カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

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どちらかに限定する必要はない。

最終更新日:2024年3月25日
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カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

エクササイズと一口に言っても、カーディオ(有酸素運動)か筋力トレーニングかという選択肢があり、シューレースを締めるたびにどちらをすべきか迷う人もいるかもしれない。 カーディオ対筋力トレーニングの議論は長年続いており、どちらを選び、どの程度の頻度で取り入れるべきかを理解するのが難しくなっている。

これら2つにはそれぞれのメリットがあることが研究で明らかになっており、どちらもワークアウトの重要な要素といえる。 それぞれのエクササイズをどれだけ行うかは、各自のニーズと目標によって異なる。

ここでは、Nike Well Collectiveコーチのベティーナ・ゴゾの解説を通して、カーディオと筋力トレーニングのメリットを明らかにしていこう。

カーディオと筋力トレーニング、どちらが良い?

カーディオと筋力トレーニングの両方を行うメリットは、さまざまな研究で実証されてきた。 カーディオの最大の魅力の1つは、心臓と肺に良いことだ。研究では、カーディオを定期的に行う人は安静時の心拍数が低く肺活量が優れていることが示されている。 また、カーディオなどのワークアウトを行う習慣は、2型糖尿病高血圧を発症するリスクを低下させる。

一方、筋力トレーニングにもメリットがある。 筋力トレーニングは、筋力アップに役立つという明らかなメリットに加え、除脂肪筋肉量を増やして代謝を高める効果が期待される。 また、加齢に伴う骨量減少を抑制し、肥満になるリスクを下げる効果もある。

多忙で時間に追われている中、ワークアウトから最大限の効果を得たいと思うのは当然のこと。 しかし、だからといってカーディオか筋力トレーニングのどちらかを選択し、限定する必要はないと、ゴゾは言う。 『Physical Activity Guidelines for Americans(米国人のための運動ガイドライン)』では、成人の場合、少なくとも週に150分間の中程度の負荷の運動と、2日間の筋肉強化運動を行うことが推奨されている。

要するに、カーディオと筋力トレーニングを組み合わせ、両方の長所を生かしたワークアウトを行うことが適切なワークアウトルーティンといえる。

筋力トレーニングをしながらカーディオを毎日行っても大丈夫?

ウェイトリフティング大会に向けてトレーニングしている場合や、リフティングセッションで疲れきっているという場合を除けば、筋力トレーニングをしながら毎日カーディオを行うことは「全く問題ない」と、ゴゾは言う。 彼女によれば、「大抵の人は、カーディオができないほどハードなトレーニングをしているわけではありません。とはいえ、必須ではないことは確かです」

ゴゾは、カーディオの前に筋力トレーニングを行うことをすすめる。 筋力トレーニングを終えたら、自分の体調を確認してからカーディオを取り入れるようにしよう。

カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

推奨されるカーディオと筋力トレーニングの頻度は週にどれくらい?

人それぞれ異なるため、推奨頻度をひとくくりにするのは難しい。 「すべての人に効果的というわけではありませんが、何らかの筋力トレーニングやレジスタンストレーニングを少なくとも週に3回、20~30分行うことを推奨しています」とゴゾは言う。 「具体的には、1~10までのレベルで、10を最強度レベルとした場合、7以上の負荷をかけるような運動が好ましいでしょう」

カーディオについて、ゴゾは「もっと体を動かすべきであることは誰にでも当てはまりますが、特にデスクワークをしている人にはなおさらです」と話す。 「ほぼ座ったまま仕事をしている人であれば、筋力トレーニングに加えて週に2~3日は何らかのカーディオをすることをおすすめします」と彼女は続ける。 「屋外で30分間ウォーキングをするといった簡単なことでも構いません」しかし、体重を減らしたいのなら、週に4~5日の筋力トレーニングと2~3日のカーディオを目指すことをゴゾは提案する。

両方の運動を組み合わせることのメリットとは?

両方の運動を取り入れることで、代謝から心臓血管の健康まで、よりバランスの取れた健康へのアプローチが実現する。 「筋力トレーニングは、生活の中で必要なことをすべて楽に行えると感じられるようにするためのもの」とゴゾは説明する。 「それに対してカーディオは、どんなアクティビティも疲れを感じることなく続けられるようにするためのものです」

カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

ルーティンを組むのに一番良い方法は?

適切なワークアウトルーティンとは、あなた自身が実践し、続けられるものでなくてはいけない。 ゴゾがおすすめするのは、下半身、上半身、全身に焦点を当てた3種類の筋力トレーニングに重点を置きながら、間にカーディオを挟む方法。

たとえば、上半身のプルと下半身のヒンジ、上半身のヒンジに下半身のスクワットとランジを加え、その間に有酸素運動を組み入れていくといい。 ゴゾは、ハイニー(高膝上げ)ラン、ドロップスクワット、ラテラルシャッフルなど、各30秒のエクササイズ3つを3ラウンド行うサーキットでHIITワークアウト(高負荷トレーニング)に挑戦してみることをすすめている。 下半身を重点的に鍛えるなら、ローマニアンデッドリフト、ゴブレットスクワット、ラテラルランジを10~12回、3ラウンド。 上半身を重点的に鍛える場合は、ベントロウ、チェストプレス、カールからオーバーヘッドプレスを10~12回、3ラウンド行ってみよう。

最後に、全身を鍛える日を設けて、ダンベルを使ったロートゥーハイ、スクワットからオーバーヘッドプレス、プランクローを10~12回、3ラウンド行うとよい。

カーディオと筋力トレーニング、それぞれのメリット

よくある質問

カーディオと筋力トレーニングを組み合わせることについてはどのような研究報告がある?

この2つのタイプのエクササイズを組み合わせて行うことは、健康で長生きするために極めて効果的であるということ。 2022年に『The British Journal of Sports Medicine』で発表された、成人41万6千人超を対象にした研究によると、カーディオと筋力トレーニングを組み合わせて行った人は、カーディオだけを行った人と比べて死亡リスクが低いことがわかった (ただし、週に1時間のカーディオをした人の死亡リスクも「かなり」低いことが示されている)。

運動の負荷が中程度かどうかを判断する方法は?

American College of Sports Medicine(アメリカスポーツ医学会)Centers for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病予防管理センター)は、18〜65歳の成人に対して、週に150分以上の中程度の有酸素運動を推奨している。 これには、早歩き、水泳、サイクリング、ランニング、ダンスが含まれる。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、心拍数が上昇して汗をかくタイミングが、強度が中程度のときだという。 これは、話すことはできるが、好きな歌を口ずさむことはできないくらいの強度を指す。

筋力トレーニングは何回行うべき?

これには多くの要因が関係しているが、CDCによると、筋力トレーニングをしていて、自分の力だけでは「あと1回」が無理だと感じるとき、最大の健康効果を得られるという。 CDCでは、1つのアクティビティを8〜12回行うことからスタートし、それを2〜3セット繰り返せるようになることを推奨している。 ちなみに、筋力トレーニングには、ウェイトリフティングだけでなく、レジスタンスバンドを使ったワークアウト、腕立て伏せや腹筋運動、ヨガなども含まれる。

文:コリン・ミラー

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公開日:2024年3月21日

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