メンタルを高め、自己不信を克服

Coaching

世界トップレベルのアスリートでさえ心の悩みに直面する。彼らのパワフルな習慣を真似て、どこまでも前進し続けよう。

最終更新日:2022年8月2日
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  • 偉大であるかどうかを決定するのは、ほぼメンタルの力だと言っていい。伝説を打ち立ててきたアスリートの手法を活用すれば、誰でも偉大な存在に近づける。
  • ビジュアライゼーションとセルフトークによって不信を克服し、勝者のマインドセットを手に入れよう。
  • 決め手になるのは「グリット」、最後までやり遂げるという気概だ。その意志が固いほど、目標達成の見込みも高くなる。


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アスリートのマインドセット、6つの習慣

セリーナ・ウィリアムズ、レブロン・ジェームズ、ネイマール。彼らを偉大な存在にしている決め手は何だろう。Nikeのポッドキャスト、「TRAINED トレーニング最前線」の創設メンバーにしてホスト役を務めるトレーナーのライアン・フラハーティは知っている。アスリートを支えるのは、スピードでも筋力でもなければ、耐久力や遺伝子も関係ない。一流と二流の違いは、メンタルにこそあるのだ。

金メダリスト、世界チャンピオン、記録保持者。ライアンは15年間にわたって何百人もの一流アスリートと付き合い、彼らの思考のクセや行動を綿密に研究してきた。そしてそこから得た知見を用い、自律的な成長とパフォーマンス向上を目指すアスリートたちをサポートしている。研究でタッグを組んでいるのは、シカゴ大学プリツカー医学部で脳ダイナミクス研究室の主任を務めているステファニー・カシオポ博士。2人は事実と神経科学を関連付けて、さまざまな結論を引き出してきた。

一流アスリートに見られる思考のクセや行動は、殿堂入りを約束された特別なエリートだけのものではない。ライアンとカシオポ博士は、そう口を揃えて言う。自己不信を克服したい。より速く、長い距離を走りたい。より上手にプレーしたい。あるいは、単により良く生きたい。そんな願望を持つすべての人にとって、一流アスリートの習慣は役に立つ。

1. 自分自身と会話する。

自分の頭の中の声を聞くだけでなく、実際に会話してみよう。ただしエキスパートが「セルフトーク」と呼ぶ戦略的な方法で。最高のパフォーマンスを発揮するため、ここぞというときに集中力と自信を身につける方法としてアスリートが実践するものだ。自分自身と会話するときは、自分が最良の親友であるように語りかける。つまり自分をサポートしたり(「君ならできる!」)、指示したり(「深呼吸をしよう」)するのだ。決して批判的になってはいけない。シュートを外したり昇進のチャンスを逃したりした自分をなじるのもやめておこう。

また自分を「私」や「僕」ではなく、「君 / あなた」「彼 / 彼女」などと二人称や三人称で呼ぶこと。感情面で少し距離を取れば、大切な人に接する場合と同じように、自分に優しくすることができる。

2. 思い描いて実現する。

一流アスリートの多くは、前夜に試合の全行程をイメージする。ベッドを出てから、表彰式で金メダルを授与されるまで、文字通りすべての過程だ。ポジティブな行動や結果を詳しく鮮明にイメージするこの「ビジュアライゼーション」によって、実際の体験に向けて心の準備を整える。すると現実の試合でも、プレー中の反射神経、自信、持久力が高まってくるのだ。

あらゆることが完璧に進むパターンだけでなく、恐れているシナリオもすべて思い描く。そうしておけばトラブル発生時にも克服プランが用意されているというわけだ。この習慣は、人生を左右する体験(何としてでも受かりたい仕事の面接や、初めてのトライアスロンなど)や、ワークアウトといった毎日のタスクにも活かすことができる。

アスリートのマインドセット、6つの習慣

3. 目的を見つける。

自分では気付いていなくても、目的にはすべて核となる「理由」があり、困難に立ち向かうときに自分を鼓舞してくれる。この理由さえ特定できれば、いつでも源泉から好きなだけモチベーションを引き出せるのだ。一流アスリートの場合、「理由」は個人的なものであったり、感情的なものであったりする。たとえば、レブロン・ジェームズとセリーナ・ウィリアムズは、2人とも「自分と似たような生まれの子どもたちに、偉業を成し遂げる意欲を与えること」を目的にしている。このような目的を特定するには、自分が充実感を得られたり、誇らしく思えたりすることを見つければよい。

よく分からない場合は、NBAやテニスのスター選手たちをヒントにしてみよう。次世代や大切な人のためにプレーすることを目的の中心に据えている人たちだ。自分以外の人たちのニーズに重点を置くことで、自分のモチベーションと責任感を維持できる。そして「もう少しだけ努力しよう」と自分を奮い立たせ、前に進む原動力を得ることもできるのだ。

4. 諦めない。

「グリット」とは最後までやり遂げるという情熱と粘り強さであり、長期的な目標を達成するのに役立つ。あらゆるコーチがアスリートに求めるのは、そんな不屈のメンタルだ。自分のグリットをチェックするには、物事をどのように遂行しているか、振り返ってみよう。自分で始めたタスクを完了させているだろうか。そもそもタスクが何であったかを覚えているだろうか。こんな質問にうまく答えられない場合は、数日で達成できるような小さい目標を設定してみよう。たとえば完全に菜食に切り替えるのではなく、週に3日は肉をやめるところから開始する。

その目標が達成できたら何度も繰り返し、次は肉を食べない日をもう1日増やしてみる。そうやって1日ずつ追加していけば、いつしかそれが週7日になり、1ヵ月になり、1年も続くようになるだろう。日常の中で小さな目標を達成していけば、徐々にグリットが身についてきて、より大きな目標も着実に達成できるはずだ。

5. プロセスにこだわる。

目標を見据えながらタスクを整理し、過剰なまでに日常のルーティンを守っている一流アスリートは少なくない。毎日の生活で効果的な「プロセス」を作り上げるのは、厳格な計画をキープするのと同様、シンプルな行為かもしれない。毎日のルーティンを思い起こしながら、自分自身に問いかけてみよう。定期的で一貫性のあるタスクにより、効果を見いだせているか。まったく同じ内容で繰り返されるタスクから自動的に学べているか。短期的なタスクで構成され長期的な目標につながるアクションプランが含まれているか。焦点が合っていて、本当の「理由」をいつも最優先しているか。そして最後に、寛容な態度で実行し、失敗した自分を責めていないか。

自己不信を制御し、プロセスを長く維持するには、自分を責めずに励ますことが役に立つ。

6. 全責任を負う。

当事者として目標に向かう。つまり自分の成長に全責任を持つことが大切だ。ただし、そこに言い訳や非難が入り込んではいけない。これは偉大な才能を持つ人が、偉大なアスリートになる過程で学ぶ知恵である。なぜなら偉大な才能の持ち主は、パフォーマンスが自分でコントロールできるものだと知っているからだ。プロセスと同様に、自分の状態は簡単な分析でチェックできる。必要な場面でしかるべき役割を引き受け、主体性を発揮しているか。自分の行動に責任を持ち、結果の良し悪しに関わらずすべてを受け入れる覚悟があるか。どんな日も当事者意識を欠かさず、周囲から信頼されているか。期待以上の働きをして積極的に貢献しているか。

全責任を負うのは、本物のリーダーたる証しだ。あなたは頼りになる存在で、みんなが期待する以上の成果を上げられる。そんな当事者意識と責任感が身につけば、自分以外の人にも恩恵がもたらせる。チームメイト、家族、友人たちが、ピンチでも平時でも、安心してあなたを頼ることができるからだ。


プロセスに確信が持てなくなったら、セリーナ・ウィリアムズやレブロン・ジェームズでさえも一夜にして偉業を成し遂げたわけではないことを思い出そう。懸命に努力を続ければ、成長を実感できる日が必ずやってくる。

文:ダニエル・メナシェ
イラスト:ライアン・ジョンソン

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Nike Trainerのジョー・ホルダーは、トレーニング哲学と人生を通じてアスリートのマインドセットを具現化している。彼自身の成長のストーリーを読み、Nike Training Clubアプリのワークアウトで効果を実感しながら心に合わせて体を動かそう。

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