心と体を健康に保つホットヨガの9つのメリット

アクティビティ

柔軟性や肺活量の向上、骨密度の改善やストレス緩和まで、ホットヨガの9つの主なメリットを紹介しよう。安全に始める方法もあわせて紹介する。

最終更新日:2025年12月17日
この記事は10分で読めます
心と体をより健康に保つホットヨガの9つのメリット

現代のヨガの種類の中には、伝統的なヨガから進化したものもあり、多くのポーズや意図はそのままに、現代的なセンスが加わっている。ホットヨガはその一つ。 American Council on Exercise(米国運動協議会)によると、この種のヨガは通常、29℃~41℃の室温に保たれた加温された部屋で行われる。

1970年代に初めて普及したホットヨガは、その後数十年の間に多くのスタイルへと発展してきた。すべての人に推奨されるわけではないが(特に妊娠中の方や特定の疾患をお持ちの方)、多くの人がホットヨガのクラスで顕著な効果を実感している。ここでは、ホットヨガの主な効果をいくつか紹介しよう。

主なポイント

  • 設定:加温された部屋(29℃~41℃)
  • 時間:通常のクラスは45~90分
  • 効果:柔軟性、肺活量、骨量、カロリー燃焼、気分、血糖値調整、ストレス管理、心臓の健康、肌の健康などの改善
  • こんな方におすすめ:中級レベルのヨガ実践者、暑さに抵抗のないアクティブなヨガ実践者

1. 柔軟性の向上

重要な理由:筋肉が温まっていると、より深いストレッチが可能になり、関節の可動域が広がり、怪我のリスクが軽減される。

ホットヨガの最中に筋肉が温まっている状態でストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性が高まり関節の可動域も広がる。

2025年10月に『Sports Medicine-Open』誌に掲載された研究レビューでは、ホットヨガの効果に関する43件の研究を調査し、定期的にホットヨガを行うことで柔軟性など複数のメリットが得られることが明らかになった。研究者らは、ホットヨガはバランス、可動性、そして全体的な機能的フィットネスの向上にも役立つと付け加えている。

2. 骨量の改善

重要な理由:ホットヨガのポーズは、骨に有益なストレスを与えることで、骨の強度と密度を高めるのに役立つ。

骨密度は年齢とともに自然に低下する。特に、内分泌学会は、更年期は骨量の減少を著しく加速させ、骨粗しょう症のリスクを高め、60歳以上では骨量の減少が最大20%に達すると指摘している。

Sports Medicine-Open』誌に掲載された研究によると、ホットヨガを定期的に実践している人は、柔軟性の向上に加えて、骨密度も向上していることがわかった。これは、特定のポーズが有益な重量負荷を生み出すことで、骨が時間の経過とともに密度を増し、強くするためのシグナルとなることが一因と考えられる。

3. 肺活量の増加

重要な理由:ヨガで呼吸に意識を集中することは、肺活量に顕著な効果をもたらす可能性があり、これは加齢とともに特に重要になる。

ヨガは呼吸法と呼吸への意識に焦点を当てているため、肺がより多くの空気を保持できるように鍛えられる。定期的に深呼吸を行うと、より多くの酸素が血流に取り込まれるようになり、肺を健康に保ち、年齢と共に落ちてしまいがちな肺活量を上げることができる。

米国肺協会は、ヨガの際に呼吸法に意識を向けることは、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患を抱える人々にも有益であると説明している。

4. カロリーの消費

重要な理由:ホットヨガのクラスの強度は、従来のヨガのクラスよりも体に負担がかかり、カロリー消費量が増加する可能性がある。

通常のヨガクラスでは、クラスの強度や時間、そして体重にも応じて、180~460カロリーを消費することができる。しかし、暑いスタジオでは汗を多くかくため、体は体温調節のためにより多くのエネルギーを消費し、心臓の血液循環も活発になる。つまり、従来の加温されていないヨガクラスよりも多くのカロリーを消費することになるのだ。

International Journal of Exercise Science』に掲載された2020年5月の研究では、ホットヨガのセッションと常温のヨガの効果を比較し、ホットヨガのクラスでは、生徒が暑さに対する生理学的適応を行った結果、カロリー消費量が増加したことが明らかになった。

5. うつ病や不安症の症状の改善に役立つ

重要な理由:どんな運動も気分やメンタルヘルスに影響を与える可能性があり、ホットヨガも例外ではなく、感情的なサポートを提供する。

ヨガのような穏やかな呼吸法は、肺の健康だけでなく、ストレスや不安の軽減にも役立つ。

ハーバード・ヘルスによると、ヨガと瞑想はどちらも不安や抑うつの症状を軽減するのに役立つ。その理由の一部は、ヨガは記憶、注意力、意識、思考、言語といった重要な面で脳を強化し、感情処理を含むあらゆる面で脳の働きを効率化するためだと考えられる。

2019年8月に『Journal of Alternative and Complementary and Medicine』誌に掲載された研究によると、8週間のホットヨガのコースを行った中年女性には、生活の質の低下や認知機能の低下などを含むうつ病の症状が軽減されたことが示された。

大うつ病性障害を抱える人でも、ある程度の緩和が見られる可能性がある。2023年3月に『Frontiers in Psychiatry』で発表された研究レビューでは、ヨガを行った人は対照群と比較して、抑うつ症状の改善が見られたことがわかった。

6. 血糖値を安定させる

重要な理由:血糖値の管理は多くの身体機能にとって重要であり、ヨガは血糖値のコントロールに有益な影響を与えることが示されている。

2型糖尿病の場合、血糖値を管理するだけでなく、血圧やコレステロール値も管理する必要がある。研究によると、ヨガは糖尿病の医学的管理戦略を効果的に補完する可能性があることが示唆されている。

米国糖尿病協会によると、ヨガのような心身の鍛錬は、一部の糖尿病の薬と同じくらい血糖値を下げる可能性がある。同協会は、ヨガは痛みの症状の緩和、睡眠の質の向上、体重管理の促進にも役立ち、これらはすべて糖尿病の合併症の可能性を減らすのに役立つと付け加えている。

7. ストレス管理に役立つ

重要な理由:深呼吸を重視するホットヨガは、ストレスを和らげ、健康全般の改善に役立つ。

慢性的なストレスが体に与える影響は、過小評価できない。クリーブランドクリニックは、ストレス反応が継続的に活性化すると、身体が消耗することを指摘している。これらの影響には、免疫力の低下、筋肉の緊張、胸の痛み、消化器系の問題、高血圧、疲労感など、さまざまな問題が含まれる。

ヨガは自分の内面を見つめることを促し、ストレスを引き起こす外的要因に気づかせてくれる。定期的に実践すれば、呼吸法や静けさ、そして部屋の熱気が、心身のリラックスに役立つということが分かるようになるはずだ。

2022年5月に『Psychosocial Intervention』に掲載された研究では、ヨガをしたことがない290人を対象に、対照群と6週間のホットヨガセッションを行うヨガ群の2つに分けられた。ホットヨガを行った人は、全身の健康、生活満足度、心の平穏が改善され、ストレスが軽減されたと報告している。

8. 心臓の健康を促進する

重要な理由:ホットヨガでは、心肺機能の負荷が増加するため、肺と心臓の両方の機能に良い影響を与える可能性がある。

暑い部屋で運動することは、間違いなく肉体的な挑戦だ。心臓、肺、筋肉が激しく動き、その結果として、呼吸、心拍数、代謝が上がる。

International Journal of Yoga』誌に掲載された2021年5月の研究では、ホットヨガで慢性的に熱に曝露されることで、心血管系と細胞の適応が促進され、心臓が熱ストレスに対処できるように調整され、全体的な機能が向上することが明らかになった。

9. 肌質の改善

重要な理由:健康な肌は、細菌、ウイルス、汚染物質、その他の脅威から体を守る、体の第一防衛線。そのため、ホットヨガによる肌の活性化は、免疫反応を高めるのにプラスの効果をもたらす。

汗を多くかくことで血行がよくなり、酸素を豊富に含んだ血液が肌細胞にまで届く。これがヨガ後の肌つやの良さをもたらす。さらに、健康な肌が持つ重要なバリア機能を強化する。アメリカ医師会によると、健康な肌は外部の細菌やその他の脅威から肌を守るだけでなく、水分の損失を抑え、体温調節にも役立つ。

米国皮膚科学会によると、ホットヨガ中に汗をかくと(ほとんどの人はかなりの量の汗をかく)、肌に詰まっていた不純物が放出される可能性がある。その後シャワーを浴びることを心がければ、肌の健康にも良い効果がある。

ホットヨガの始め方

ホットヨガに興味があるなら、まずは普通のヨガクラスを試してみよう。そして、スタジオに初心者向けのホットクラスがあるかどうかを尋ねてみることだ。

前のクラスの余熱を利用しているヨガクラスもある。そのため通常の加温ヨガクラスほど暑くはないが、一般的には26~29℃になっている。

実際に体験してみて、ホットヨガと加温していないクラスのどちらが自分に向いているのかを見極めることが大切だ。

ホットヨガの安全性について

他のワークアウトと同様に、ケガをせずに安全に行う方法を理解しておく必要がある。ホットヨガを初めて行うと、時に圧倒されたり蒸し暑く感じたりするかもしれないが、徐々に体を慣らすことが大切だ。暑さに参った時や疲労を感じた時にどうするのか、見通しを立てておこう。いくつかヒントを紹介する。

  • こまめな水分補給:クラスの前、最中、後にも水を飲む。
  • 体の声を聴く:いつでもクラスの外に出て、新鮮な空気を吸いクールダウンするという選択肢があることを忘れないで。ヨガの先生は、あなたに安全で強い気持ちを持ってほしいと思っている。必要があれば部屋を出て休憩することをためらわないで欲しい。
  • 既往症がある場合には、医師に相談する:低血圧で失神したことがある場合や心臓病の持病がある場合には、必ず最初に主治医へ相談すること。 妊娠中の場合も同様だ。

よくある質問

ホットヨガとは?通常のヨガと何が違うのか?

その名の通り、ホットヨガは加温された部屋で行われる。通常、温度は29℃~41℃に設定される。通常のヨガは、通常の室温で行われる。ただし、どちらのヨガもポーズやシークエンスは同じである場合もある。

ホットヨガの主なメリットは何か?

ホットヨガのメリットには、柔軟性、肺活量、骨量、カロリー消費、気分、血糖値、ストレス管理、心臓の健康、肌の健康の向上などがある。

ホットヨガは初心者や健康状態に問題のある人にとっても安全?

安全を確保するために、初心者はまず、最高温度に設定された部屋ではなく、暖かい部屋でホットヨガを行うことを検討し、そのような環境での動きに慣れる必要がある。健康上の問題がある方は、まず医師に相談することが重要。特定の健康状態や妊娠中には禁忌となる。

心と体をより健康に保つホットヨガの9つのメリット

NTCをチェック

トレーナーやエキスパートによる無料ガイダンスで体と心を鍛えよう。

公開日:2025年12月17日