エキスパートが認める、この夏試したい7つのアウトドアワークアウト

スポーツ&アクティビティ

エキスパートが勧めるワークアウトに取り組み、屋外で運動するメリットを実感しよう。

最終更新日:2022年7月26日
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エキスパートが推薦する、この夏試したい屋外ワークアウト7選

夏が来た。太陽の下で汗をかくことでさまざまなメリットを享受できる、アウトドアワークアウトにうってつけの季節だ。

その理由は、 まず、太陽の光を浴びると、気分の向上や不安の軽減、睡眠パターンの改善といった効果を持つ、セロトニンという神経伝達物質の放出が増えることがある。そう語るのは、テネシー州ナッシュビルを拠点に活動する医学博士で、有資格の予防医師、健康のエキスパート、フィットネスプロフェッショナルでもあるチェドリーナ・カルダーだ。

さらに、『Environmental Health Perspective』で発表された研究では、屋外で時間を過ごせば、血圧の低下、糖尿病リスクの軽減、免疫系の強化などによって、健康上の重大な問題に対処しやすくなることが判明している。 また、視力にも良い効果があり、痛みのマネジメントにも役立つという。

ほとんどの人は、暖かい季節には外に出たくなるという欲求を生まれながらに備えている。そうした気分には大いに浸る価値があると語るのは、 カリフォルニア州マリン郡で、理学修士、認定パーソナルトレーナーとして活動するOutdoor Fitnessの創立者、ティナ・ヴィンドゥムだ。

「人間は山や草原、森林、湖、川、滝、海岸などの屋外の自然空間に、集いたがるものなのです」と、彼女は言う。 「理由のひとつは、こうした場所では空気中のマイナスイオン(負の電荷を帯びた酸素分子)が豊富になりやすいことがあります。 このマイナスイオンは、私たちの神経伝達物質に影響を及ぼし、幸福感、認知力、注意力を高める作用を持っているとされています。 活力が増し、今この瞬間を生きていると感じられるのです」(ただし、これらの効果はいずれも自然に触れただけでも得られることが研究で示されている。)

屋外の活動は体力水準を問わず、どんな人にも何らかの効果を発揮する。 何よりも、 玄関を開けて外に出るだけで、こうした効果が得られるのがありがたい。

太陽の光を浴びながら、これから紹介する7つのワークアウトをこの夏の運動ルーティンに組み込んでみよう。 ただし、運動前には日焼け止めを使うようにし、水分補給を怠らず、軽くゆったりとした服を着て、身体の声を聴きながら熱中症を予防しよう。

挑戦してみたい、 おすすめのアウトドアワークアウト

  1. 1.トレイルランニング

    エキスパートが推薦する、この夏試したい屋外ワークアウト7選

    カルダーによれば、平らな道やランニングマシンを走るのとは違い、トレイルランニングではさまざまな身体の使い方をするという。

    「野山を走るのに必要なバランス感覚や安定感を発揮していると、体幹の筋肉がはたらき、鍛えられます」と、彼女は言う。 「また、大臀筋、大腿四頭筋、ふくらはぎの筋肉などの、下半身の筋肉を大いに使うことになります」

    関連記事:ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

    トレイルランニングは心のワークアウトにもなる。 「トレイルランニングでは心を100%集中させなければ、転んでしまいますからね」と、ヴィンドゥムは言う。 トレイルランニングは心を刺激するだけでなく、メンタルヘルスを高める効果もある。

    National Library of Medicine』で発表された2020年の研究では、6.5マイル以上のトレイルランニングをした人は、幸福と健康の自己評価で高いスコアを記録していた。 2015年の米国科学アカデミー紀要で発表された研究では、自然の中で90分間のウォーキングかランニングを行えば、ネガティブな感情を生む脳活動が減少し、抑うつのリスクを減らせることが示されている。

  2. 2.サーフィン

    エキスパートが推薦する、この夏試したい屋外ワークアウト7選

    サーフィンなどの水中で行うアクティビティは、心と身体の運動になる。 サーフィンの身体面のメリットは、中程度の優れた心肺系トレーニングになることだと語るのは認定パーソナルトレーナー、認定スノーボードインストラクター、水泳選手、サーファーとしてMinardi Trainingを創立したジミー・ミナルディだ。

    「サーフィンは優れた無酸素運動で、僧帽筋、腹筋、斜筋に加えて、広背筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、三角筋を鍛えることができます」と、彼は言う。

    波間をパドルで漕ぎ進む動作は、心拍数を上げる効果がある。 また、サーフィンでは筋肉と神経の均衡が試される。 「サーフィンでは全身の筋肉の協調が求められ、ボード上に立つために筋肉を連動させ続けます」とミナルディは言う。

    水中で身体を動かしていると、心も洗われるという。

    「50年間サーフィンにのめりこんできた私が言えるのは、水中で静かに浮力を感じていると、心に力が湧いて来るということです」と、ミナルディは言う。

    初心者は認定インストラクターにコツを教えてもらいながら、適切な指導を受けていくのが得策。 安全面では、水に入る前には天候と潮の満ち引きの確認を怠らず、適切なウェットスーツを着るようにしよう。そして、自分の限界を認識することが何よりも重要だ。

  3. 3.ハイキング

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    気分に合わせて行程を厳しくすることも楽にすることもできるため、ハイキングはアウトドア愛好家の間で人気が高い。

    「ハイキングは、心拍数と呼吸数が大幅に上がる強度では、優れた有酸素運動になります」と、カルダーは言う。 「かけられる時間や登る標高は、運動への慣れ方によって変わります。 心拍数と主観的な運動強度をモニタリングしておけば、ワークアウトの強度を感覚的に把握できるでしょう」

    ハイキングは自然に親しみたいときにも適している。

    「ハイキングは大きな視点と局所的な視点から、自分のペースで自然を楽しむことができます。虫、花、地形の変化など、サイクリングやランニングでは見逃しがちな細部にも気付くことができるでしょう」と、ヴィンドゥムは言う。

  4. 4.ローラースケート

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    ローラースケートは、アメリカ心臓協会(AHA)に有酸素フィットネススポーツとして認められ、推奨されている。 「ローラースケートは、レベルと滑り方によって1時間に500キロカロリーから1,300キロカロリーを消費します」と語るのは、スケートインストラクター協会のエグゼクティブディレクターで、スケートインストラクターの資格を持つトリッシュ・アレクサンダーだ。 「負担が少ないこともあり、運動を楽しむ多くの人がスケートを始めています」

    スケートは、ランニングやサイクリングのように、大腿四頭筋やハムストリングを使うが、大臀筋や、内側と外側の大腿筋のワークアウトとしても優れていると、アレクサンダーは言う。

    そのうえ、ローラースケートなどの低負荷スポーツは、気分を大幅に高める効果があることが研究で示されている。「ローラースケートはエンドルフィンが放出されるため、頭がクリアになり、集中力が高まり、喜びが湧いてくるなど、さまざまな精神衛生上のメリットがあることが分かっています」と、アレクサンダーは言う。 「ダンススケートでも長距離のスケートでも構わないので、続けていけば、何かに参加する喜びが得られ、気分の落ち込みを和らげられます」

    関連記事:ダンスのメリットとは?

  5. 5.アウトドアのHIITワークアウト

    エキスパートが推薦する、この夏試したい屋外ワークアウト7選

    高強度インターバルトレーニング(HIIT)は場所を選ばないという利点があるため、アウトドアワークアウトとしても優れている。 さらに、HIITトレーニングは時間効率が高く、機具を使わずに効果を得ることができる。

    ヴィンドゥムによると、プライオプッシュアップ、プランク、スクワットジャンプ、ジャンピングジャック、スプリットスクワットジャンプなどが屋外でやりやすいようだ。 難易度を高めたければ、近くの公園のベンチでトライセップディップ、レギュラーまたはラテラルステップアップ、エレベイテッドプランクなどの運動に取り組めば、いい汗がかけるだろう。 他にもヒルスプリントを組み込めば、有酸素効果を高めることができる。

  6. 6.スタンドアップパドルボード

    ミナルディによれば、スタンドアップパドルボードはのんびりしているように見えて、優れた中強度のワークアウトになるという。

    スタンドアップパドルボードでは、ボードに立ち続けなければならないため、バランスを取りながら全身の重みを支えることになる。 こうした動きが背中の筋肉、斜筋、脚のすべての筋肉をはたらかせるようだ。

    手でもパドルをこぐため、「活動量が増え、心拍数が上昇する」のだという。

  7. 7.アウトドアヨガ

    エキスパートが推薦する、この夏試したい屋外ワークアウト7選

    ヨガはスタジオでも楽しめるが、自然の中で行うことによって充実感が増す。

    「ヨガは元々穏やかなエクササイズですが、屋外でやればさらに効果が高まります」と、カルダーは言う。

    カカーサナ(クロウポーズ)、ブジャンガアーサナ(コブラストレッチ)、タダーサナ(マウテンポーズ)、チャンドラナマスカーラ(ムーンポーズ)など、アーサナ(ヨガのポーズ、体勢)の名前に動物や自然にちなむものが多いのには、それなりの由縁があるのだ。 屋外のヨガは季節を問わず有益だが、暑いなかで行うヨガには独特の効果がある。

    「暑いところでヨガをすると、心拍数が上がることで、カロリーの消費量が増加します」と、カルダーは言う。 「気温が高いと柔軟性が高まり、発汗が促され、毒素を排出しやすくなります」

    他の場合と同様に、暑いところでエクササイズをするときは、水分補給が重要だ。 また、外で運動をするときは、やり過ぎてはいないか、身体の声に耳を傾けるようにしよう。

    専門家からのさまざまなアドバイスをチェックするには、Nike Training Clubアプリをダウンロードしよう。

    文:フェイス・ブラー

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公開日:2022年6月24日

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