトレイルでも、比較的優しい地形を走るなら、ナイキ ペガサス トレイルランニング シューズが十分な役割を果たすだろう。しかし、急な坂道、泥道、岩場など、難易度の高いトレイルでは、トラクションに優れ、足首部分にゲイターが付いているナイキ ゼガマ 2のようなシューズを検討するのがおすすめ。このシューズは、抜群のクッショニングに加えて、多様で頑丈なラグパターンが優れたグリップを発揮する。
よくある質問
すべてのトレイルランナーに安定性に優れたシューズが必要?
トレイルを走るなら、足を保護するためにも、起伏の多い路面でも安定性を維持できるように設計されたトレイルランニング シューズへの投資を検討するべきだ。ただし、安定性に優れたトレイルランニング シューズは、オーバープロネーションの補正を重視して設計された安定性に優れたロードランニング シューズとは異なることは覚えておこう。
トレイルランニングシューズがロードシューズよりも安定性に優れている理由は?
トレイルランニング シューズは、起伏のある地形でも足を安定した状態に保つため、より高い保護性を提供する。アウトソールのトラクションラグ、ロックプレート、ミッドソール全体にわたるサポート性のあるクッショニングなどの機能がその一例だ。ロードランニング シューズは、安定性を重視した設計であっても、起伏のあるトレイルでの安定性を確保するようには設計されておらず、ランニング時にオーバープロネーションを起こすランナーの走りを補正することを目的としている。





