産後のマインドセットを専門家がアドバイス

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出産後、赤ちゃんの世話に追われて、メンタルヘルスへの対応が後回しになっていないだろうか。実践的なセルフケア方法をチェックしてみよう。

最終更新日:2022年11月9日
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  • 出産後の女性は、ホルモンの変化、初めて親になったことからくるストレス、体が成し遂げた出産という偉業により、本人が考えている以上に産後の「優しく愛情のこもったケア」を必要としている。
  • 友人や家族、あるいは専門家に助けを求めることも、良い親になるための一環だ。
  • 再び軽い運動ができるようになったら(ようこそ、エンドルフィン)、NTCアプリの「Nike (M)ove Like a Mother」プログラムをチェックしよう。

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出産後のメンタルヘルスを注視する方法

*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。

出産にかかった数時間(または数日!)は言うに及ばず、約40週間にわたって1人の人間を育むことに力を尽くしてきた後であれば、体力的にも精神的にも疲れ果て、感情がジェットコースターのようにアップダウンすることは珍しいことではない。出産直後に思いもよらないショックと喪失感に直面する女性もいれば、産後の不安やうつといった臨床的障害を経験する女性もいる。こうした状態に該当する場合は、できるだけ早くかかりつけ医に相談しよう。

ただし、比較的順調に進んだ場合であっても、非常につらく感じるのはごく当たり前のことだ。実際、母親の最大80%が出産直後1~2週間目に「産後うつ」を経験している。

「私たちは産後期の困難さを軽視し過ぎています」と話すのは、カリフォルニア州オークランドのアマンダ・ウィリアムズ医学博士(認定産婦人科医、「Nike (M)ove Like a Mother」諮問委員会のメンバー)。「出産についてはかなり心配するのに、その次の段階がいかに大変であるかには目を向けないものです」

肉体的な回復、ホルモンの変化、赤ちゃんの世話という新たな現実の中で、最初の数週間がどのような経過をたどるのかを正確に予測することはできない。しかし、自分自身をケアする方法は見つけられるし、また見つけるべきだ。メンタルヘルスを守りながら、この大変な最初の数週間をうまく乗り切るための、専門家による5つの提案を紹介しよう。

1. たとえ本人が望んでいても、無理は禁物。

自宅に戻ったときは、エネルギーに溢れていると感じるかもしれない(アドレナリンとオキシトシンのおかげ)。しかし、いつもはメンタルヘルスのためにエクササイズを行っている人であっても、とにかくのんびりすることを心がけよう。産後の子宮はもとのサイズに戻ろうと収縮を続けているので、出血する可能性が高い。お尻だっておそらく痛いはずだ。援助が得られるのであれば、身体が回復するのに必要な時間を確保しよう。より短期間で以前の精神状態と運動機能を取り戻すことにつながり、メンタルウェルネスのサポートにもなる。

サンフランシスコ・ベイエリアを拠点とするシェリー・シーア(出産アドバイザー)は、「出産後1か月はできる限りベッドやソファでじっとしておくこと」という、中国における出産時の指針がヒントになると述べている。これに対しウィリアムズ医師は、血栓のリスクを減らすため、毎日ある程度運動することを推奨している(家の周りを数分間ゆっくり歩くことや、軽いストレッチや散歩をすすめている。これは気分転換にもなる)。この2つのアドバイスをどう解釈すればいいだろう?要はバランスだ。十分な休養をとったら、ある程度の時間の散歩を開始し、呼吸法を取り入れたり、ストレッチを増やしたりするとよい。時間がきたら、ご推察のとおり、後は休むこと。

かかりつけ医からエクササイズの許可を得たら、肉体的にも精神的にも心地よく感じるアクティビティを少しずつ増やしていこう。精神的に疲れ果てているときは、身体を使って何かをすることで、達成感や自尊心を得ることができる。また、癒し効果があるエンドルフィンが分泌される、とウィリアムズ医師は指摘する。ただしかなり短時間に抑えるようにしよう。また自分をほめてあげることも忘れずに。

出産後のメンタルヘルスを注視する方法

2. 助けを求める — そして具体的に頼む。

幸運にも周囲に支えてくれる人たちがいれば、喜んで手助けしてくれるはず。彼らに頼ろう。「手助けを拒んで、『すべて自分でやる』と言っている場合ではありません」と、ウィリアムズ医師は言う。良い親になるということは、すべてを1人でやろうとすることではない。

できれば、前もって計画を立てることが役に立つ。出産日前に自分の出産直後の食事を手配しておくか、友人に頼んでおこう。手伝ってくれる家族(目をハートにして赤ちゃんを見つめるだけの家族ではなく、実質的に手伝ってくれる家族)がいる場合は、ずらして訪問してもらおう。サポートを受ける時間を増やすことができる。食料の調達、キッチンの掃除、犬の散歩、赤ちゃんと接している間の上の子の世話など、友人や家族ができることのリストを掲示しておこう。そうすることで、うんざりするような「手伝えることはある?」という会話の繰り返しを避けることができる。事前に計画することで、出産後が楽になるのだ。

3. 自分を癒す方法を習得する。

最初の数週間は不安の嵐だ。ホルモンが急激に上昇し、眠ることは叶わぬ夢のように感じられる。特に、典型的な何事も自分でやらないと気が済まない人であれば、スローダウンすること(そして助けを求めること)は実に難しいかもしれない。大変なのは当然のことだが、自分を困難から解放してあげよう。出産後の女性は人生の重要な変化を経験する時期にあり、その任務は自らを癒すこと、赤ちゃんを理解すること、この新たな節目において自分と赤ちゃんをケアする方法を学ぶこと。そう語るのは、ジョージア州ジケーターのアンドレカ・ピート心理学博士(母親のメンタルヘルスを専門とする認定臨床心理士)。

ほんの少しでもいいので、1日のうちで自分自身に注意を向ける時間を見つけてほしい、と博士は言う。誰かに赤ちゃんを抱っこしてもらい、その間に30秒以上シャワーを浴びよう。1時間、パートナーや家族に赤ちゃんへの授乳を任せて、その間に昼寝をしよう。これまでの自分とのつながりを保つため、30分(または15分、または5分でも)の間、読書やクロスワードパズルなど、赤ちゃんにミルクを飲ませながらできるやりたいことをやろう。

4. 専門家の支援を得る。

典型的な産後うつや、それ以上に深刻な問題に直面していると判断するのは難しいかもしれない。ピート博士によれば、最初の2週間は涙もろくなったり、激しい気分の変化を経験したりすることは普通のことだ。しかし、四六時中泣いていたり、際限なく続く不安に苦しんだり、赤ちゃんにまったく関心が持てなかったりなど、気分の落ち込みが続く場合は、ヘルスケアチームに連絡しよう。

たとえ相談役が必要なだけだとしても、この大きな変化の中では、セラピストがゲームチェンジャーになり得る。予約を取るのに時間がかかることがあるので、妊娠中にセラピストと連携をとっておくよう、ウィリアムズ医師は提案している。過去にメンタルヘルスの課題を抱えていたことがあれば、計画を事前に立てておいたり、出産後の検査を事前にスケジュールしておくことが特に重要だ。

自分を優先することに悪戦苦闘したり、罪悪感に苛まれたりして、気分が落ち込んでいる場合は?覚えておいてほしい。自分自身をケアすることは、他人をケアすることに役立つ。「子どもや家族への何よりの贈り物は、あなた自身の健康です」とピート博士は述べている。

文:アシュリー・アブラムソン
写真:ビビアン・キム

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公開日:2022年11月18日

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