Coaching

温浴と冷水浴のメリットを取り入れよう

ワークアウトの代わりにはならないが、入浴にはパフォーマンスを向上させる効果がある。

最終更新日:December 23, 2020
温浴と冷浴のメリット

温浴は張り詰めた一日の終わりにリラックスするのに有効で、冷浴は目を覚ますのに有効。そんなふうに大抵の人は思っているかもしれない。しかし、温浴や冷浴は、翌日のワークアウトだけでなくそれ以降のすべてのワークアウトのパフォーマンスを向上させる可能性があるとしたら、驚きではないだろうか?

ウェスタン・コロラド大学高地パフォーマンス研究所の運動スポーツ科学教授であるランス・ダレック博士のチームは最近、アスリートに週3回、トレーニングセッションの直後に39度のお湯に30分間首まで浸かってもらうという研究を行なった(家庭のお風呂の蛇口から出るお湯の平均最高温度は約49-60度)。3週間後、被験者は対照群と比較して、VO2 max(体の酸素使用効率を表す)が3.2%、乳酸性閾値レベル(高負荷の運動の継続可能時間に影響する)が5.4%、ランニングエコノミー(所定のワークアウトを行うために体に必要な酸素量を表す)が2-3倍向上した。

ダレック博士は、VO2 maxが3.2%向上したことを受け、これは8kmを40分で走る人がタイムを75秒縮めることに相当すると説明している。これより遅いペースで走る人なら、もっとタイムを短縮できる可能性がある。

熱によって体がリラックスする仕組み

ダレック博士によると、熱によって血しょう量が増加すると、心臓はより多くの血液をより効率的に得て、ひいてはより多くの酸素と繊維を回復させる栄養素を動いている筋肉に送ることができる。また、熱によって、熱ショックタンパク質の生成が促進され、毛細血管の血流量が増加し、高負荷の運動によって蓄積した乳酸の処理が促される。「これによって、リカバリーの速度が上がります」とダレック博士は言う。また、他の研究では、お湯に浸かることで筋肉がほぐれ、靭帯のコラーゲンが柔らかくなり、痛みが和らぐことが示されている。

このメリットを利用するには、研究に参加したアスリートと同様、適度な負荷のワークアウトの後に週3回、30分間風呂に浸かることをダレック博士は勧めている(6回から7回以上入浴して初めて変化を実感できるとのレビューがある)。ただし、これを行うのは、適度な負荷のワークアウトの後だけだ。「中核体温を約39度に上げることがポイントであり、これがパフォーマンス向上効果を生み出す最適な温度です」とダレック博士は説明する。高負荷セッションの直後にお湯に浸かる場合は、ハードワークによって中核体温がすでに高くなっているため、のぼせてしまう恐れがある。

熱によって血しょう量が増加すると、心臓はより多くの血液をより効率的に得て、ひいてはより多くの酸素と繊維を回復させる栄養素を動いている筋肉に送ることができる。

ランス・ダレック博士、ウェスタン・コロラド大学高地パフォーマンス研究所運動スポーツ科学教授

体を冷やす場合

高負荷ワークアウトの後に、すぐに体をリラックスさせたい場合はどうすればよいだろう?氷風呂に浸かる写真を投稿したロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームスやポルトガル代表サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドをまねて、蛇口をひねりたくなる人もいるかもしれない。ダレック博士によるとこのような冷浴は、これから痛みが生じることが分かっており、冷やして痛みを軽減したい場合(例えば、久しぶりのブートキャンプクラスの後)に有効だという。ただし、ワークアウトによっては、その後に冷水に浸かるとメリットよりデメリットの方が大きい場合があるので、注意しなければならないとダレック博士は付け加える。小規模ではあるが『Journal of Applied Physiology』に掲載された最近の研究では、レジスタンストレーニングの後に水風呂に浸かると、実際に筋肉の成長が阻害される可能性があることが明らかになった。

水風呂に浸かるなら、温度は11度から15度、時間は11分から15分がベストだとするレビューがある。冷水にはイブプロフェンのように、運動によって生じた炎症過程を阻み、痛みを軽減する効果があると言われており、一部の研究によると、冷水に浸かることで運動後最大4日間痛みを和らげられるという。

もちろん、氷浴にリラックス効果があることに疑問の余地はない。一方で、精神力を磨いたり、心を落ち着かせたりする方法としても利用されている。プロのアスリートであり、アメリカ海軍のネイビーシールズの一員でもあったジョシュ・ブリッジズは、氷浴を瞑想に例え、次のように語っている。「毎朝目が覚めたら、家の外に置いてある水風呂に直行します。そこの気温は多分1度くらいです。表面にできている氷を割ってなかに入ると、深呼吸しながら4分間つかります。これができれば、一日の残りの時間は楽勝です」

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