コンテンツに移動します。(エンターを押します)
お知らせ

2021年1月24日(日)、NIKEカスタマーサービスの電話・チャットのお問い合わせ窓口を臨時休業いたします。詳細はこちらよりご確認ください

アスリート*

偏見に挑み、前例を覆すメキシコのラグビー選手

マリア・プルイジンが情熱を傾けるのは、メキシコでは超マイナーなスポーツ。特に女子選手となれば、それはまったくの異例なのだ。

驚きのパワーで魅せる、メキシコのラグビー選手マリア・プルーイン

「スナップショット」シリーズでは、世界中で活躍する地域のアスリートを取り上げている。

ラグビー選手と言われて若い女性を思い浮かべる人はほとんどいない。マリア・プルインが変えたいと思っているのはその先入観だ。メキシコシティ出身、22歳の写真家にして理学療法士の研修生でもある彼女は、今日も体を張って時代遅れの偏見に挑み、日常的な性差別に強烈なタックルを決めている。人々が眉をひそめたところで、マリアの決意はひるむどころか、どんな体型の女性でもスポーツで活躍できることを証明したいという使命感をかき立てる。

マリアと会ったのは、チームが雨の中で練習を終えた、土がむき出しになったグラウンドだった。彼女は荷物をまとめながら、社会で果たすべき役割や自分自身について深く理解するために、スポーツがどのように役立っているかを話してくれた。

驚きのパワーで魅せる、メキシコのラグビー選手マリア・プルーイン

ラグビー選手だと知ったときの、みんなの反応はどう?

一番よくある反応は「ショック」かな。必ずしも悪い意味のショックではなくて、どちらかというと「へぇ!そのスポーツのことはなんとなく知ってたけど、女子もプレーできるんだね」という感じ。ラッキーなことに私の両親はラグビーを始めるときにサポートしてくれた。そうした面で苦労している女の子もいる。父親から「これは男のスポーツだぞ」と言われるから。

ただ、みんなが私の体型をラグビー向きじゃないって考えていることには気が付いた。フィールドで私が真っ二つに折れてしまうと思ってる。でも、実際にプレーしてみれば分かるけど、どんな体型でもそれ自体は障害にはならない。正しい戦略に従って精一杯練習すれば、ほとんどの人が自分に合ったポジションを見つけられる。

驚きのパワーで魅せる、メキシコのラグビー選手マリア・プルーイン

あなたのポジションは?

主なポジションはフライハーフ(スタンドオフ)。ラグビーは各チーム15人で構成されていて、フォワードの8人と、バックスの7人に分けられる。バックスは全速力で走って、相手チームの選手をよけながらボールをパスする。フォワードのプレーはもっと荒っぽくて、相手に突進することも多い。私のポジションの役割は、この2つのパートをつなぐこと。

ラグビーはメキシコでそれほど盛んではないけれど、始めたきっかけを教えて。

最初にラグビーを知ったのは、2009年に『インビクタス 負けざる者たち』という映画を観たとき[アパルトヘイト廃止後の南アフリカで開催されたラグビー世界大会のドラマを主題とした映画]。あまりにもありふれた表現だけど、スクリーンで観た瞬間「すごい、絶対にプレーしたい!」と思った。映画には男性選手しか出てこなかったから、たぶん女性はプレーできないんだろうな、ともね。そして数年後に高校に入学して、選択科目の中にラグビーがあったから参加した。そこで出会った友だちが学校以外のコーチと知り合いで、その人がメキシコシティを代表する女子チームを作りたがっていると教えてくれたんだ。

それで、ここがチームのホームグラウンド?

前は別のところだったんだけど、今はここで練習している。本当はラグビー用のフィールドではないから理想的な場所とは言えない。芝生もないし、バッグや道具をしまうロッカーもない。でも一番安く使用できるし、ここなら毎日でも練習できる。周囲の治安がよくて、交通の便もいい。女子だけのチームだから、帰るときに安心できて、暗い中を長く歩き回らずに地下鉄の駅にたどり着けるのは大事なことなんだ。それに今日みたいな雨の日はね。でも、私たちは楽観的に考えるのが好き。試合のとき、グラウンドに芝があって天気がよければ「今日は楽勝!」って言う、だってこんなに厳しい条件で練習しているから。

「どんなことでも引き受けられるし、なにがあっても落ち込むことはない」

驚きのパワーで魅せる、メキシコのラグビー選手マリア・プルーイン

なぜ、ラグビーが好きなの?

私にはできる、という気持ちが私に力をくれる。誰にも追いつかれないし押し倒されないくらい、誰よりも私は速く走れる、強いタックルもできるんだって。自分の優れた身体能力に気がつけたおかげで、生活の中で別の分野の目標をたてるときも自信が持てるようになった。私はずっとやせっぽちだけど、今は「誰にでもタックルできるし、誰も私にタックルできない」とか、あるいは「どんなことでも引き受けられるし、何があっても落ち込むことはない」と言えるから、爽快で満ち足りた気分。

ラグビーは、身体的な面以外でもあなたを変えた?

いろんな面でね。なぜなら、ラグビーはチームスポーツだから。いつも思うのは「1000倍上手になれるとしても、チームのためにならないのなら意味がない」ということ。そして、そうした気持ちを生活全般で持てるようになった。私は、社会に貢献できるように優れた人間になりたい。優れていると自己満足するだけじゃなく。ラグビーでは、チームを大切にする気持ちがなければなにも成し遂げることができないんだよ。

関連するストーリー

Snap Shots:ネットボールを通じて自分の居場所を見つけたマギー・ガオ

アスリート*

ブルックリンで築くネットワーク:ネットボールのコートでコミュニティを見つける

Snap Shots:デリック・ナリンが語る家族、クリケット、そしてコミュニティ

アスリート*

先祖から受け継いだカリブの誇りを胸に、ニューヨークで活躍するクリケット選手

Snap Shots:ハンドボールの強豪ガラテ家の双子

アスリート*

ワンダーツイン:ニューヨークのハンドボールコートに君臨する双子にインタビュー

Snap Shots:アドレナリンを追い求めるレオノラ・マンサノ

アスリート*

アドレナリンを求めて:ランニングに出会って変わった、レオノーラ・マンサーノの生活スタイル

パリのストリートサッカーをテーマに活躍する、新鋭映像作家ラミン・コンテの紹介

アスリート*

パリのストリートボールを撮影し、バスケットボールカルチャーの魅力を伝える気鋭の映像作家