カーディオトレーニングと筋力トレーニング:より適しているのはどちらか、どのように組み合わせることができるのか?

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カーディオトレーニングと筋力トレーニングの違い、目標に合ったトレーニング、脂肪燃焼、心臓の健康、筋肉増強のために両方を組み合わせる方法を紹介する。

最終更新日:2025年12月10日
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カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

筋力トレーニングか、カーディオトレーニングか?それぞれのエクササイズには、それぞれの利点がある。しかし、どちらが良いかについての議論には、普遍的な正解はない。

これら2つにはそれぞれのメリットがあることが研究で明らかになっており、どちらもワークアウトの重要な要素といえる。それぞれのエクササイズをどれだけ行うかは、各自のニーズと健康目標によって異なる。

ここでは、Nikeグローバルトレーナーのベティーナ・ゴゾの解説を通して、カーディオと筋力トレーニングのメリットを明らかにしていこう。

概要:

カーディオトレーニングと筋力トレーニングはどちらも健康的な生活をおくる上で重要だが、それぞれに異なる利点がある。有酸素運動のスタミナを向上させたいなら、カーディオに取り組もう。筋肉を増強するなら、筋力トレーニングだ。

カーディオトレーニングとは?

カーディオトレーニングは、有酸素運動とも呼ばれ、これにはウォーキング、サイクリング、ランニング、水泳、ダンスなどの一般的な運動がある。心拍数や呼吸数を増加させるあらゆる身体活動は、有酸素運動またはカーディオ エクササイズの一形態だ。 メイヨークリニックによると、カーディオ エクササイズは有酸素運動能力を高め、スタミナを向上させ、健康リスクの軽減に役立つという。

筋力トレーニングとは?

ウェイトトレーニングを好むか、自重を使うかに関わらず、筋力トレーニングとは、筋肉を抵抗力に逆らって動かすことで筋力を強化するトレーニングだ。このトレーニングは、筋肉の持久力を高めたり、筋肥大(筋肉のサイズの増大)を促したりすることができる。ダンベル以外にも、筋力トレーニングには、レジスタンスバンド、バーベル、ケトルベルを使ったトレーニングや、腕立て伏せや腹筋などの自重トレーニングがある。

カーディオトレーニングと筋力トレーニング:減量にはどちらが効果的か?

どちらのエクササイズもカロリーを燃焼するが、一般的に、カーディオ、特に持久力を必要とするカーディオはより多くのカロリーを燃焼する。体組成(体内の脂肪と筋肉の割合)を変えたい場合、カーディオの方が1分あたりのカロリー消費量は多いかもしれないが、ウェイトリフティングも効果的だ。

ウェイトリフティングで筋肉量を増やすと、基礎代謝率(BMR)が上がる。筋肉は体を維持するためにより多くのエネルギーを必要とするため、脂肪よりも代謝が活発になる。『Medicine and Science in Sports and Exercise』誌で発表された研究では、ウェイトトレーニングを24週間続けた男性の被験者は、BMRが9%増加したという結果が出ている。

カーディオトレーニングと筋力トレーニング:心臓の健康にはどちらが効果的か?

カーディオと筋力トレーニングの両方を行うメリットは、さまざまな研究で実証されてきた。カーディオの最大の魅力の1つは、心臓と肺に良いことだ。研究では、カーディオを定期的に行う人は安静時の心拍数が低く肺活量が優れていることが示されている。また、カーディオなどのワークアウトを行う習慣は、2型糖尿病高血圧を発症するリスクを低下させる。定期的な 筋力トレーニングは、高血圧やメタボリックシンドロームのリスクを低減し、心臓の健康にも貢献する可能性がある。

筋力トレーニングとカーディオトレーニング、どちらがより優れているか?

「筋力トレーニングは、生活の中で必要なことをすべて楽に行えると感じられるようにするためのもの」とゴゾは説明する。「それに対してカーディオは、どんなアクティビティも疲れを感じることなく続けられるようにするためのものです」

カーディオ

主なメリット:心血管の健康、有酸素運動能力、スタミナ

理想的な頻度:中強度のエクササイズで週に150分、または高強度のエクササイズで週に75分

おすすめエクササイズ:早歩き、サイクリング、水泳、ダンス

筋力トレーニング

主なメリット:筋肉の増強、骨密度の向上

理想的な頻度:週に2回以上、1回20〜30分

おすすめエクササイズ:腕立て伏せやスクワットなどの自重トレーニング、フリーウェイト、ウエイトマシン

それでは、カーディオと筋力トレーニングは毎週どれくらい行う必要があるのだろうか?

多忙で時間に追われている中、ワークアウトから最大限の効果を得たいと思うのは当然のこと。米国心臓協会は、成人の場合、少なくとも週に150分間の中程度の負荷の運動と、2日間の筋肉強化運動を行うことを推奨している。しかし、だからといってカーディオか筋力トレーニングのどちらかを選択し、限定する必要はないと、ゴゾは言う。

ヒント:アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、心拍数が上昇して汗をかくタイミングが、強度が中程度のときだという。これは、話すことはできるが、好きな歌を口ずさむことはできないくらいの強度を指す。

週のワークアウトの例として、中強度のアクティビティには、早歩き、ガーデニング、テニス、サイクリングなどがある。

要するに、カーディオと筋力トレーニングを組み合わせ、両方の長所を生かしたワークアウトを行うことが適切なワークアウトルーティンといえる。「すべての人に当てはまる万能な方法があるわけではありませんが、何らかの筋力トレーニングやレジスタンストレーニングを少なくとも週に3回、20~30分行うことを推奨しています」とゴゾは言う。「具体的には、1~10までのレベルで、10を最強度レベルとした場合、7以上の負荷をかけるような運動が好ましいでしょう」

カーディオについて、ゴゾは「もっと体を動かすべきであることは誰にでも当てはまりますが、特にデスクワークをしている人にはなおさらです」と話す。「ほぼ座ったまま仕事をしている人であれば、筋力トレーニングに加えて週に2~3日は何らかのカーディオをすることをおすすめします」と彼女は続ける。「屋外で30分間ウォーキングをするといった簡単なことでも構いません」

筋力トレーニングをしながらカーディオを毎日行っても大丈夫?

ウェイトリフティング大会に向けてトレーニングしている場合や、リフティングセッションで疲れきっているという場合を除けば、筋力トレーニングをしながら毎日カーディオを行うことは「全く問題ない」と、ゴゾは言う。彼女によれば、「大抵の人は、カーディオができないほどハードなトレーニングをしているわけではありません。とはいえ、必須ではないことは確かです」

ゴゾは、カーディオの前に筋力トレーニングを行うことをすすめる。筋力トレーニングを終えたら、自分の体調を確認してからカーディオを取り入れるようにしよう。

ルーティンを組むのに一番良い方法は?

適切なワークアウトルーティンとは、あなた自身が実践し、続けられるものでなくてはいけない。ゴゾがおすすめするのは、下半身、上半身、全身の3種類の筋力トレーニングに重点を置きながら、間にカーディオを挟む方法。

たとえば、上半身のプルと下半身のヒンジ、上半身のヒンジに下半身のスクワットやランジなどを組み合わせ、その間に有酸素運動を組み入れていくといい。

ゴゾが提案するHIITワークアウトの例を紹介しよう。

次のエクササイズを30秒を1セットとして3セット行う。

  • ハイ ニー ラン
  • ドロップ スクワット
  • ラテラル シャッフル

下半身のワークアウトには、次のエクササイズを3セット行う。

・ローマニアン デッド リフトを10~12回

・ゴブレット スクワットを10~12回

・ラテラル ランジを10~12回

上半身のワークアウトには、次のエクササイズを3セット行う。

・ベントオーバー ロウを10~12回

・チェスト プレスを10~12回

・カールからオーバーヘッドプレスを10~12回

最後に、全身を鍛える日を設けて、次のエクササイズを3セット行う。

・ダンベル レイズを10~12回

・スクワットからオーバーヘッドプレスを10~12回

・プランク ロウを10~12回

初心者のためのカーディオトレーニングと筋力トレーニング

・軽い運動から始める:カーディオの場合は、30分間のウォーキングから始めて、徐々に ランニングなどのより高強度の運動に移行する。筋力トレーニングの場合:スクワットやプランクなどの自重エクササイズから始める。

・フォームを重視:安全のため、筋力トレーニングを始めるときは、徐々に重量と回数を増やしていく。正しいフォームは怪我の予防に役立つ。

・体の声に耳を傾ける:ウォームアップ、クールダウン、休憩は不可欠。何か不快感や痛みを感じたら、すぐに止める。

よくある質問

カーディオと筋力トレーニング、どちらを先に行うのが良いか?

ゴゾは、筋力トレーニングから ワークアウトを始め、その後にカーディオを行うことを推奨している。

筋力トレーニングだけで体重を減らすことはできるか?

はい、筋力トレーニングだけで体重を減らすことは可能。減量が主な目標であれば、健康的な食事と筋力トレーニングを組み合わせることで筋肉量を増加させることができ、代謝を促進し、最終的にはより多くのカロリーを消費することにつながる。

週に何日カーディオトレーニングと筋力トレーニングを行うべきか?

この2つのタイプのエクササイズを組み合わせて行うことは、健康で長生きするために極めて効果的であるということ。2022年に『British Journal of Sports Medicine』で発表された、成人41万6千人超を対象にした研究によると、カーディオと筋力トレーニングを組み合わせて行った人は、カーディオだけを行った人と比べて死亡リスクが低いことがわかった。(ただし、週に1時間のカーディオをした人の死亡リスクも、まったく行わない人と比較して「かなり」低いことが示されている)。

ゴゾは次のように提案している。

・週に3日以上、20〜30分のウェイトトレーニング

・週3日以上、30分以上の注強度のカーディオ

カーディオは筋肉の増加を妨げるのか?

中強度のカーディオは、筋力トレーニングと組み合わせて行えば、筋肉の増加を妨げることはない。実際、カーディオは筋肉の成長を助け、循環機能と身体の回復力の両方をサポートする。しかし、激しいカーディオとカロリー不足は、やりすぎて回復に影響が出ると筋肉の増加を制限する可能性がある。筋肉の成長を重視する場合は、バランスの取れた食事、十分な休息、そして補完的なカーディオが重要となる。

筋力トレーニングは何回行うべき?

これには多くの要因が関係しているが、CDCによると、筋力トレーニングをしていて、自分の力だけでは「あと1回」が無理だと感じるとき、最大の健康効果を得られるという。CDCでは、1つのエクササイズを8〜12回行うことからスタートし、それを2〜3セット繰り返せるようになることを推奨している。

公開日:2025年12月10日