COACHING

疲労回復に重要なリカバリーラン

By Nike Running

控えめのトレーニングで、より速く、より強いランナーになる。

短距離のスピード走や坂道トレーニングに挑み、数十マイルもの長距離走をやり遂げると無敵になれる気がする。しかしハードなトレーニングをこなし、スピードを取り戻すために体が必要とするのは、スローペースでのランニングだ。アクティブリカバリーは、体をどのように回復させるのか、また、どんなタイミングでトレーニングに組み込めばよいのだろうか。

ランニングの話になると、「ゴールタイムは?」、「インターバル走のペースは?」、「スプリットタイムはどのくらいだった?」というように、ランナーなら必ずペースを話題にする。そして速く走れるようになればなるほど称賛を浴びることになる。

しかし自慢すべきは、回復のためにいかに遅いペースで走るかだ。「リカバリーランでは、1週間連続して続けられる楽なペースで短い距離を走ります。」と、米国陸上競技連盟公認コーチ兼Strength Runningヘッドコーチであり、The Strength Running Podcastのホストを務めるジェイソン・フィッツジェラルド氏は言う。「多くのフィットネス効果が期待でき、中でも最大の効果はアクティブリカバリーです」。

ハードなワークアウトの後に強度の低いトレーニングを行えば、アクティブリカバリーの効果が得られる。ランナーのためには、楽なペースでのジョギング、速いペースで走ることにストレスを感じずに済む状況を考えよう。「リカバリーペースは、ペースというよりは我慢です」とフィッツジェラルド氏。くつろいだ気持ちでゆっくり走る方法を説明するために、彼は3つのCを念頭に置くことを勧めている。3つのCとは、comfortable(快適か)、controlled(コントロールできているか)、conversational(息切れせずに会話ができるペースか)。フィッツジェラルド氏によると、リカバリーランの強度を数字で表せば、10段階で1から3の間になるとのことだ。

「まったく何もしないよりは、楽なペースで走りに出かけた方がきっと気分が良くなるはずです」

Strength Runningヘッドコーチ、ジェイソン・フィッツジェラルド氏

アクティブリカバリーは、ソファでくつろぐというようなパッシブリカバリーとは異なるアプローチであり、優れた選択と思われる。フィッツジェラルド氏も「まったく何もしないよりは、楽なペースで走りに出かけた方がきっと気分が良くなるはずです」と、アクティブリカバリーを推奨する。気分が良くなる理由はおそらく、激しい運動後のアクティブリカバリーには、パッシブリカバリーよりも血中乳酸濃度の低下を速める働きがあるからだ。血液が効率的に筋肉を巡り、筋肉の自己回復を助けるのだ。これは、Journal of Sports Sciencesで発表された研究で明らかになったことである。

またメンタル面にも効果を期待できる。前の日にとてもきついランニングをやり遂げた、または強度の高いワークアウトに相当するストレスを感じるほど精神的に辛い日を過ごしたのなら、ゆっくりペースのランニングが筋肉を鎮め、気持ちを和らげてくれる。

リカバリーランは、スピードの回復に加えて3つのフィットネス効果が期待できる、とフィッツジェラルド氏は言う。体の脂肪を燃焼しやすくする効果、組織内の毛細血管の密度を高め(つまり筋肉により多くの酸素を運べるようになる)持久力を向上させる効果、体に過度のストレスをかけることなく、筋肉、骨、結合組織を強化する効果だ。

つまり強度を下げたトレーニングが、本気で挑みたいときのパフォーマンスを上げるのに役立つ。実際、American Council on Exerciseの支援で行われた調査で、アクティブリカバリーとパッシブリカバリーのいずれかをランナーに試してもらった。リカバリーを行う前後で分析すると、アクティブリカバリーを行ったグループは休憩していただけのグループよりも3倍近い距離を走ることができた。

「もっと走ろうとすることがまた次のストレスを生みます。だからなるべく無理のないようにしなければなりません」

Strength Runningヘッドコーチ、ジェイソン・フィッツジェラルド氏

リカバリーランは、1週間に走る距離を伸ばしたい場合にも効果的だ。単純にトレーニングの量を増やしたいなら、走る日数を増やせばよい。そして増やした日はリカバリーランの日として始めるべきだ、とフィッツジェラルド氏は言う。「もっと走ろうとすることがまた次のストレスを生みます。だからなるべく無理のないようにしなければなりません」。まずは、短い距離をゆっくりしたペースで走ることから始めるということだ。

体が鍛えられれば、楽なトレーニングの日数を減らしてよい。フィッツジェラルド氏曰く、「ランナーとして成長してくると、リカバリーに必要な日数は減ってきます」。「しかし、たとえタフなランナーでも、日々の標準的なトレーニングに比べて走る距離を明らかに短くする日を、最低でも週に1回は設けます。またその日のランニングは普段より遅い快適なペースで行います」。良い例として挙げられるのは、史上最速のマラソン選手、エリウド・キプチョゲ。26.2マイルを約4分34秒/マイルのペースで走る走力を持ちながら、約9分/マイルの緩いペースで6マイルのリカバリーランを行うことがある。

リカバリーランは必須かというと、必ずしも必要なわけではない。好きなように走ればよい。ただ、常に速すぎず遅すぎずのペースで走っているとすると、その効果は、そしてスポーツに対する情熱も、停滞してしまうかもしれない。そして全力で挑む場合に走れる距離は限られている。

リカバリーランは、トレーニングとは別の浄化作用を体と心に与えてくれる。しかも、ランニングに出かける時間も増えるはず、とフィッツジェラルド氏。「優れたランナーになるにはまず走ること。だから走る機会が増えれば、ランナーとして成長します」。

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