ランニングで減量するためのヒント

健康とウェルネス

ジムに入会したり、高価な器具を買ったり、ダイエットプランに登録したりする必要はない。 ここでは、エクササイズや減量のプランにランニングを取り入れる方法を紹介する。

最終更新日:2021年11月22日
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ダイエットでランニングをする時のアドバイス

減量を目標とする人におすすめしたい方法はたくさんある。 しかし、ランニングほど手軽な減量方法は他にない。 ランニングならお金をかけず、どこでも簡単に減量できる。 ジムに入会したり、高価な器具を買ったり、ダイエットプランに登録したりする必要はない。 また、ランニングには、寿命が延びたり、心疾患のリスクが低下したり、気分が爽快になったりするなど、減量以外のメリットもある。

ランニングは体脂肪を減らすために効果的であることが数々の研究で分かっている。ただし、減量効果が一定ではないことを示す研究もある。 運動による減量が大成功する人もいれば、目標を達成するのに苦労する人もいるのだ。 ランニングで体重を落としてスリムになりたいなら、以下に挙げる、減量を成功させるための簡単なステップを試してみよう。

減量のためのランニング:4段階プラン

  1. 1.SMART目標を設定する

    段階的なプランがあれば、減量に成功しやすくなる。 研究者によると、その第一歩としてSMART目標を設定するのが効果的だという。 この目標がロードマップとなり、成功に導いてくれるのだ。 SMART目標のSMARTとは、次のことを指す。

    • 明確(Specific)
    • 測定可能(Measurable)
    • 達成可能(Attainable)
    • 現実的である(Realistic and relevant)
    • 目標に期限を定めている(Time-bound)

    SMART目標を正しく理解するために、例をあげて考えてみよう。 コロナ禍で増えてしまった体重を落とすために、ランニングを始めて4~5kg減量したいとする。 この目標は理に適っているように思えるが、漠然としている。

    これをSMART目標にするには、いろいろと細かく決めなければならない。 例えば、1週間に3回(明確)、1回につき30~40分ランニングをして(測定可能)、フィットネスレベルを高め(達成可能)、1週間につき最大450gの減量(現実的)を2か月間継続する(期限を定めている)といったものだ。

    SMART目標はいつでも調整してよい。 初めてのチャレンジで自分にプレッシャーをかけすぎないようにしよう。 目標を書いて見える場所に貼っておけば、 自分に対する約束を毎日思い出すことができる。

  2. 2.計画を守り、習慣を築く

    特にランニング初心者にとって、しっかり計画立てられたランニングプログラムは、初めの一歩を踏み出すためのガイダンスとして役立つ。 アクティビティレベルを高め、より多くのカロリーを燃やして体脂肪を減らし、体重を落とすことができる計画は魅力的だ。 しかし、必ず自分のフィットネスレベルに適したものであることを確認しよう。 焦ってハードにしすぎると、かえって大失敗となる恐れがある。

    例えば、ランニングには慣れているがレースに出場したことがない場合、5Kランを完走するという目標を立てるとよい。 短距離ランやダッシュは、肉体を追い込み、たくさんのカロリーを消費して、代謝を高めることができる。 長距離ランは、持久力を高め、脂肪を燃やすのに効果的だ。一方リカバリーランには、体を休めて体力を回復させ、怪我のリスクを抑える効果がある。

    ランニング初心者や太りすぎの場合、あるいは持病や怪我がある場合は、医師に相談し、ランニングによる減量が自分に適しているかどうかを確認しよう。 そして、まずはインターバルのあるウォーキングやランニングから始め、徐々にゆっくりした一定のペースでのジョギングに体を慣らしていくとよい。 ペースや距離を気にして急ぐのではなく、 習慣を築くことを重視しよう。

  3. 3.ステップ3:食習慣を見直す

    減量のためにランニングを始めると消費カロリーが増えるが、摂取するカロリーも増えてしまい、目に見える効果が現れない可能性がある。 研究者はこれを「重量の相殺」と呼んでいる。

    新しいエクササイズを始めたり、ルーティーンに取り入れるエクササイズの量を増やしたりすると空腹感が増すことが、研究で分かっている。 その結果、甘いものを食べたくなったり、食事の量が増えたりする。 専門家によると、ワークアウトで消費した分を上回るカロリーを摂取してしまう人もいるという。

    この問題の解決策は、食事制限プランを取り入れることでも、食事のたびにカロリーを計算することでもない。 ランニングプランをやり遂げるためには、そのエネルギーとなる良質な栄養が必要だ。 運動生理学者は、ランニングとバランスの取れた食生活を組み合わせるのが最善の減量プランであると提唱している。

    カロリーに気を取られすぎずに、エネルギーとなる炭水化物(全粒穀物、青菜、未加工の果物)、筋肉を形成する脂肪分の少ないタンパク質(卵、鶏肉、豆腐)、適度にビタミンを吸収できる良質な脂質を取り入れた健康的な食習慣を築こう。 また、ワークアウト中やその前後に十分に水分補給をすることも重要だ。 栄養価の高いスナックを携帯し、ランニングの前後に食べるのもよいだろう。

    必要な栄養が摂れているか分からない場合や、一日中エネルギーが不足しているように感じる場合は、公認スポーツ栄養士に相談しよう。 一度相談するだけで、自分に合ったカロリー摂取、減量、健康維持の方法を指導してもらうことができる。

  4. 4.筋力とバランス能力を鍛える

    アメリカスポーツ医学会の最新のガイドラインで、アメリカ人は心臓の健康のために1週間あたり150分の適度な運動を行うことが推奨されている。 また、減量のためには1週間あたり250分以上の運動が必要とされている。 これは、週7日なら1日あたり35分、週4~5日なら1日あたり約1時間の運動となる。 しかし、減量が目的なら、その時間をすべてランニングに費やしてはならない。

    ランニングワークアウトだけでは、減量に適したランニングプランは完成しない。 クロストレーニングワークアウトを含む総合的なプログラムで、筋力、柔軟性、バランス能力を鍛える必要がある。 体を引き締めて健康的な代謝を確保し、疲労や怪我のリスクを抑えるために、ランニング以外のワークアウトが役立つのだ。

    どのようなワークアウトをすべきか分からなくても、安心してほしい。 強くて柔軟な筋肉と体をつくるためのエクササイズガイドとして役立つウェブサイトや、Nike Training Clubなどのアプリがたくさんある。 また、プログラムをサポートするものとして、栄養、回復、睡眠に関する情報を得ることもできる。

減量のためのランニングで犯してはならないミス

減量のために良く考えられたランニングプランを取り入れ、バランスの取れた食事をすることで、スリムな体を手に入れられる可能性は高くなる。 しかし、減量中にはまりやすい次のような落とし穴には注意が必要だ。

ワークアウトの時間が増えても、総運動時間が減る

新しいランニングプログラムを取り入れるのは、1週間あたりの運動時間を増やすのに効果的だ。 しかし、その結果として総運動時間が急激に減少してはならない。 1日の総カロリー消費量において、最大60%を非運動性熱産生(NEAT)が担っている。

減量を目的とする場合、歩いて食料品店へ行ったり、エレベーターの代わりに階段を使ったり、平日の休憩時間に立ったり歩いたりすれば、カロリー消費が積み重なり、大きな違いが生まれる。 エクササイズ時間を増やしたと思っていても、アクティビティモニターやフィットネストラッカーを使って、一日中アクティブに活動し続けているかどうかを確認したほうがよい。

急激にスピードを上げたり距離を延ばしたりする

多くの場合、トレーニングを始めて数週間はモチベーションが非常に高い。 そのため、自分の限界に挑戦し、トレーニングプランの推奨スピードや推奨距離を超えてしまう場合がある。 そうすると短期的にはカロリー消費量が増えるが、怪我をしたり、オーバートレーニングになったりして、長期的には成功が遠のいてしまう。 また、過度な疲労も回避するべきだ。

ランニングの総距離や総時間を増やすのは、1週間に10%を超えないようにしよう。 例えば、1週目の総走行距離が10kmなら、翌週は11km未満にする。 2週目の走行距離が5kmなら、3週目は6km以上走らないようにしよう。

仲間の応援を過小評価する

減量は一人ぼっちの戦いのように思える。それは間違いではない。 しかし、背中を押してほしい時に応援し、励ましてくれる仲間を見つけたほうがはるかによい。 オンラインや地元のランニングチームで仲間を探そう。 Nike Run Clubアプリを使えば、ワークアウトを記録し、友だちと競い合い、モチベーションを高めることができる。 また、仲間を励ますことが自分への刺激になり、燃え尽きることなく全力でランニングに取り組むことができるだろう。

よくある質問

ランニングで減量するにはどれくらいの時間がかかるか?

減量効果は決して一定ではない。 一般的に、1週間につき約225~450gの減量を目標としてエクササイズとダイエットを組み合わせて行うのが、長期的に見て合理的だと考えられている。 しかし、体重計に表示される数値がすべてではないということを覚えておこう。 減量のためにエクササイズをすると、脂肪が減り、筋肉が形成される。 筋肉は脂肪より重いため、体が引き締まって健康的になっても、体重計の数値は変わらない場合がある。 体重が減ったことだけでなく、全面的な改善を正しく評価しよう。 長期的には、フィットネスレベル、ランニングのパフォーマンス、健康状態が改善されることによって、体重が変化するだけでなく、健康に対するあらゆる意識の向上が期待できる。

ランニングはウォーキングより減量に適しているか?

減量に最適なのは、習慣的に行えるエクササイズだ。 人によってはそれがウォーキングである場合もあるが、 ランニングの方が短時間で多くのカロリーを燃やすことができる。 そのため、複数の研究で、ウォーキングよりランニングの方が減量に効果的であることが示されている。

ランニングの目標は距離と時間のどちらで設定するべきか?

減量を目的とする場合は時間の目標より距離の目標の方が効果的であることが、研究で分かっている。 しかし、いずれかを強く推奨できるほどの証拠はほとんどないことも、研究者は認めている。 したがって、ライフスタイルに合った目標を設定するのが無難だ。 スケジュールの都合で1日にランニングできる時間が限られているなら、距離ではなく時間の目標を設定しよう。 走行距離を重ねてマイルストーンを達成するのが楽しそうだと思うなら、距離のゴールを設定するのもよい。

太りすぎてランニングを始める場合に、怪我のリスクを抑えられるシューズはあるか?

適切なシューズを履くことは、ランニングプログラムを始める際の基本中の基本だ。 体重の重いランナーには、よりクッション性に優れたランニングシューズが望ましい。 耐久性の高いフォームを使用したミッドソールによって、ランニングのストライドの3段階すべてをサポートするシューズを探そう。 また、偏平足やオーバープロネーションの場合は、サポート性と安定性を高める機能を備えたシューズを選ぶとよい。

公開日:2021年11月10日

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