スクワットをしても臀部に効果がでない原因と解決策
スポーツ&アクティビティ
スクワットは、臀部を鍛える理想的なワークアウトだ。 それでも臀部への効果が実感できない、または成果が表れていないようなときは、取り組み方を見直すべきサインと考えることができる。
臀部を大きく強くしたければ、日々のフィットネスルーティンにスクワットを加えるといいだろう。 お尻に位置する臀筋群は、中臀筋、小臀筋、大臀筋などの部位から構成されている。 スクワットは、1回の運動で臀筋全体に作用する。
これらの筋肉を戦略的に動かし負荷をかければ、組織を肥大させる(筋肉を大きくする)ことができる。 そのため、スクワットには臀部の増強効果があるのだが、 思うような結果が得られない場合には、次のような原因が潜んでいるかもしれない。
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1.大腿四頭筋が優位になっている
1日中座りっぱなしでいると、座った姿勢に合わせて臀部が固まり、大腿四頭筋が優位になってしまうことが多い。 こうなると、スクワットなどの動作にも身体の状態が反映されてしまい、 スクワットやランジを行った際に、臀部よりも膝が先に沈みがちになる。 このような状態では、体の後方の筋肉群(臀部とハムストリング)ではなく、前方の筋肉群(大腿四頭筋および体の前側)に加重がかかることになる。
大腿四頭筋が優位な状態でスクワットをしていると、太腿に痛みを感じたり、臀部ではなく大腿四頭筋が肥大したりすることがある。 最悪の場合は、腰や膝を痛めてしまうかもしれない。
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2.スクワットの姿勢が間違っている
間違った姿勢でスクワットをしていると、臀部を鍛えるどころかケガを負いかねない。 次のスクワットを行う前に、正しい方法が身に付いているかをあらためて確認しておこう。
- 足は腰幅以上に広げておく。 その際は、最も違和感のない足幅を探そう。 足幅にかかわらず、膝は前後させず足首と同じ場所に保つこと。
- 背筋を伸ばして胸を張り、肩を後ろに引いて、まっすぐ前を向く。 ワークアウト中は、この姿勢を崩さないようにしよう。
- 膝と足首がそろった状態を保ちながら、体を下ろしていく。 後方の椅子に腰掛けるようなイメージで、お尻を下ろしてみよう。
- 背骨には負荷をかけず、猫背にならないように気をつけたい。
- 頭の頂点から尾骨までを一直線に保てなくなる深さまで、体を沈めていく。 お尻が震えたり、下がりすぎたりしていると感じたら、数インチ高い位置で屈曲を止めるようにしよう。
3.負荷が足りない
筋肉の継続的な肥大を促すためには、ある程度期間が経った段階で、体に新しい刺激を与える必要がある。 成長が停滞期に入ったと感じたら、スクワットの回数を増やしたり、スピードを上げたり、ウェイトを持ち上げたりしてみよう。 筋肉をつけるには、負荷をかけた運動で一時的に筋肉にダメージを与える必要がある。筋肉は、こうした損傷に反応して大きくなるからだ。
ウェイトで筋肉に負荷をかけながら、時間を掛けて徐々に負荷を増やしていくのは、筋肉を鍛えるうえで最も効果的な方法の1つだ。 この方法ではバーベルやダンベル、ケトルベルを使うことが多い。
臀部を鍛えるスクワットのやり方
1.レジスタンスバンドを使ったウォームアップ
臀筋を動かすためには、予備刺激が重要になる。 2011年に発表された『Journal of Human Kinetics』誌の研究によれば、スクワット前にレジスタンスバンドを使ったウォームアップを行えば、筋力を高められることが明らかになっている。
レジスタンスバンドを使いながら、以下のエクササイズを25回数セットずつ、あるいは臀部が温まってきたと感じるまで行おう。
- レジスタンスバンドのエアスクワット:膝上にレジスタンスバンドを通し、レジスタンスバンドの負荷にあらがい続けながら、スクワットをする。
- バンデッドヒップスラスト:がたがたと動かないベンチやソファー、椅子などにもたれかかる。 肩甲骨を椅子などに当てながら、膝を約45度の状態にしながら、足をしっかりと床につける。 両足を踏ん張り、お尻を浮かせながら、脚と胴体を地面と水平にする。 この時は必ず、首と胴体が一直線になるにしよう。 お尻からゆっくりと体を下ろす。
- グルートブリッジ:足を腰幅に広げて仰向けに横たわる。 かかとで床を軽く押しながら、上半身を床につけたまま骨盤を天井方向へ持ち上げる。 背骨が反りすぎないよう注意する。 一番上まで持ち上げたら、背中の一番上からお尻へと順番に、ゆっくりと体を下ろしていく。
クラムシェル:バンドを膝上に通す。 上腕に耳を乗せ横向きに寝る。腕の代わりに、首が楽になるような物を使ってもよい。 かかととお尻が真っすぐ並ぶようにしながら、膝が直角になるように両脚を曲げる。 下側の脚を床につけたまま、膝を直角に保ったまま、本を開くようなイメージで上側の脚を外へ開く。 上体が動きそうになるのを抑えながら、胴体を静止状態に保つようにしよう(手を胸の前に置いて行うとやりやすい)。
2.準備ができたら、ウェイトを使ってトレーニング
重いウェイトを持ち上げるとテストステロンの分泌量が増加し、筋肉のタンパク質合成が促進されて、筋肉を肥大させることができる。 2005年の『Sports Medicine』誌のレビューによれば、ホルモンは次のような状況で最も活発な反応を示すという。
- 中程度以上の重さのウェイトを持ち上げたとき
- 休養期間が短いとき
- スクワットなどの複合エクササイズを重点的に行ったとき
- 高重量のワークアウトを行ったとき
3.腰を深く落とす
2019年の『European Journal of Applied Physiology』誌の研究では、筋肉を鍛えるうえでスクワットの深さが重要であることが明らかになっている。 この研究では、ハーフスクワットを行った被験者群とディープスクワットを行った被験者群を比較した。 10週間後、ディープスクワットを行った被験者群は、臀部が著しく成長していた。 ここでのポイントは、正しいフォームを保ちながらワークアウトを行うことだ。 スクワットで深く腰を落とすのが難しければ、足首の可動性をチェックしてみよう。小さなウェイトプレートの上に立った状態で、スクワットをするのもおすすめだ。
4.さまざまな種類のスクワットに挑戦する
さまざまな種類のスクワットを行うと、筋力トレーニングルーティンに好影響がもたらされ、最も大きな筋肉群の活性化を促すことができる。 ただしこうしたスクワットは、自重スクワットをマスターしたうえで、無理なくウェイトを持てるようになってから挑戦しよう。 ワークアウトをケガなく安全に行えるように、仲間にスポッター役をお願いして、これらのスクワットを行っても効果が期待できる。 ここで、定番のスクワットを何種類か紹介しよう。
- ケトルベルゴブレットスクワット:胸の前でケトルベルを持ち、脇を締めた状態でスクワットを行う。
- スミスマシンスクワット:スミスマシンを使ったスクワット。バーベルが2本のレール内側から外れないようになっているため、安定感が向上する。
- ボックススクワット:体の後ろに箱やベンチを置き、軽く臀部が触れるまで体を沈めるスクワット。
- スプリットスクワット(ランジ):片足を一歩前に踏み出し、両膝を90度になるまで曲げてから脚を真っ直ぐに伸ばして立ち上がる。
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