ヨガを今すぐ始めるべき28の理由

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ヨガのさまざまな健康効果がようやく科学的にわかってきた。それは、筋力アップから、睡眠の質の向上、気分の改善など多岐にわたる。

最終更新日:2022年6月30日
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健康とウェルネス、運動スキルの向上につながるヨガのメリット

定期的にヨガを実践している人は、ヨガマットに乗るだけで心が落ち着き、穏やかになれるのがわかる。 彼らはヨガの実践を通じて、生活の中で直面する困難にしっかりと向き合い、活力とパフォーマンスを高めている。 しかし、ヨガの上級者にならなくても、フィットネス効果は十分得ることができる。 まずは一度レッスンに参加してみよう。ヨガがさまざまな面から生活やスポーツに好影響をもたすることがわかるはずだ。

ヨガがもたらす28のメリット

ヨガの歴史は何千年前にさかのぼる。 近年、現代科学において、ヨガの実践によって人間の体験を高める方法について研究が進んでいる。 ここでは、実証に基づいたヨガの28のメリットをご紹介しよう。

ヨガが身体にもたらす9のメリット

  • 筋力の強化:伝統的なヨガのクラスでダンベルやケトルベルを使うことは、まずないだろう。それでも、ヘッドスタンドやプランク、ダウンドッグ、チェアポーズなどのアーサナ(ポーズ)で筋肉は鍛えられる。 非常に多くの研究で、ヨガが筋力強化につがなることが示されている。 2015年の研究では、12週間のハタヨガに参加した成人173名に、全身の筋力の増強が確認されている。 2015年の別の調査結果でも、ビクラムヨガによって下半身の筋力がアップし、全身の可動域が向上することが明らかになっている。

  • バランス感覚の向上:ツリーポーズやイーグルポーズ、ウォリアー2などのポーズで、身体の安定感が高まる。 学術雑誌『Age and Aging』で発表された研究では、ヨガを基本としたエクササイズにより、60歳以上の高齢者のバランス感覚が向上し、転倒リスクが低下することがわかった。 また、2016年の研究では、大学に通う若い男性でも、ヨガのワークアウトに参加することでバランス感覚が向上することが判明している。

  • 柔軟性のアップ:体が硬くてもヨガのレッスンには参加できるが、定期的に参加し続けることで体が柔らかくなる可能性が高い。 実際、ある研究では、デスクワークの成人がヨガのレッスンに8週間(週3回)参加したところ、柔軟性、機動力、筋力、バランス感覚が大幅に向上した。 柔軟性が高まると、体力も向上する。

  • 活力や生命力の増進:活力レベルや生命力は一人ひとり大きく異なるため、測定するのは難しい。 ところが、ある「パワーポーズ」を練習すると、主観的な活力レベルが向上するという研究結果がある。 そのポーズとは、立位のオープンポーズ(マウンテンポーズ(タダーサナ)やアップワードサルート(ウールドゥヴァハスターサナ))、立位のクローズドポーズ(イーグルポーズ(ガルーダアーサナ))などだ。

  • 運動能力の向上:あらゆる競技のアスリートが、ヨガで運動能力を高めている。 たとえば、ある研究では、11のポーズから成る20分間の短いヨガセッションが長距離ランナーのパフォーマンス向上に役立った。 また、別の研究では、大学の男子アスリートが10週間のヨガレッスンを受けた結果、体格がよくなり、運動能力が全体的に向上した。

  • ケガのリスクを軽減:運動はしたいがケガは避けたいと思っている人には、ヨガがおすすめだ。 アメリカ国立衛生研究所によると、ヨガによるケガのリスクは、身体的負荷の高い運動(ランニング、テニス、スケートなど)よりも低い。 また、ヨガをすることが従業員の仕事中のケガを減らすことにつながると示唆する研究もある。

  • 呼吸の改善:ヨガで一番大切なのはプラナヤマ呼吸法。呼吸をコントロールする正式な方法だ。 呼吸を深めるだけで、よりリラックスして集中力が高まる感じがする。また、わずか8週間で呼吸機能全体を改善できるとの研究結果もある。

  • 姿勢の改善:マットの上でヨガを数分するだけで、背筋が伸びて、身のこなしが優雅になったような気がするだろう。 健康的な姿勢に関する調査が、この感覚を裏付けている。ハタヨガによって、健康的な若い成人の姿勢が良くなること、また、高齢者の姿勢制御能力、機動力、歩行速度が向上することが研究により明らかになっているのだ。 姿勢が良くなるのは、ヨガの多くのメリットの1つと言える。

  • 骨の健康促進をサポート:年を重ねるにつれ、多くの人、特に閉経後の女性は、骨の健康を改善または維持する方法を求めるようになる。 調査によると、12分間のヨガを日課にすることで、骨により大きな負荷がかかり、背骨と大腿骨の両方の骨密度が増加するそうだ。

ヨガがライフスタイルにもたらす9のメリット

  • 睡眠の改善:もっとぐっすり寝たいと思う人は多いのではないだろうか? いくつかの研究が、さまざまな集団においてヨガとより良い睡眠を結び付けている。 「Yoga Journal」の専門家は、ヨガニドラ(全身の力を抜くヨガのポーズ)のようなリラックスできるヨガをすすめている。

  • 気分アップ:気分が乗らない日は、 ヨガを数分間しよう。 ある研究でヨガとウォーキングを比較したところ、12週間のヨガはウォーキングよりも、気分アップにはるかに効果的で不安を和らげることがわかった。

  • ストレスの軽減:ヨガで生活からストレスを取り除くことできないが、ヨガを定期的に行うとストレスにうまく対処できるようになるかもしれない。 「International Journal of Yoga」の研究者によると、ヨガはストレスの対処・軽減方法として効果的とのこと。彼女は、ヨガをストレス管理の対処法としてすすめている。

  • 人間関係の構築:ヨガの真髄は自分自身を深く追求すること。 それと同時に、支えてくれたり励ましたりしてくれる講師や受講者、リーダーなどのコミュニティと人間関係を築く機会でもある。 成長の機会は、ワークショップやヨガ関連の小旅行など豊富だ。

  • マインドフルネスの向上:瞑想やマインドフルネスを理解し実践することは、日常の厄介な事態を切り抜けるのに効果的だ。 マインドフルネスとは、今この瞬間を常に完全に意識する能力を指す。特に健康的な食習慣の分野において、ヨガを実践することでマインドフルネスが高まることは、研究によって明らかになっている。

  • 集中力アップ:誰もが仕事やスポーツだけでなく、家族団らんにも、もっと集中して取り組みたいと思っているのではないだろうか。 2017年の研究によると、ヨガは意識を集中させ、認知能力全体を強化するのにも役立つ。

  • 自尊心を高める:パワーポーズは活力や生命力の増進に役立つことを思い出してほしい。 ある研究では、パワーポーズによって自尊心も高まると指摘されている。 また、ヨガが未成年火傷被害者などにプラスの効果を与え、自尊心を高めることができる仕組みを探っている研究もある。

  • セルフケアの促進:最近、十分にリラックスしたり、いたわってもらったりしていないという人はいるだろうか? National Institutes of Complementary and Integrative Healthは、ヨガによって健康的な生活習慣が身に付くようになるとアドバイスしている。 また、Journal of Clinical Medicineが公開した2020年の研究結果によると、ヨガはストレスを管理し軽減するセルフケアツールの役割も果たすようだ。

  • 生活の質の向上:いくつかの研究で、さまざまな集団を対象に生活の質に与えるヨガの影響を調査している。そこから、治療中の人、慢性的な痛みや病気を抱えている人などが、ヨガをするだけで生活に前向きになれることが明らかになった。

ヨガが健康にもたらす10のメリット

  • 腰痛の緩和:腰痛があると、暮らしのあらゆる側面に支障が出る。腰は日常生活の多くの動作に関わっているためだ。 薬を服用して治療する人もいるが、いくつかの研究では、安全な代替療法としてヨガを挙げている。

  • 関節炎症状の軽減:関節炎を抱えているなら、ヨガを始めてみてはどうだろうか。科学的証拠から、変形性関節症患者の症状(関節の圧痛や腫れ、痛みなど)および身体的な障害の軽減、自己効力感とメンタルヘルスの改善に、ヨガが支持されている。

  • 健康的な減量をサポート:減量に役立つエクササイズプログラムを探しているなら、 ヨガはおすすめだ。 ある研究では、低カロリー・低脂肪の食事制限を伴う6か月間の行動的減量プログラムの中でハタヨガとヴィンヤサヨガを比較している。 ハタグループもヴィンヤサグループも、ヨガを週5日(20-60分間のセッション)行ったところ、減量に成功している。

  • 炎症の軽減:慢性炎症は、心臓病、ガン、関節リウマチなどの多くの疾患の主要な症状だ。研究者によると、ヨガのワークアウトプログラムが「多くの慢性症状において炎症を軽減する実行可能な治療介入」になり得ることがわかった。また、別の2018年の研究では、炎症性要素を持つ疾病にかかるリスクのある人、またはすでに治療中の人にとって、ヨガが補完的な治療として効果を発揮することがあると結論付けている。 さらに、ヨガは他の医療介入よりも副作用が少ないとも考えられる。

  • 慢性痛の治療:首の痛み、頭痛、腰痛。 いずれかの症状で悩んでいる人も多いだろう。 痛みを軽減する方法を探しているなら、改善策の1つにヨガをプラスすることをおすすめする。 多くの研究が、慢性痛の有効な治療法にヨガを挙げている。

  • 鬱症状の軽減をサポート:鬱症状に悩んでいる人は、ヨガを始めるといいかもしれない。 2017年の大規模な調査の結果、ヨガが気分の落ち込みの軽減に効果的であることがわかった。 そこで採用された最も一般的なヨガのスタイルはハタヨガだ。

  • 血圧を下げる効果:より広く知れ渡っているヨガのメリットの1つが、血圧を下げる効果だ。 いくつかの大規模な調査の結果、このメリットは確認されているが、科学者がその関連性を完全に理解できるように、調査は今も続いている。

  • 更年期症状の緩和:ホットフラッシュ、気分変動、睡眠障害は、どれも更年期障害の女性が訴えている問題だ。 多数のエビデンスにより、このゆらぎ期にヨガをすると、これらの症状やその他の症状の緩和に役立つことがわかっている。

  • 免疫の健康増進:ヨガと健康的な免疫システムの関係を解明する研究は、まだ初期段階だ。研究者は、ヨガが免疫の健康の増進に役立つ可能性があると考えているが、最大の効果を得るには、より長い期間、定期的にヨガを実践する必要があるとも言っている。

ヨガを始める際のFAQ

健康面とフィットネス面の両方のメリットを得るには、どのくらいの頻度でヨガを行う必要がある?

健康面とフィットネス面の両方のメリットを得るためにどれくらいヨガを行う必要があるかについては、厳格なルールはない。 ある研究では、ヨガのポーズを2分間行うだけでもプラスの効果が得られると実証している。 一方、ほとんどの研究では、少なくとも8週間は続けるべきだとしている。 だだし、その期間が過ぎるまで何の変化も得られないというわけではない。

健康面のメリットを得るには、どの流派のヨガを選ぶべき?

ヨガにはさまざまなスタイルがあり、それぞれに固有の目的がある。 ハタヨガとヴィンヤサヨガ(フローヨガ)は、いずれも広く研究されている。 だからと言って、他のスタイルのヨガにはメリットがないというわけではない。 たとえば、ヨガニドラは緊張をほどいてリラックスさせる効果がある。 陰ヨガは、ゆったりした流れで、ヒップ、腰、太ももの動きに集中する。 ヨガを始める前にそれぞれのスタイルについて調べ、自分のニーズに合うスタイルを選ぼう。

自宅でヨガをしても、健康面のメリットは得られる?

どこでヨガをしても、健康面のメリットを得ることはできる。 ヨガスタジオの雰囲気が気に入ったら、そこでヨガのレッスンを受けよう。 気に入らなくても、オンラインリソースやアプリが数え切れないほどある。それを利用すれば、自宅など気に入った場所でヨガをすることができる。

健康とウェルネス、運動スキルの向上につながるヨガのメリット

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公開日:2021年11月18日

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