高強度インターバルトレーニング(HIIT)は過大評価されていますか?

スポーツ&アクティビティ

このトレーニングメソッドは、短時間の激しい運動とアクティブリカバリーを組み合わせたものです。ここでは、健康と運動能力にどのようなメリットがあるのか、また、どのようなメリットがないのかをご紹介します。

最終更新日:2025年12月15日
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HIITトレーニングの仕組みとメリット

新しいものでも最先端のものでもありませんが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)は非常に人気があります。効率的で、実行しやすく、研究によると、人々は他の運動よりも、特に定常状態の有酸素運動よりも取り組みやすいと感じる傾向があることがわかっています。(一定速度でのサイクリングを考えてみてください。)

トレーニングプロトコルには、高強度の運動(スプリントなど)の後、短期間のアクティブリカバリー(ウォーキングやマーチングなど)が含まれ、心拍数が再び上昇する前に下がるようにします。ワークとリカバリーのブロックは、しばしば数回繰り返されます。ワークアウト全体で2つのエクササイズのみを行う人もいれば、さまざまな動きと組み合わせることを選択する人もいます。

関連記事:高負荷インターバルトレーニング(HIT)とは何か?

あなたは地元のジムでHIITワークアウトクラスを見たりして、それがどんなものなのか要点を理解しているかもしれません。そして、いろいろ疑問に思います。主なものは、HIITは時間をかける価値があるのか?ということです。

ここでは、HIITワークアウトの長所と短所を掘り下げ、誰にメリットがあるのかを分析し、HIITワークアウトを組み合わせる方法を紹介します。

HIITの概要

  • 所要時間:10〜25分
  • 強度:運動期間は最大心拍数(MHR)の80〜95%まで心拍数を上げ、リカバリーは心拍数を40〜60%まで下げる
  • 特徴:効率的な脂肪酸化(別名脂肪減少)、血糖コントロール、除脂肪筋肉の維持、心臓の健康とVO₂ maxの改善
  • 対象者:運動時間が限られている忙しいプロフェッショナル、パワーとスピードを高めたい持久力のあるアスリート、減量を目指す人

HIITワークアウトのやり方

スニーカーを履いてHIITワークアウトを始める前に、運動と休息の比率、合計ワークアウト時間、エクササイズなど、いくつかの点を把握しておく必要があります。ここでは、すべてを組み合わせる方法をご紹介します。

ワークアウトの構成を決める

スプリントインターバルとアクティブリカバリーを交互に行うことが、HIITワークアウトの基礎であると、ニュージャージー州のトレーナーであるティナ・タン(CPT、NASM)は述べています。「運動量が非常に高いため、セッションは短く、10〜25分しか続かないはずです。」

ニューヨーク市のトレーナーである ヴァネッサ・リウ (NASM、CPT)はこれに同意し、一般的に「ワーク」インターバルは20〜40秒、リカバリー時間は20〜60秒であるべきだと言います。しかし、HIITワークアウトをスケーラブルにするために、彼女は正確な時間ではなく比率で考えることを推奨しています。

「初心者や中級のアスリートには、運動と休息の比率を1:2または1:3にすることをお勧めします。つまり、20秒間ハードにトレーニングした場合、40〜60秒間リカバリーします。上級のアスリートには、2:1の比率をお勧めします。たとえば、40秒の激しい運動の後に20秒のリカバリーを入れるようにします」と彼女は言います。

このワークとリカバリーのパターンを、目標のトレーニング時間に達するまで繰り返します。HIITを始めたばかりの場合は、約10分間のトレーニングを目指し、よりコンディションが整い、さらなるチャレンジが必要になったら、ラウンドを追加してください。ワークアウト専用タイマー(Gymbossのタイマーなど)やSecondsのようなアプリを使うと、各サーキットを追跡するのに役立ちます、とリウは言います。

エクササイズを選択する

HIITワークアウトを組み立てるときには、2つの異なるエクササイズの「バケツ」を考える必要があります。全力で行う動きと、リカバリーブロックの間に挟むことができる簡単な動きです。これら2つのカテゴリー内では、かなり柔軟に行えます。「HIITは特定のエクササイズではありません。短時間のバーストで最大限の努力をし、その間にリカバリーすることが重要です。基本的に、心拍数をすばやく上昇させ、フォームを崩すことなく挑戦できるものであれば、どんなものでもHIITワークアウトの一部にすることができます。これには、有酸素運動、自重運動、抵抗運動が含まれます」とタン氏は説明します。

リウは、インクラインウォーキング、階段を上る、ローイングなどのアクティビティは、アスリートが疲労しても安全に行えるため、素晴らしい運動だと指摘しています。「重いバーベルの持ち上げや高度なプライオメトリックなど、非常に技術的なものや危険なものは避けることをお勧めします」と彼女は付け加えます。「疲れるとミスを犯しやすくなり、フォームが崩れて怪我をする可能性があります。HIITは、安全に激しく動かせる動きに最適です」

休憩時間はアクティブリカバリーのためのものです。「私がよく使う例えは、音をミュートにするのではなく、音量を下げるようなものです。体を「オン」の状態に保ちながら、リカバリーできるように強度を緩和します」とリウは言います。実際には、動きを止めるのではなく、心拍数を下げるように、より遅く、よりコントロールされた動きをすることだと彼女は言います。「たとえば、20秒ハイニーをした場合、40秒のリカバリーはその場で歩いてもいいでしょう」と彼女は言います。

タンとリウは、ワークとリカバリーのインターバルに次のエクササイズを推奨しています。

高強度インターバル

  • スプリント
  • 縄跳び
  • エアロバイク
  • ローイング
  • スキーエルゴ
  • ジャンピングスクワットやバーピーなどのジャンプ運動
  • 筋力トレーニングのエクササイズ(ダンベル、ケトルベルなどを使用)
  • プランクジャック
  • プランクショルダータップ
  • マウンテンクライマー

リカバリーインターバル

  • その場でマーチング
  • バイクでの軽いペダリング
  • ローイングマシンでゆっくりとロウ
  • 腰や肩のサークルなどのスタンディングモビリティエクササイズ
  • ジム内を歩く
  • サイドステップ
  • バットキック
  • 自重スクワット
  • ラテラルシャッフル

HIITワークアウトの例

すべてのHIITワークアウトにはワークとリカバリーのブロックがありますが、動きを組み合わせる方法はいくつかあります。非常にスケーラブルでカスタマイズ可能です。「HIITで重要なのは強度であり、動きの数ではありません」とタン。「『1つのエクササイズと休息』の形式は、HIITの最もシンプルなバージョンですが、唯一のものではありません。多くの人は、複数のエクササイズを組み合わせたHIITサーキットトレーニングを行っています。これは、飽きずに続けられ、1つの筋肉群に過度の負担をかけることを避けることができるからです」と彼女は言います。

自分に適したシューズとは?たとえば、10分間のワークアウトを予定している場合は、1つか2つの高強度の動きと、1つか2つのリカバリー運動を行うのが理にかなっています。しかし、より長くトレーニングする予定がある場合は、心拍数を上げる動きを3〜4つと、リカバリー運動を3〜4つ選んで、組み合わせを変えてトレーニングを続けるのが理にかなっていると言います。実際には、次のようなワークアウトになるでしょう。

有酸素HIITワークアウト

必要な器具:アサルトバイクまたはトレッドミル

ワーク:スプリント

アクティブリカバリー:ゆっくりペダリングまたはウォーキング

ラウンド:10

合計時間:10分(20秒のスプリントと40秒のリカバリーを想定)

タンは、この形式により、アスリートは十分な休息時間を確保しながら、高強度のブロックの間に全力で取り組むことができると述べています。「このような短いスプリントインターバルは、研究で最も支持されているHIITの形態の1つです」とタンは言います。「長時間のトレーニングなしで多くのメリットを得たい人に最適です」

初心者の場合は、トレッドミルやバイクなどのカーディオマシンでHIITを行うのもおすすめです。「動きがコントロールされ、一貫性があり、測定可能であるため、どれだけハードに取り組んでいるかを知るのが容易です」とタンは指摘します。

ウェイトと有酸素HIITワークアウト

必要な器具:ダンベルとトレッドミル

セット1:上半身

ワーク:ダンベルベントオーバーロウ

アクティブリカバリー:その場でマーチング

ワーク:プッシュアップまたはインクラインプッシュアップ

アクティブリカバリー:その場でマーチング

ラウンド:3

セット2:下半身

ワーク:ゴブレットスクワット

アクティブリカバリー:グルートブリッジホールド

ワーク:ダンベルデッドリフト

アクティブリカバリー:ゆっくりとしたペースのラテラルボディウェイトランジ

ラウンド:3

3セット目:カーディオ

ワーク:10%以上の傾斜のトレッドミルでウォーキング

アクティブリカバリー:1%の傾斜のトレッドミルでゆっくりウォーキング

ラウンド:4

合計時間:10分(30秒のスプリントと30秒のリカバリーを想定)

「HIITサーキットで有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることは、短時間でより多くの運動をするのに最適な方法です。有酸素運動は心拍数を急上昇させ、筋力運動は筋肉を維持し、さらには筋肉を増やすのに役立ちます」とタンは言います。

使用するウェイトを選択する際、タンは自覚的運動強度(RPE)に基づいてウェイトを選択することを推奨しています。運動は、RPEスケールで10段階中7段階のように感じるべきです。「難しいはずですが、コントロールしながら動くことができるレベルです」とタンは言います。「テクニックが崩れ始めたり、重くて爆発的に動けなくなる場合は、HIIT設定には重すぎます。」

器具なしのHIITワークアウト

ワーク:ハイニー

アクティブリカバリー:その場でマーチング

ワーク:マウンテンクライマー

アクティブリカバリー:修正プランクホールド(膝を地面につける)

ラウンド:5

合計時間:合計10分(20秒のワークと40秒のリカバリーを想定)

「機器を使わないトレーニングは、初心者や旅行者、シンプルで素早いトレーニングが必要な人に最適です。リビングルーム、ホテルの部屋、公園など、どこでもできます」とリウは言います。「最も身近なワークアウトは、実際に続けることができるものです。そのため、予測できないスケジュールの人には最適です」

関連記事:自宅でのHIITワークアウトに役立つ簡単な3つのヒント

HIITのメリットとは何か?

HIITワークアウト中、体は無酸素閾値に達します。これは、身体が行うべきことに追いつくのに十分な酸素を取り入れる時間がないときに起こります。これが起こると、速筋は筋肉と肝臓に蓄積されたグリコーゲンと呼ばれるエネルギーを利用します。これは、体がスプリントやジャンプのための瞬間的なパワーを生み出すことができるため、貴重です。「筋肉がまず酸素を待たなければならないとしたら、素早く爆発的な動きをすることはできません」とリウは説明します。

体がエネルギーのためにグリコーゲンを使うと、不快な灼熱感が生じ、脳に速度を落として休憩するようにとの信号が送られます。これが、HIITでエクササイズと休憩を交互に行う理由です。リカバリー中、心拍数はちょうど良い状態に下がり、次のバーストを良いフォームで繰り返すことができます。ハードな運動とリカバリーを繰り返すことには、いくつかの利点があります。

「大まかに言って、HIITは心臓血管系と筋肉系の両方に同時に負荷をかけるため有益です」とリウは言います。「その結果、体がどれだけ酸素を使えるか、どれだけ早くパワーを生み出せるか、どれだけ効率的にリカバリーできるかが向上します。これらはすべて短いワークアウトで得られます」しかし、これらのメリットは氷山の一角にすぎません。

1. ワークアウト後に一時的に代謝を促進する

HIITワークアウトの後、身体は運動後過剰酸素消費(EPOC)として知られる酸素摂取量の増加を経験します。この酸素需要の増加は、心拍数の低下や筋肉の修復、エネルギー貯蔵の補充、回復の促進など、あらゆることに役立ちます、とリウは言います。これらすべてにカロリーと脂肪という形のエネルギーが必要で、運動を終えた後でも代謝率がわずかに高まります。

「これは『アフターバーン効果』と呼ばれています。実際に起こることですが、短期間で、時々言われるほど劇的なものではありません」とリウは言います。「一時的な代謝の小さな波と考えてください」(運動後10分ほどしか続しない効果であると 示す研究結果も報告されています)。ランニング、サイクリング、ローイングなどの定常状態の有酸素運動では得られない効果です。

2. 除脂肪筋肉を維持し、脂肪の酸化を促進する

HIITは筋肉を増強するための最良の方法ではありません。その目的は重い負荷を動かすことではなく、心拍数の急激な上昇にあるためです。とはいえ他の有酸素運動と比較すると、筋肉を維持するうえでは効果を期待できます。筋肉が多いほど安静時のカロリー消費量が増える点は重要なポイントです。

「有酸素HIITは、筋肉の維持に効果を発揮します。インターバルを工夫したHITであれば、速筋繊維が活発に動き、ヒト成長ホルモン(HGH)を誘発し、力強い筋肉を強く保つうえで効果大です。一方で有酸素運動は、筋肉への負荷が持続することで、時間の経過とともに筋肉が減少する可能性が高まります」(タンさん)

3. 心臓機能を強化する

HIITであれば、心臓機能の上限を押し上げることができます。怖さが先に立つかもしれませんが体にとって良いことなのです。

「より高い負荷で運動すると、ストレス対処と回復を繰り返すことで心臓機能のトレーニングとなります。長期的な心臓血管の健康維持にとって非常に重要な視点です。その能力の限界に挑戦しなければ、年齢とともに自然に低下します。HIITなら心臓機能を維持するために必要な刺激を得られます」

この種の心臓血管の懸念については、心臓に刺激を与えることで、肥満の成人の 血圧安静時心拍数 を抑え、心臓 発作や心不全のリスクが低下することが示されています。心臓から全身に血液を送り込む能力が向上すると、心臓機能の消耗が少なくなり、より良い状態が持続します。

4. 持久力とVO₂ Maxを向上させる

VO2max(酸素摂取量)は、運動が最も激しい時に体が取り込まれた酸素のうち、使用できる酸素量を表す指標です。VO₂ maxを向上させると、より高い負荷でも容易にワークアウトできるようになり、全体的な持久力が向上します。

「HIITは限界に近い状態での運動であり、比較的短時間でVO₂maxを高める方法として効果大です」(タンさん) 2016年に発表されたランダム化比較試験では、5週間のHIITで参加者のVO₂ maxが9%向上したことがわかりました。それほど大きな数字ではないように思えてしまいますが、実際には運動能力に大きな違いをもたらす可能性があります。ある研究結では、 レースパフォーマンスの変動の70%を占めているVO₂ maxの効果によって、より速く、より効率的に走ることができると報告しています。

5. 血糖値を下げる可能性がある

HIITのもう1つの効果は、前糖尿病や2型糖尿病を患う患者の血糖値に好影響を与えることです。

前糖尿病の発症者を対象とした12週間にわたる実験において、週3回のHIITトレーニングと低カロリー食を組み合わせることで、空腹時血糖とA1Cレベルが低下するという研究結果が明らかになりました。執筆者らは、糖尿病前症状には2型糖尿病の進行を送らせる可能性があると述べています。

Dynamic Airの仕組み「HIITはインスリン感度を向上させる研究結果が出ています。つまり、体がグルコースをより効率的に消費するようになるのです。糖尿病や前糖尿病の発症者には、十分なインスリンが分泌されないか、インスリンに反応しないため、グルコース(食べ物から取り込んだ糖分)が筋肉にエネルギーとして送られる代わりに血流の中に留まってしまういます。ここが重要なポイントです。HIITを行うと筋肉はインスリンに対する反応が鋭敏になり、トレーニング中とその後にグルコースの吸収量が増加します。この作用によって血糖値が下がり、セッション終了時点から数時間が経過するに至るまで、より安定した状態を保つことができます」(タンさん)

6. 効率性を実感

時間効率が良いこともHIITの重要なメリットだ。15分しかワークアウトに取り組めない場合には、最適な選択肢となります。ある研究によると、 長時間の低負荷ワークアウトと同等の健康増進効果を得られることが示されています。

「非常に激しい運動量であることから、短いセッションであっても心臓血管において大きな効果を得られます」(タンさん)その効果は体重関連の指標についても同様です。合計424人の太りすぎや肥満の成人を対象とした13の研究 結果によると、HIITと中強度の運動の両方で体脂肪と腹囲が同程度に減少したことがわかりましたが、HIITでは運動時間が約40%短縮されました。

HIITは効率的に運動能力を向上させ方法でもあるのです。「無酸素閾値に近づくまで定期的にトレーニングすることで、疲労に対する耐性がつき、疲労が良化するようになります。時間が経つにつれて、より少ない労力でより激しいトレーニングができるようになります」(リュウさん)

では、HIITは本当に効果があるのでしょうか?

高負荷インターバルトレーニング(HIIT)によって確かに体力と健康が増進することは、数多くの研究で示されています。ワークアウトのルーティンにHIITを取り入れることによって、望むような成果を近づいていくでしょう。1セッションあたりの所要時間の目安はは10〜15分程度です。

HIITに関するよくある質問

HIITのワークアウトにかける推奨時間はどれくらいですか?

「HIITは高負荷であるため、セッションは短く、全体で約10〜25分です」(タンさん)

HIITワークアウトは、なぜ短時間なのですか?

「HIITワークアウトが短いのは、高負荷の運動に力を与えるエネルギーシステムが、一度に約30秒から2分間しか供給できないからです」(タンさん)その後はタンクに燃料がなくなる状態となり、無理に続けるのは危険です。「疲れていると、怪我や心臓血管への負担が増大するリスクが高まります。なかでも初級者や健康状態に問題のある方にその傾向があります」(タンさん)

HIITは有酸素運動よりも優れていますか?

「どちらの選択肢が絶対的に優れているという話ではなく、体に対する作用の違いでしかありません。それぞれ目的が異なり、長短と短所が対照的です。

パワーを蓄積して心拍数を素早く上げるならHIITが最適。短いワークアウトでも多くの効果を期待できます。欠点は、インターバルを短くすると短時間での回復が難しいところです。長所は、定常状態の有酸素運動は有酸素運動の基礎を築けるため、全体的な持久力を向上させるうえで優れているところです。少し長めの時間が必要になるものの(米国疾病管理予防センターの推奨に従う場合、通常1回のトレーニングにつき20〜60分)、関節への負担が少なく、他の方法にくらべて定期的に続けられる方が多いですね」(リュウさん)

とはいえ、何が良いかは一概に言えないところです。スピード&パワー重視か、あるい一貫性&持久力重視といったふうに、何をどう楽しんでいるのか、またどんな目標を目指しているのかによって変わってきます。「HIITの激しさを楽しむ人もいれば、定常状態の有酸素運動を好む人もいます。両方を組み合わせることで効果を得られるケースが多いですね。結局のところ、楽しめるものが続けやすいというもの。楽しいかどうかが自分にとって良い選択肢となるのです」(リュウさん)

初級者の場合、HIITは健康に逆効果となりませんか?

リュウさんによると、HIITは中級および上級のアスリートに最適であるとのこと。とはいえ初級者でもHIITを楽しめる場合があり、数多くの健康増進効果を期待できます。ただし、フィットネスを始めたばかりの人は、ワークアウトで健康に逆効果になることがないよう、自分のフィットネスレベルに合ったものにするために、次のポイントを知っておいてください。

  1. 低負荷エクササイズに専念する「初級者の生徒さんには、始めやすい入口として、HIITワークアウトを低負荷にアレンジしたバージョンをやってもらっています。たとえば、フルジャンプの代わりに、上部でふくらはぎを上げる軽いスクワット。これなら、心拍数を上げながらも無理なく動きのパターンに慣れることができます」(リュウさん)一方のタンさんが推奨するのは、軽快なサイクリング、ローイング、軽めのバーピーなど、初級者には低負荷エクササイズです。
  2. トレーニング時間は短く抑え、(約10分)、休憩時間を長く取る。初級者には運動と休憩の比率を1:3または1:4にすべきだとのこと。具体的には、15秒の運動と45〜60秒の休憩を組み合わせるようにします。「心拍数が下がる時間が得られ、次の運動時間を良いフォームで繰り返すことができます」と彼女は言います。
  3. まずはカーディオマシンから。「カーディオマシンは負荷を把握しやすく、初級者フレンドリーとなるケースが多くあります。一定の運動量が保たれ、均質で測定可能であるため、がんばり度合が簡単につかめます」(タンさん)
  4. 徐々に運動量を上げてきましょう。「高負荷インターバルトレーニングは効果的ですが、負荷はいまの自分のフィットネスと健康状態に合わせる必要があります。一般的な初級者にとっては、ゆっくりとレベルを上げていくことが無難です。レベルの上げ方としては、スピードアップや休憩時間の短縮をはじめ、重り、抵抗、傾斜をハードにしていく方法があります」(タンさん)
HIITワークアウトを避けるべき時はありますか?

「HIITは心臓と筋肉に最大限近い負荷をかけるため、常に万人に適しているというわけではありません。HIITワークアウトが健康上問題がないのについて医師に相談すべきケースとして、タンさんは以下を列挙しました。

  • 心臓病やその他の心血管系に懸念事項がある
  • 関節や筋肉に問題を抱えている、再発性の怪我に悩んでいる
  • 高負荷トレーニング悪化しかねない急性の怪我や痛みがある
  • 健康状態が極端に思わしくなく、中程度の運動でも怪我のリスクがある
HIITワークアウトはどのくらいの頻度で行うべきですか?

HIITの初級者の場合は、週1回のセッションから始めましょう。上級者は週に3回まで行うことができるとタンは言います。「HIITは非常に効果的ですが、筋肉や神経系にも負担がかかります。実際に魔法が起こるのは回復段階です。そのとき、体が適応し、強くなり、心肺機能が向上するのです」とタンは続けます。

HIITトレーニングの仕組みとメリット

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公開日:2025年12月15日