ランニングのスタミナと持久力をつける方法
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ランニングのスタミナと持久力をつける方法を、走る距離、長距離ラン、インターバル、筋力トレーニング、リカバリー、栄養に関するヒントとともに紹介しよう。

ランニング初心者でも、マラソンに向けてトレーニングしている人でも、ランニングのスタミナと持久力は貴重な資産だ。実際、スタミナと持久力を高めることで、疲れることなく長距離を走ることができる。
スタミナと持久力は、強力な有酸素運動の基礎を構築するトレーニングプログラムを通じて達成することができる。ここでは、VO2 Max(最大酸素摂取量)と乳酸閾値を改善することで、より楽に、より長く走れるようになることを説明する。また、その達成に役立つトレーニングプランも紹介する。
主なポイント:
- ランニングの練習を積む上で、スタミナと持久力は不可欠だ。
- 疲れたり怪我をしたりすることなく長距離を走るには、トレーニングプランを立てることが重要となる。
- 長距離ラン、スピードワーク、筋力トレーニング、プライオメトリクスなど、さまざまな種類のエクササイズを組み合わせることで、スタミナと持久力を高めることができる。
スタミナと持久力の違いは?
スタミナと持久力は、どちらも運動をどれだけ長く続けられるかを示す言葉だ。「一般的に、これらの用語は同じ意味で使用されます」と、Exercise Intelligenceの創設者であるグレゴリー・ゴードン(MA、CSCS、MATRx)は述べている。「しかし、運動科学では明確な違いがあります」と続けるゴードン。
ゴードンは、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の定義によると、持久力には筋肉と心血管の両方の要素が含まれると説明する。「これらのカテゴリーはどちらも客観的に測定できます」と彼は言い、「これらは定量的な尺度です」と続ける。
筋肉の持久力:
筋肉または筋肉群が、動きを生じさせることなく継続的に力を発揮する能力(プランクやウォールシットなど)、または一定期間にわたって反復的に動きを生じさせる能力(ランニングやスクワットなど)
心血管持久力:
持続的な身体活動中に循環器系と呼吸器系が酸素を供給する能力。
スタミナが必要なスポーツは、高強度のものを含め、肉体的にも精神的にも厳しいものだ。高負荷運動の例として、サッカー、トライアスロン、ローイング、格闘技、テニス、バスケットボールなどが挙げられる。こういったスポーツでは、高負荷の運動とアクティブリカバリーが何度も繰り返される。スタミナがあれば、精神的にも肉体的にもこうした繰り返しに耐えることができる。
一方、マラソンのように長時間にわたる継続的な運動では、持久力が必要になる。つまり、筋肉を働かせて運動を継続するために、酸素を含んだ血液を効率的に筋肉に送る能力が心肺系に求められるのだ。持久力が必要なスポーツでは、最大限の効果を上げたり全力を出したりする能力よりも、長時間の運動を可能にする肉体的な能力が試される。
ランニングのスタミナと持久力をつける方法
1. 継続する
メリット:ルーティンを継続することは、有酸素運動の基礎を構築するのに役立つ。
ランニングで持久力を鍛えるコツは、できるだけ規則正しくトレーニングすることだ。スケジュールを守り、週に3、4回は走ろう。ランニングの具体的な距離と回数は、ランニングの経験値やフィットネスレベルによって異なる。初心者のランナーの場合は、週に1、2回から始めて体を徐々に慣らしていくと良い。経験豊富なランナーは、長距離ランやテンポラン(持続的で「快適にハードな」ペース)をルーティンに取り入れることで、ランニング量を増やすことができる。ただし、リカバリーが重要であることもお忘れなく。トレーニングを継続できない人は、次のヒントを参考にしてほしい。
アラームをセットする:アラームがランニングに出かけるタイミングを教えてくれる。アラームの音を聞けば、仕事から帰ってきてソファに倒れ込むかわりに自分の立てた目標を思い出し、ランニングシューズを履くようになるはずだ。
ランニング仲間を作る:仲間と一緒に走ると、トレーニングを続けるのが楽になる。社交とトレーニングを同時にできるのだから一石二鳥だ。
前もってスケジュールを組んでおく:忙しくなるとランニングが後回しになってしまう。前もってスケジュールを組んでおき、自分に使命感を植え付けよう。
ワークアウトプランの例:
気楽なラン:週に3〜5日、会話できるペースで20〜60分。
長距離ラン:週に1日、週の走行距離の20~30%、週ごとの増加率は10%以内にする。
テンポラン:週に1日、無理なくハードな運動量(最大心拍数の約80〜90%)で15〜25分。
インターバル:週に1日、距離と速度は現在のスタミナに合わせて調整する。
2. 徐々に距離を伸ばす
メリット:ランニングのスタミナと持久力を徐々に高めることで、怪我の予防につながる。
経験豊富なランナーなら誰でも知っている「10%ルール」、すなわち走る距離を毎週最大10%ずつ伸ばすルールを実践しよう。少しずつ距離を伸ばすことで、怪我を予防し、過度な負担を感じることなく体を慣らすことができる。
たとえば、ある週に10km走ったら、翌週に走る距離は最大11kmということになる。
3. HIITをトレーニングに取り入れる
メリット:VO2 maxを改善し、乳酸閾値を上げるのに役立つ。
高負荷インターバルトレーニング(HIIT)は、持久力を高めるのに大きな効果がある。2023年6月の研究では、インターバルトレーニングは持久力トレーニングよりもVO2 Max(持久力の指標の1つ)の向上効果が高いことがわかった。
インターバルトレーニングでは、全力での運動と休息を一定時間ずつ繰り返す。坂道を30秒間駆け上がり、60秒間歩いて下るのもインターバルトレーニングの一種だ。また、平坦な道での短距離走(最大心拍数の80~95%)に短時間のウォーキングや軽いジョギングを組み合わせたトレーニングもある。
このようなインターバルトレーニングを続ければ、心肺機能が高まり、長距離レースの負荷に耐えられるようになる。また、高負荷をかけることで、嫌気呼吸の副産物である乳酸を筋肉が効率的に処理できるようになるため、乳酸閾値を高めることができる。ただし、高負荷の運動中に筋肉内の乳酸量が増えると、燃えるような不快な感覚が発生することもある。
4. プライオメトリクスを行う
メリット:器具なしでどこでも行うことができ、筋力と速度を向上させる。
プライオメトリクスとは、瞬発的な運動を利用するトレーニングのことだ。ボックスジャンプ、スクワットジャンプ、クラッププッシュアップ、タックジャンプの動きを想像してみよう。このような動きをすると、筋肉が短い時間で最大の力を発揮するため、筋力と速度の向上につながる。また、ランニングのスタミナ面においても次のような効果がある。
筋肉が伸張性収縮と短縮性収縮を繰り返すうちに、エネルギーを蓄積する能力が向上。筋肉の短縮性収縮は、大多数の人がやりづらさを感じる動きだ。プライオメトリクスではそれを鍛え、短縮性収縮のフェーズで大きな力を出せるようにする。体が効率的に力を出せるようになるため、スピードアップにつながる。
筋繊維の強化。負荷をかけながら行う瞬発的な運動では、今までとは違うタイプのストレスが筋肉にかかる。それをきっかけに、筋繊維の力とサイズを増大させる肥大化プロセスが始まる。
柔軟性のアップ。プライオメトリックは、収縮する前に筋肉繊維を伸ばす。長期間続けることで柔軟性が向上する。たとえば、ボックスジャンプをする際、かがんで大腿四頭筋を伸ばし、瞬発的にジャンプするとよい。
これを続けていると走り方や効率が改善し、怪我のリスク低減にもつながることが、2019年の研究で明らかになっている。
5. ストレスの管理
メリット:スタミナを高める。
スタミナの要素として忘れがちなのが、ストレスとの付き合い方だ。ストレスには、精神的なストレス(例:仕事でつらい思いをした)と肉体的なストレス(例:きついワークアウトをやった)がある。体はストレスを受けると、機能が低下する。免疫機能の低下、コルチゾールやアドレナリンの上昇によるホルモンバランスの崩れ、睡眠障害などは氷山の一角に過ぎない。事実、2019年9~10月に学術誌『PAIN Reports』に掲載された論文によると、ストレスによって回復力が損なわれる。体が闘争・逃走モードになるため、損傷した組織の修復に集中することができなくなるのだ。他のプロセスも一時停止してしまう。
ストレスと上手く付き合うのに有効な方法としては、瞑想、マインドフルネス、ヨガ(ランニングに加えて)がおすすめだ。2011年7~12月に学術誌『International Journal of Yoga』に掲載された論文によると、そのようなエクササイズには、炎症の抑制と神経系の鎮静、筋肉の緊張緩和といった効果がある。
さらに、2020年8月に学術誌『Neural Plasticity』に掲載された論文では、マインドフルネスを5週間続けた被験者に持久力の向上が認められたという結果が示されている。
6. 800メートルのインターバルを走る
メリット:短距離走は持久力を高めるのに役立つ。
持久力を高めたいなら、トレーニングプランに複数回の800メートルのインターバルを加えることをおすすめする。このトレーニングスタイルでは、短距離スプリントと休憩インターバルを複数回行うことで、ランニングのパフォーマンスが高められる。マラソンやハーフマラソンのトレーニングをしている人は、このような運動をすることで長距離ランに必要な要素をイメージしながら、持久力を鍛えることができる。
自分の目標ペースを把握し、800メートル(標準的なランニングトラック2周分)でそれを実践すればよい。つまり、1マイル(約1,600メートル)あたり7分30秒の目標タイムなら、800メートルの目標タイムは3分45秒になる。
7. 筋力トレーニングを怠らない
メリット:パワーを増強し、ランニングエコノミーを向上させる。
経験者・初心者を問わず、筋力トレーニングをトレーニングの習慣に取り入れよう。2010年6月に学術誌『Strength and Conditioning Journal』に掲載された論文によると、筋力トレーニングにはランニングの効率を高める効果があるため、これを続けることにより、少ない酸素で長時間ペースを維持できるようになる。
また、筋肉や関節が鍛えられ、重要な筋肉群が活性化しやすくなる。筋動員率が上昇すればするほど、身体能力も高まる。「パワーを高めるということは、何か(この場合は身体)をより短い時間でより長い距離に動かすことを意味します」とゴードンは言う。「より多くのパワーを生み出すことができれば、一歩ごとに前方への勢いを生み出すことが容易になり、より長い距離をカバーするのに役立つ。」
National Strength and Conditioning Associationによると、身体能力の向上がランニングスピードの上昇につながるとのことだ。
ルーティンを組む:
筋力トレーニングのルーティンを組むために、ゴードンは次のことを推奨している。
2〜4セットのエクササイズ
1セットあたり8〜15回の繰り返し
「両方向に適度なペースで負荷をコントロールしてください」と彼は付け加える。次のような筋力トレーニングは、特にランニングに取り入れるべきだ。
スクワット
オーバーヘッドプレス
ランジ
ベントオーバーロウ
8. 体の声を聞く
メリット:適切なケアで怪我を最小限に抑える。
理想的とは言えないが、シンスプリント、ストレス骨折、ITバンド症候群などの怪我は、以前よりも長くまたは速く走っているときに特に発生しやすい。自分の体の声に耳を傾け、必要に応じて休憩を取り、懸念がある場合は医師に相談することが重要だ。迷ったときは、10パーセントルールに従い、スピードを出すときに過度の負担をかけないようにしましょう。
怪我を最小限に抑えるために、ワークアウトには常に ウォームアップとクールダウンを含めましょう。適切な栄養と水分補給を忘れないでください。これは、60〜90分を超えるランニングで、1時間あたり30〜60グラムの炭水化物を目標にすることを意味します。
ランニングにおいてスタミナと持久力が重要な理由
ランニングには、長時間疲れずに走り続けるためにスタミナと持久力が欠かせない。しかし、スタミナと持久力がついたからといって、急にマラソンが楽になるわけではない。これまで疲労困憊になっていた距離が、徐々にこなせるようになる。足を前に出すことを止めず、最後まで心拍数を低く保つことができるようになるのだ。
持久力が身についたら、ペースを上げていこう。5kmレースのペースが自分のトレーニングペースになることもあり得る。心肺機能が高まるにつれ、より高いレベルに対応できるようになるからだ。
よくある質問:
ランニングのスタミナを高めるにはどれくらいの時間がかかりますか?
場合によります。ランニングスタミナは、継続的に運動することで構築されます。同時に、有酸素運動と筋肉の持久力を高めることで、身体のベースラインを押し上げます。つまり、スタミナの向上が見られるまでには、数週間から数か月かかる場合があります。また、改善は段階的であり、すぐに明らかになるとは限りません。
持久力を高めるには、どのくらいの頻度でランニングすべきですか?
ランニングの持久力を高めるには、継続性が重要ですが、すべてのランナーが同じ基準値からスタートするわけではありません。快適なベースラインにいる場合は、週に3〜5日、会話ペースで20〜60分走るように計画してください。慣れてきたら、より長い距離のランニングやスピードワークをルーティンに追加しても良いでしょう。
初心者でもインターバルトレーニングはできますか?
はい、初心者でもインターバルトレーニングはできます。短距離を速いスピードで走ることは、持久力を高めるために重要ですが、スピードと距離はランナーの能力に比例します。つまり、初心者でもインターバルトレーニングを取り入れることはできますが、ペースを落としたり、距離を短くしたりして、時間をかけて能力を高めていくことになります。
ランニングにおけるスタミナと持久力の違いは何ですか?
ランニングでは、持久力は体の筋肉と心臓血管の能力を定量的に測定するものです。スタミナと持久力は、どちらも運動をどれだけ長く続けられるかを示す言葉です。スタミナは、個人の心理的状態と持久力活動を実行する能力の両方を説明する定性的な用語です。
ランニングすると、なぜすぐに疲れてしまうのでしょうか?
ランニングは身体的に負担が大きいため、スタミナと持久力の両方が必要です。そのため、トレーニングが非常に重要です。有酸素持久力を高めることで、エネルギー不足や筋肉の分解に対処できるようになります。高いストレス、栄養や水分の不足、睡眠不足、さらには過剰なトレーニングなどの他の問題も、ランニング中により疲れを感じる原因となります。
























