ヴィンヤサヨガに挑戦すべき理由

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ヴィンヤサヨガは、早いペースで次々にポーズを繋げて行い、心拍数を上げるヨガだ。

最終更新日:2021年12月29日
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ヴィンヤサヨガを試すべき理由

リカバリーに重点を置いたゆっくりとしたペースのエクササイズよりも、どちらかというとダンスワークアウトのようなヨガをやってみたいという人には、ヴィンヤサヨガがおすすめ。 フローの中で流れるように次々とポーズをとっていくのがヴィンヤサヨガだ。 ヴィンヤサヨガは、従来のヨガより早いテンポで行うポーズとシークエンスの動きで構成されているため、心拍数が高まる。

「ヴィンヤサヨガの特徴は、呼吸と動きが一体化したフロー。 それは文字通り、意識して『特別な方法で動くこと』を意味します」とNikeトレーナーでヴィンヤサヨガとアシュタンガヨガのインストラクターでもあるジョナ・ケストは語る。

ヴィンヤサフローヨガでは、常に呼吸と動きを連動させる。 American Council on Exercise(米国運動協議会)によれば、たとえば、体を伸ばすときやポーズを展開するときは息を吸い、ポーズの中でより深いところに効かせるパートに移るときには息を吐くという。

ヴィンヤサヨガは、動きごとに呼吸を伴うアシュタンガヨガの一種だと言う人が多い。 ハタヨガなどの他のヨガは、どちらかといえばより動かない印象があり、ポーズを数秒間維持してから次の姿勢に移る。 一方、ケストによれば、ヴィンヤサヨガはダンスのように自由なフローで、呼吸を大切にするのが特徴だという。

ヴィンヤサヨガのクラスには、ダウンドッグのポーズ、プランクの姿勢、アップドッグのポーズ、前屈のポーズ、英雄のポーズ1、2、3といった伝統的なヨガのポーズや姿勢だけでなく、サンサルテーションのポーズやバインドアンドツイストなどのシークエンスも組み込まれている。

ヴィンヤサヨガがどんなものなのかはもうおわかりいただけただろう。このヨガのスタイルには、初心者にも、上級者にも、次のようなメリットがある。

ヴィンヤサヨガのメリット

  1. 1.心肺系の健康状態の改善

    ヴィンヤサヨガでは、フローの中でポーズを変えていくため、低強度の動きでも心拍数が上がり、より激しく長時間のワークアウトに耐えられる身体作りを行うことができる。

    ケストは、「ヴィンヤサヨガは、特に心血管系やリンパ系に良い影響を及ぼします。 このヨガを続けていくとスタミナが付き、体温も上がってきます。 血行が良くなり、最終的には身体が浄化されます」と話す。

    『The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness』に発表された2020年8月の小規模の研究では、適度にトレーニングをしている24人の参加者に90分のヨガクラスを受講させた。その結果、ヴィンヤサヨガが参加者の心肺系の健康状態を効果的に改善し、体重減少を促進させたことがわかった。 さらに、『Journal of Physical Activity and Health』に発表された2017年8月の研究によれば、ヨガは中強度の運動に分類されている。

    つまり、ヴィンヤサヨガは、1週間のトレーニングプログラムで行う高負荷トレーニングのHIITランニングクロストレーニングなどの他のハードルの高いワークアウトの中に組み込んでも遜色ないほど素晴らしい低負荷・中強度のカーディオエクササイズということだ。

  2. 2.筋肉強化

    自重を利用してトレーニングをすることで、腕、背中、コア、臀部、脚といったさまざまな筋肉群を鍛えられるとケストは指摘する。

    たとえば、ヨガ中にプランクの姿勢を保つことで体幹が鍛えられ、同時に安定感の維持に役立つ腕と肩の筋力を強化できる。 チェアポーズは大腿四頭筋と大臀筋に効き、英雄のポーズ3はバランスをとるために必要な背中、コア、大臀筋、ハムストリングを発達させる。

  3. 3.柔軟性とモビリティの向上

    柔軟性とは、全可動域の中でどれだけ関節または関節群を動かすことができるかという筋肉の能力のことだ。 ヴィンヤサヨガでは、広い可動範囲で多方向への動きを含むさまざまなポーズをとりながら筋肉を動かすため、自然と柔軟性の向上につながる。

    筋肉が柔軟になればなるほど、より効果的にワークアウトを行うことができるようになり、ケガや痛みのリスクも軽減する。 実際に、ヴィンヤサヨガなどのヨガを行うと、背中を支える深層筋が鍛えられ、慢性的な腰痛が緩和されるとHarvard Health(ハーバード大学医学部出版)は発表している。

  4. 4.ストレスレベルの低下

    ケストによれば、ヴィンヤサヨガはその動きを通じて呼吸と心を結びつけることから、動く瞑想ともいえるそうだ。

    「ヨガをすると、いつも心身の感覚が軽くなります。 集中力が増し、メンタルの回復力が高まり、自分の精神性に近づくことができますよ。 内側に注意を向けることで、こんなにも多くのメリットがあることには驚かされます」とケストは言う。

    週に1回、60分のヴィンヤサヨガを行うクラスを含む6週間のプログラムに参加した17人の大学生を対象とした2019年6月の小規模な研究が『American Journal of Pharmaceutical Education』で発表されたが、 プログラムが終了するまでに、学生たちのストレスと不安のレベルが大幅に下がった。ヴィンヤサヨガには、瞑想やマインドフルネスの要素があり、ストレスを軽減する効果があると認められたのだ。

    さらに、ヴィンヤサヨガは禁煙に関連するストレスの軽減に役立つことも示された。 『International Journal of Yoga Therapy』に発表された2016年1月の小規模な研究では、呼吸法とリラクゼーション療法を含む60分のヴィンヤサヨガを週2回行った参加者は、たばこを吸いたいという欲求とストレスに対してよりうまく対処できたことが明らかになった。 また、参加者はよりリラックスでき、身体の感覚が鋭くなったそうだ。

ヴィンヤサヨガのメリットを最も受けられるのはどんな人?

ケストによれば、一般的に、ヴィンヤサヨガは誰にとっても安全で効果的だそうだ。 「呼吸さえできれば、ヨガはできますよ」と彼は続ける。 特にリラックスするのが苦手な人や大きなストレスを抱えている人には効果抜群だ。

「ヴィンヤサヨガは、考え過ぎの状態から抜け出し、身体に意識を向ける手助けをする効果が高いので、特に神経質な性格(タイプA行動パターン)の人にはメリットが大きい」とケストは語る。

ただし、持病があったり、ケガの回復期でエクササイズに身体を慣らそうとしたりしている人は、新しいワークアウトルーティンを始める前にかかりつけ医と相談するのを忘れずに。 ヴィンヤサヨガに精通した認定ヨガインストラクターに習えば、姿勢やシークエンスが難し過ぎると感じたり、痛みや不快感を覚えたりしても修正してもらえる。

ヨガは、ベテランのアスリートにとって、高負荷でより強度の高いワークアウトの良い息抜きにもなる。 フィットネス初心者や低負荷エクササイズを好む人にとっては、ヨガは関節に負担がかからない、自重を利用した素晴らしいカーディオワークアウトだ。 また、ヴィンヤサフローヨガは、他のさまざまなフィットネスプログラムを補完する役割も果たす。

初心者にとって最も重要なことは、ヴィンヤサフローヨガなどのヨガエクササイズを新しく始めるときにオープンマインドでいることだ。

ケストは言う。「いろいろと考えずに、ただ頭を空っぽにして来てほしい。 火の中にただ身を投じるのが一番いいということもあります。 人生に準備は必要ありません。ヴィンヤサヨガは生命のダンスです。 結局のところ、ヴィンヤサヨガにとって一番大切なのは呼吸の練習で、他のことはすべてオマケのようなものです」

ヴィンヤサヨガを試すべき理由

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公開日:2021年12月28日

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