睡眠を改善する5つのヨガポーズ(エキスパート推奨)
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就寝前のやさしいヨガで、心を落ち着かせ、体をリラックスさせ、睡眠の質を高める方法を紹介します。エキスパートが推奨する5つのポーズと、その実践方法を学びましょう。

眠気を感じてベッドに横たわると、脳が急に冴えてしまう。眠れても夜中に何度も目が覚め、なかなか寝付けない。こうした悩みを抱える人は少なくありません。2024年の調査では、アメリカの成人の約60%が「もっと睡眠が取れれば調子が良くなる」と答えています。
寝室を涼しくする、就寝前にスマホを見ない、毎日同じ時間に起きるといった「睡眠衛生」の改善は有効ですが、神経が常に高ぶっている場合は十分ではないことがあります。だからこそ、就寝前のヨガが役立つ可能性があります。ヨガは神経を落ち着かせ、眠りに入りやすい状態を作るのに効果的だからです。
ヨガは睡眠に効くのか
「ヨガは神経系に、安心して落ち着いていいと教えてくれます」と、感情的回復力を専門とする神経系教育者のジェシカ・マグワイアは言います。「穏やかな動きと呼吸法が、脳に安全だと信号を送る経路を活性化します。続けることで、睡眠に必要な落ち着いた状態へ切り替わりやすくなります」。
クリーブランド・クリニックによると、自律神経系は脳とほとんどの内臓をつなぎ、さまざまな体の働きに関わっています。この自律神経系は、交感神経と副交感神経という2つの異なる部分で構成されています。
交感神経系はストレスや危険を感じたときに働き、いわゆる「闘争・逃走」反応を担います。一方で副交感神経系はその逆で、「休息と消化」の働きを担い、心身を落ち着かせます。副交感神経が働くと、心拍がゆっくりになり、緊張が緩み、呼吸が深くなります。これは質の高い睡眠にとっても重要です。
研究では、ヨガのトレーニングが副交感神経系を大きく活性化し、交感神経の過敏さを低下させることが示されています。研究者は、定期的なヨガの実践がストレスを軽減し、生活習慣に関連する病気の予防につながる可能性があると述べています。
概要:ヨガが睡眠をサポートする仕組み
睡眠の質と時間を改善するために、ヨガが役立つ理由をまとめました。
- 回復に必要な睡眠のために、心拍数を下げる
- 副交感神経系を活性化し、リラックスしやすくする
- 筋肉の緊張を和らげ、寝つきをよくする
- 呼吸を整え、心を落ち着けることで、寝つきが良くなり、途中で目が覚めにくくなる
睡眠の質を上げるヨガポーズ
就寝前のヨガの主な目的は、呼吸に意識を向け、動きを穏やかでゆっくりにすることで、体と心が自然と落ち着き、回復に向かう状態へと移行することだと、マグワイアは言います。試してみたいポーズ
1. チャイルドポーズ
就寝前のルーティンに入るとき、最初に体を落ち着かせることが大切です。これは神経系に「そろそろリラックスする時間だ」と伝えるサインにもなります、とミネソタ州デュルースの認定ヨガ・瞑想インストラクター、ジェシー・エリクソン(RYT)は言います。「チャイルドポーズは、股関節、太もも、足首、背骨を優しく伸ばせるので、最初に行うのに適しています」。
- 手と膝を床につけたテーブルトップから始め、膝を左右に開き、親指同士を合わせる。手を前に滑らせ、お尻をかかとに寄せていく。
- 額を床に近づけ、
- 深く呼吸ながら、息を吐くたびに筋肉をゆるめていく。
- 2〜3分キープする。
道具の使用やポーズの変更(任意):背中に負担を感じる場合は、腕を前に重ねて額を支えるとよいです。膝を開かず脚を揃えたままでも構いません。
2. リクライニングツイスト
「脊柱の可動性を高め、下背部への圧迫を和らげます。また、腸脛靭帯、梨状筋、下背部、腹部、肩、首を含む全身を優しく伸ばせます」とエリクソンは言います。
- 仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せます。
- 腕を左右に広げてT字の形にし、手のひらを上に向けたまま、両膝を片側へ倒す。
- 反対側の腕の方へ視線を向け、1〜2分キープする。
- その後、脚を伸ばして腕を体側に置き、シャヴァーサナに戻る。下背部に違和感がある場合は、膝を曲げて足を床につけたまま行っう。
- 反対側で同じ動きを繰り返す。
道具の使用やポーズの変更(任意):ツイストの際、膝の下にブランケットを敷くとよいです。特に筋肉に負担を感じる場合はおすすめです。
3. シーテッド フォワード ベンド
ヨガでは、前に体を倒す動きは落ち着きやすいとされており、こうしたポーズはクラスの最後に行われることが多いとエリクソンは言います。
- マットに座り、膝を軽く曲げて脚を前に伸ばす。
- ゆっくり前屈し、腕をできるだけ前に伸ばす(膝、ふくらはぎ、つま先のどこに届いても大丈夫です)。
- 2〜3分キープする。
道具の使用やポーズの変更(任意):下背部に張りを感じる場合は、前屈する前に折りたたんだブランケットの上に座るとよいです。股関節や背中の張りを緩めたい場合は、膝をさらに曲げても構いません。
4. レッグアップザウォールのポーズ
これは「逆転のポーズ」に分類され、頭が足より下に位置するポーズだとエリクソンは言います。部屋の中央で行うと難しい逆転ポーズもありますが、このポーズは壁に体を預けられるため、神経系を落ち着かせる効果が期待できます。
- 仰向けに寝て、脚をまっすぐ伸ばし、壁にぴったりと押し当てる。お尻も壁に寄せて、壁に沿うようにする。
- 2〜3分キープする。
道具の使用やポーズの変更(任意):下背部に張りを感じる場合は、壁際にブランケットを敷いて支えると負担が軽くなります。床に仰向けに寝た状態で、壁の代わりに椅子に脚を乗せる形でも行えます(膝を曲げて脚を置く)。
5. リクラインドピジョンのポーズ
このポーズは股関節の緊張をほぐすことに重点を置いており、全身がよりリラックスしやすくなります。
- 仰向けに寝て、膝を立てて足を床につける。
- 右足を左太ももの上に乗せ、右足首を左膝の下に置く。
- 左足を持ち上げ、すねが床と平行になるようにする。
- 左脚の後ろを持ち、胸に向かってゆっくりと引き寄せる。
- 心地よい伸びを感じたら、1〜3分キープする。
- 反対側も同様に行う。
道具の使用やポーズの変更(任意):左足を床につけたまま、腕をT字に広げて行うと、左脚の後ろを掴むよりも負担が少なく、よりリラックスしやすくなります。
就寝前のヨガの流れ
就寝前のヨガは好きな長さで行えますが、マグワイアは20〜30分程度を目安にするとリラックスしやすいと提案しています。例としては、次のような流れです。
- 最初に深呼吸を2〜3分
- やさしいポーズを3つ、各5〜8分キープする、または5つのポーズを各2〜3分キープする
- 長くポーズをキープする場合は、枕やボルスターを使って負担を軽くする
- 最後に呼吸法や瞑想を2〜3分
就寝前のヨガを10分に短縮したい場合は、呼吸法やポーズの時間を短くします。たとえば、深呼吸2分、ポーズ3つを各2分、最後に瞑想2分などです。
就寝前に避けるべきことと、意識すべきこと
就寝前のルーティンを組み立てる際は、次のような睡眠を妨げる可能性がある動きや刺激を避けることが重要です。
- パワーヨガのようなテンポの速いフロー
- 心拍数を上げるような、ジャンプや跳ねる動き(カーディオ系)
- 明るい光や騒がしい環境
- 頭立ちや鋤のポーズなどの強いストレッチや逆転のポーズ
- 背中を反らせるような胸を開くポーズ(ホイールやキャメルのポーズなど)
- カフェイン摂取や食べ過ぎ
睡眠の準備として、空間と身体の両方を整えるために、ヨガのルーティンに次の要素を加えると効果的です。
- 明かりを暗くする
- 静かな空間または自然音
- 室温を涼しくする
- デバイスを使わない、特に通知が鳴るものは避ける
睡眠の問題を含め、健康に関する悩みは、上記のような対策を実践し、就寝前のヨガを習慣化してもなお質の良い睡眠が取れない場合は、医師に相談してください。
よくある質問
いつヨガをすると睡眠に良いですか?
就寝前のヨガは夕方のいつでも行えますが、一般的には就寝の30分から1時間前に行うと、眠りにつくために必要なリラックス状態に入りやすくなります。
どのポーズが落ち着く効果があり、どのポーズが目が冴える効果がありますか?
前屈のポーズは上半身を前に倒す動きになるため、一般的に落ち着く効果があります。一方で背中を反らせるポーズは、目が冴えやすい傾向があります。また、レッグ アップ ザ ウォールのように長時間キープするポーズは、夜に向けて神経系を落ち着かせるため、リラックス効果があります。
最も効果を得るにはどのくらいの頻度で行うべきですか?
脳と神経系は、予測できる就寝前のルーティンから恩恵を受けるため、理想的には毎晩ヨガを行うのが最も効果的です。週に数回でも、就寝前のリラックスには役立つ可能性があります。




