肩のモビリティエクササイズをウォームアップのルーティンに含めるべき理由について、エキスパートが解説

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これは多くの人が考えているよりも重大なテーマだ。

最終更新日:2023年4月13日
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肩のモビリティエクササイズをウォームアップに含める理由について、エキスパートが解説

肩のモビリティ(可動性、動かしやすさ)というのは見過ごされやすい。 肩が適切に機能していれば、ランニングからウェイトリフティングまで、あらゆる動作を快適に行える。 しかしながら、肩の可動性が阻まれると、それまでは楽にできていた動作や運動を行うのが困難になることがある。

「肩は、体の中で最も可動性の高い主要な関節です。そのため、体が最適に機能するために肩に依存している部分がとても大きいのです」そう話すのは、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるシダーズ・シナイ・ケルラン・ジョーブ・インスティテュートで肘と肩の専門医を務め、PGAツアーの整形外科コンサルタントでもあるブライアン・リー医学博士だ。

その可動性があまりにも重要であることから、肩のモビリティエクササイズを通常のウォームアップルーティンに追加すべきだと専門家たちは口を揃える。 なぜ肩のモビリティエクササイズがそれほどまでに重要なのか? まずは基本的な知識を整理しておこう。

肩の基本知識

肩のモビリティエクササイズを理解するには、まず、すべての主要な関節の構成要素を確認することが大切だ。 クリーブランド・クリニックによると、肩は球関節であり、体の他のどの関節よりも広い可動域を持っている。 肩は、肩甲上腕関節とも呼ばれる肩関節を支える8つの筋肉で構成されている。

肩の筋肉は腱を介して肩の骨に付着していると、リーは説明する。

クリーブランド・クリニックによると、回旋腱板筋が肩の最も重要な筋肉である。 これらの筋肉は腕を上げたり回したりするのを助け、肩関節を構造的にサポートしている。 肩を支えるその他の筋肉には、次のようなものがある。

菱形筋

背骨の上部から肩甲骨まで伸びる菱形筋は、肩甲骨を持ち上げる動きを助ける。

僧帽筋

トラップ筋とも呼ばれる僧帽筋は、肩の後ろにある大きな筋肉で、肩を上げ下げする動きを助ける。

三角筋

肩の外側にある三角筋は、腕の前後左右への動きで使われる。

肩の可動性が重要な理由

「肩の可動性は非常に重要です」そう話すのは、アリソン・ブラウン博士。 理学療法博士(D.P.T.)であり、ラトガース・スクール・オブ・ヘルス・プロフェッションで理学療法の助教授を務めている。「肩関節は可動性を発揮するように設計されています」と彼女は言う。

肩への依存度の高いスポーツ、たとえば水泳、バレーボール、テニス、野球などに定期的に取り組んでいる人は、「必要なポジションに腕を配置するために、多くの可動性が要求されます」

(関連記事:バレーボールのポジション解説

肩の可動性が悪いと、標準的なパフォーマンスレベルも満たせなくなる可能性があるとブラウンは話す。

とはいえ、肩の可動性が重要な理由は、パフォーマンスを高めることよりもけがのリスクを抑えることにあると、リーは話す。

「体のあらゆる関節に言えることですが、特に肩では可動域を常に機能させていることが重要です。その関節がけがの原因になる可能性があるだけでなく、十分な可動性がなければ、隣接する関節、つまり首や肘などにも影響を与える可能性があるからです」と彼はつけ加える。

肩の可動性が悪いと、「回旋筋腱板の断裂にもつながりかねません」とブラウンは言う。 腱が肩甲骨をこすったときに起こる炎症であるインピンジメントも問題になる可能性があると、彼女は指摘する。

おすすめの肩のモビリティエクササイズ

ブラウン曰く、肩のモビリティエクササイズは、一般的に、肩の回転と関節の開閉という2つの主要な動きに焦点を当てている。 ブラウンとリーがおすすめする、通常のウォームアップに加えるべきエクササイズは以下のとおり。

  1. 1.スリーパーストレッチ

    スリーパーストレッチは、肩の内旋に焦点を当て、全体的な可動域の向上を目的としたストレッチだとブラウンは説明する。 やり方:

    • 横向きに寝て、下側の腕を前方に伸ばす。
    • 下側の腕の肘を曲げ、地面に対して垂直になるように立てる。 上腕の位置は肩と同じ高さに保つ。
    • 次に、垂直に立てた腕の手をもう一方の手で地面に向けて押し、しばらく保持してから放す。
    • 左右で10〜15回ずつ繰り返す。

    「これは肩に本当によく効きます」とブラウンは言う。

  2. 2.ドアウェイ胸筋ストレッチ

    やり方:

    • 開いた戸口に立って、両腕を大きく広げ、肘を曲げてゴールポストの形を作る。
    • 出入口の左右それぞれに肘をあてたまま、片方の足をもう一方の足の前に出して、両肩が伸びるのを感じるまで、前方に寄りかかる。
    • その姿勢を15秒ほどキープする。

    「これは可動性を維持しながら、肩の前面を開く動きです」とブラウンは言う。

  3. 3.肩のCARs(Controlled Articular Rotation:関節可動域改善エクササイズ)

    やり方:

    • 片方の腕をできるだけ高く上げ、手のひらを回転させて外側に向ける。
    • 次に、できる限り大きな弧を描きながら腕を下ろしていき、自然に下ろした状態に戻す。
    • 片側20回を1セットとして、両肩で1日2〜3セット行うことをリーは推奨する。
  4. 4.肩甲骨のCARs

    英語でショルダーブレードとも呼ばれる肩甲骨は、肩関節の重要な構成要素。 肩甲骨のCARsは、この領域周辺の筋肉を伸ばすことに重点を置いていると、リーは説明する。 やり方:

    • 足を腰幅に開いて立ち、肩を耳に向かってすくめる。
    • そのまま両肩を後方から下方向へ、次に前方から上方へと回し、大きな円を描きながらスライドさせる。

    「前かがみになりがちですが、そうすると肩甲骨の可動性が失われてしまいます」とリーは説明する。 この動きは、肩をサポートする筋肉をより動かしやすくし、姿勢改善にも役立つ。

  5. 5.スレッドザニードル

    やり方:

    • 柔らかいマットなどの快適な床の上に両手と両膝をつけて、テーブルトップの姿勢になる。
    • 左の手と腕を右脇の下にくぐらせ、左肩が伸びるのを感じながら先の方へ伸ばしていく。
    • 左腕をゆっくり後ろに引いてテーブルトップの姿勢に戻り、右側も同様の動きを繰り返す。
    • 左右で20回ずつ行うことをリーは推奨する。

肩の可動性に問題が発生した場合の対処方法

肩の可動性に関連する問題が発生したり、肩を使っているときに痛みを感じたりしたら、専門家に診てもらうことをリーはすすめる。 また、可動域の低下が感じられた場合は、回旋筋腱板の断裂やその他のけがの兆候であるおそれがあるため、できるだけ早めに専門家に診てもらうことが重要だ。

文:コリン・ミラー

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公開日:2023年4月5日

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