セルフマッサージがプレワークアウトに最適な理由

健康とウェルネス

エクササイズを始める前にセルフマッサージをする3つの効果をエキスパートが解説する。

最終更新日:2022年11月29日
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セルフマッサージがワークアウト前に最適な理由とは

効果的で安全なワークアウトを行うには準備運動が肝心。 ウォームアップやストレッチも大きな効果があるが、セルフマッサージも筋肉に驚くほど良い影響をもたらす。

「セルフマッサージとは、血管の働きと柔軟性を高め、特定の筋肉群を使用しているときに発生する痛みを抑制するために、筋肉と腱の付着部に働きかける行為です」と説明するのは、ニック・サリナス(腰痛を専門とする理学療法博士)だ。セルフマッサージは柔軟性を高める効果もあるため、安全にワークアウトを行うことができ、怪我の予防にもなる。

この記事では、セルフマッサージが運動療法に効果的な理由を解説する。

(関連記事:腰の可動性を大きく向上させるエクササイズとストレッチを理学療法士が解説

  1. 1.パフォーマンスを高める効果

    体を動かす際に、セルフマッサージはパフォーマンスを高めるという重要な働きがある。

    「筋肉の血流と循環を高めることで、よりハードなワークアウトを長時間できるようになります」そう語るのは、マイケル・ジョーンズ(理学療法とリハビリを専門とする認定マッサージセラピスト)だ。 血流が改善されると、酸素を多く含んだ血液が筋肉に送り込まれ、エネルギーが供給されるので、疲れずにハードなワークアウトを長時間行えるように。

    セルフマッサージには、筋肉の回復を早める効果もある。 つまり、筋肉が疲れた状態やひどく痛む状態でエクササイズすることが少なくなるため、パフォーマンス向上が期待できるということだ。散歩もウエイトリフティングも、筋肉に痛みがないときの方がずっと気持ちよくできるはず。

  2. 2.怪我を防ぎ、回復スピードを高める効果

    ジョーンズによると、セルフマッサージはアスリートにとって怪我の予防に欠かせない。 「肉離れやその他の一般的な怪我のリスクを低下させます」とのこと。

    (関連記事:ランナーが注意すべき怪我を理学療法士が解説

    筋肉をマッサージすると血流が良くなるため、驚くほど回復力が高まる。 これは、細胞に酸素が供給され、回復プロセスが早まるためだ。 また、ヴィース研究所とハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学・応用科学スクールの研究により、マッサージには筋肉組織に炎症を起こす細胞を圧縮する作用があり、それによって筋肉の修復も促される可能性があることが明らかになっている。

    セルフマッサージには「ワークアウト後、数日間の痛みの原因となる組織内の微小損傷を減少させる効果もあります」とジョーンズは指摘。 「その結果、回復スピードが高まり、すぐにトレーニングに戻ったり試合に出場したりできるようになるのです」

    DOMSと呼ばれる遅発性の筋肉痛は、ワークアウト後24時間以内に発生し、最長で7日続くことがある(3日目までが痛みのピーク)。 DOMSの原因は完全には解明されていないが、研究結果によると、セルフマッサージはDOMSの症状を緩和するのにとても効果的であり、回復を早める働きがあるそうだ。

    なお、回復スピードを高めるためにセルフマッサージを行う際は、医療専門家に相談し、自分に合った適切なテクニックや方法を把握しておこう。

    「特定の筋肉や部位から本来の働きが失われると、他の部位に余計な負担がかかるため、怪我が発生しやすくなります」そう語るのは、マット・タンバーグ(カイロプラクティック医師、 認定カイロプラクティックスポーツプラクティショナー)だ。

    怪我の予防を目的として筋肉をマッサージする際に彼がすすめるのは、プレエクササイズの中で「これから行うエクササイズにできるだけ近い動きをするダイナミックなウォームアップを行い、緊張や堅さのある場所、動きづらい場所をセルフマッサージする」こと。

  3. 3.可動性を高める効果

    「筋肉をマッサージすると筋肉の温度が上がるため、しなやかになります」とジョーンズ。 さらに、結合組織内の付着やしこりをほぐす働きもある。 そうした数々の効果によって、柔軟性と可動域を高めることができるのだ。

    サリナスによると、セルフマッサージを行うことで筋繊維が整うため、体の緊張が緩和される。 「筋肉がリラックスすると、問題のある場所に正しく血流が行き渡るようになります」とタンバーグは言う。

    「筋肉をマッサージすることは、実はミニワークアウトをしていることなのです」とジョーンズは指摘。さらに、循環を高め、静脈や動脈から細胞と臓器に酸素を多く含んだ血液が流れるようにすることで、体を動かす準備が整うのだと付け加えている。

セルフマッサージを行う際のヒント

セルフマッサージをもう少し追求したい場合には、テニスボールやラクロスボール(どちらも転がすとコリがほぐれる)やマッサージガンを取り入れることをジョーンズは推奨。 なお、フォームローラーもプレワークアウト用のツールとして優れている。

「フォームローラーで長めにさっとストロークすると、気になる筋肉のトリガーポイントをすぐに見つけることができます」とサリナスはアドバイスする。 そして脚の主要部分の筋肉をほぐす方法としてサリナスがすすめるのは、パッシブテクニック。これは、筋繊維上で硬直し敏感になっているトリガーポイントに指を2、3本押し当てるやり方だ。

「対象の筋肉を分断してほぐすように、その上や下の関節を曲げ、 その状態で60~90秒間、自然に呼吸しながら圧を維持します」とサリナスは説明する。圧を加えた状態のまま、関節を元の位置に戻してから、指を離そう。

文:ジェシー・クイン

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公開日:2022年11月22日

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