ワークアウトは週に何回がベスト?トレーナー監修ガイド
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健康維持や筋力アップ、減量といった目標に向けて、週に何日ワークアウトすべきかを解説。業界のエキスパートによるエビデンスに基づいた、休養日の考え方やワークアウト分割のヒントもご紹介。

定期的な運動が健康に良いことは言うまでもありませんが、では実際にどのくらいの頻度で運動すべきなのでしょうか。最適なワークアウト頻度は、健康状態や体力レベル、運動の種類、目標など、さまざまな要因によって異なります。さらに、身体の修復と回復を促すために、休養日を取り入れることも重要です。
米国保健福祉省は、成人に必要な最低限の身体活動量を示しています。同省の『2018 Physical Activity Guidelines for Americans(米国人のための運動ガイドライン)』によると、成人は週に少なくとも2回の筋力トレーニングを行い、運動強度に応じて、週あたり75〜150分の有酸素運動を行うことが推奨されています。これらの推奨に加えて、アメリカスポーツ医学会は、関節の可動性を保つために、柔軟性を高めるエクササイズを週に少なくとも2回取り入れることをすすめています。
ここでは、ライフスタイルや目標に合わせて、このフレームワークを1週間の中でどう組み立てるかを解説します。
概要:ワークアウトの頻度
- ワークアウトの種類と時間
- 目的別のワークアウト頻度
- 休養と回復日
健康維持のために週に何回ワークアウトすべき?
上記のガイドラインは、目標に合った週間ワークアウトスケジュールにさまざまな形で取り入れることができます。ここでは、体力レベルに応じて、有酸素運動と筋力トレーニングをどのように組み合わせればよいかを解説します。
有酸素運動は週に何回行うべき?
ウォーキング、サイクリング、テニス、スイミングなどの有酸素運動は、心拍数を高め、心血管系の健康にメリットをもたらします。週あたりの最低推奨量は、中程度の有酸素運動を150分以上、または高負荷の有酸素運動を75分以上、もしくはその組み合わせです。
この目標は、速歩や軽いジョギングなどの中程度の運動を30分×週5回、または高負荷の運動を25分×週3回といった形に分けて取り入れることができます。
ワークアウトの負荷を把握する方法の1つは、心拍数を見ることです。アメリカ心臓協会(American Heart Association)によると、中程度の運動では目標心拍数は最大心拍数の50〜70%、高負荷の運動では70〜85%が目安とされています。心拍数を測っていない場合は、トークテストも有効です。中程度の負荷では、時々息継ぎをしながら会話ができる程度。高負荷の運動では、短い言葉を数語話せる程度が目安です。
ワークアウト初心者の場合
ワークアウトを始めたばかりの方は、まず最低限の推奨量に向けて段階的に取り組むことができます。Alliance Regen & Rehabのプレーヤーヘルスディレクターである理学療法士、理学療法博士のDennis Colón氏は、アメリカ心臓協会を引用し、10分のウォーキングのような短時間の運動でも、生理的に有益で運動耐性を向上させる効果があると述べています。
定期的にワークアウトする場合やパフォーマンス向上を目指す場合
定期的に運動している方やパフォーマンス向上を目的にトレーニングしている方は、週あたりの有酸素運動を最低推奨量以上に増やすことができます。「有酸素運動は毎日行うことも可能ですが、運動の負荷を調整できること、そして複数の種類の運動を組み合わせられることが重要です」と、JAG Physical TherapyのCEOであるJohn Gallucci Jr.氏(理学修士、認定アスレティックトレーナー、理学療法士、理学療法学博士)は述べています。たとえば、ランナーの場合は、水泳やサイクリングなど他の有酸素運動を取り入れたクロストレーニングが推奨されます。
筋力トレーニングは週に何回行うべき?
筋力トレーニングは、抵抗に対して身体を動かす運動を指します。自重エクササイズだけでなく、マシンやフリーウェイト、レジスタンスバンドを使った運動も含まれます。『Physical Guidelines for Americans』によると、週に少なくとも2回の筋力トレーニングが目標とされ、回数を増やすことでさらなる効果が期待できます。
しかし、実際にどのくらいの頻度で筋トレを行うかは、現在の体力や目標次第です。Colón氏は、アメリカスポーツ医学会の体力レベルに応じた筋力トレーニング推奨も参照しています。
ワークアウト初心者の場合
ウェイトトレーニング初心者は、週2〜3回を目安に取り組むとよいでしょう。Colón氏は、基本的な運動パターンを学ぶために、友人と一緒にジムに行くか、パーソナルトレーナーに指導を受けることの重要性を強調しています。また、回復と遅発性筋肉痛(DOMS)を考慮し、セッション間は48〜72時間あけるのが望ましいと述べています。
「初心者の利点は、すぐに大きな効果を実感できることです」とColón氏。「神経系が重いウェイトに慣れ、筋肉が強くなる過程で、短期間で大きな筋力向上を感じられます。」
定期的にワークアウトする場合やパフォーマンス向上を目指す場合
定期的にワークアウトする成人は、週3〜4回のトレーニングが目安で、上級アスリートは週4〜5回行うことができます。Colón氏によると、競技レベルのアスリートの場合、適切なプログラムを組み、4〜6週間ごとにデロード(負荷軽減)期間を設ければ、より高頻度のトレーニングを安全に行えます。
高頻度で運動する場合は、48時間の回復時間を取り入れることを前提に、ワークアウトスプリットを検討するとよいでしょう。
ワークアウトスプリットとは、上半身と下半身など、部位ごとにトレーニング日を分ける方法です。この方法を用いることで、週4〜5回の連続トレーニングでも筋肉に十分な回復時間を確保できます。
最低頻度と最適頻度
最低限と最適なワークアウト頻度は、現在の体力や目標によって異なります。目標とする週あたりの最低ラインは、筋力トレーニングを2回、有酸素運動を中程度で150分または高負荷で75分行うことです。
「複数の目標をワークアウトに取り入れたい場合は、トレーニング日数を増やすのが理にかなっています」と、ACE認定パーソナルトレーナーであり、Leading Edge Personal Trainersの共同設立者であるNoelle McKenzie氏は述べています。
休養と回復日の重要性
ワークアウトは、やればやるほど良いわけではありません。過剰に運動すると、かえって逆効果になったり、オーバーリーチやオーバートレーニング症候群を引き起こすことさえあります。すべての専門家が、身体を回復させ、使いすぎによるケガを防ぐために、休養と回復日の重要性を強調しています。
「ワークアウトは筋肉をつくるプロセスの一部に過ぎません」と、NASM認定パーソナルトレーナーのRick Richey氏(健康科学博士、理学修士、認定マッサージセラピスト)は述べています。「ワークアウトの効果は、回復の過程で得られるのです。」
ワークアウトを行うと、身体はカタボリック状態に入り、筋肉組織が分解されます。その後、タンパク質合成を通じて筋肉が再構築される段階(アナボリック状態)に切り替わり、筋肥大の状態になります。
「その修復の段階で、実際に筋力がつき始めます」と氏は述べ、さらにタンパク質の摂取も重要であると付け加えています。
ワークアウトのやりすぎか見極める目安
十分な休養と回復を取らずにワークアウトしすぎると、身体は修復されて強くなる時間が足りなくなります。ジムの内外で、ワークアウトをやり過ぎているかを見極める目安はいくつかあります。
筋力トレーニングについて、Colón氏は、自分の出力や挙上重量に注意するよう述べています。以前と同じ重さをあげられない場合、身体はより多くの回復時間を必要としている可能性があります。
認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのClif Marshall氏によると、オーバートレーニングの他のサインには、酷使によるケガ、モチベーション低下、睡眠の質低下、いらいら感などがあります。同氏は一連の質問群を使用して、無理がないワークアウト計画かどうかの評価基準にしています。4つ以上の質問で「はい」となれば、無理のない計画です。
- 月を追うごとに体力や筋力が向上していますか?
- セッション間に回復していますか?
- パフォーマンスは向上していますか?
- 睡眠は十分に取れていますか?
- トレーニングが楽しいですか?
よくある質問
毎日トレーニングしても大丈夫ですか?
一般論としては、毎日トレーニングすることは避けるべきだと言えます。ただし、個々人のフィットネスレベルと運動強度によって変わってきます。コロン氏によると、心臓、肺、筋肉、神経系が回復するための時間が必要となるため、高負荷トレーニングを毎日おこなうのは望ましくないとのこ。
同時に、毎日欠かさず運動してはいけないという意味ではありません。 休息日には、ウォーキング、ヨガ、可動性エクササイズなど、他の形の運動を取り入れてみましょう。
「高負荷の日と低負荷の日をバランスよく組み合わせることが大切になってきます」(マーシャル氏)たとえば、月水金に高負荷トレーニングをおこないつつ、ウォーキング、サイクリング、水泳などの有酸素運動をおこなう日を挟むといった具合です。
毎日同じ筋肉群を鍛えても大丈夫ですか?
ナイキと連携する有識者は、毎日同じ筋肉群を鍛えるべきではないという見解です。「同じ運動を連続して行うことは決して望ましくありません。組織に回復する機会を与えられていないからです」(ガルーチ氏)
コロン氏によると、筋肉群または同様の運動パターンの激しい運動は48時間空けることが一般的に推奨されています。10段階評価の自覚的運動強度(RPE)を使用することを推奨しています。「その日のトレーニングの強度を把握できるため、特定の筋肉群に対して、その週の残りのトレーニング計画を立てる目安となります」0から10の10段階で、0は運動なし、10は最大限の酷使です。
各ワークアウトの理想時間は?
理想的なトレーニング時間は、負荷と時間によって変わってきます。マーシャル氏は量より質が大切だと言います。「ハードなトレーニングとして45分は十二分の時間ですが、一方で45分を無駄に過ごすことにもなりかねません」
コロン氏が推奨する一般的なルーティンは、10〜15分のウォームアップ、20〜30分の筋力トレーニング、そして最後に10〜15分のクールダウンとモビリティワークです。

























