ランを向上させるための、ランニングシューズのシューレースの5つの通し方
スタイリングのヒント
シューレースの通し方を変えることで、ランニングシューズがより快適になる。 靴擦れや足指痛といったよくある問題さえも解決できるかもしれない。
箱から出したばかりのランニングシューズに既にシューレースが通してあるからといって、そのまま履かねばならないわけではない。 むしろ、ランニングシューズのシューレースの通し方を工夫するのは良いことだ。
「シューレースを適切な方法で通せば、ランニングシューズの履き心地を大きく変えられる」と話すのは、Running for Wellnessを経営するRRCA認定ランニングコーチのローレン・シェウだ。
シューレースの通し方を少し工夫するだけで、締まり具合を加減したり、特定の部位に圧力をかけたりできる、とローレンは言う。 また、靴擦れや足指痛、かかと滑りなどのよくある問題を防げることも多い。
ランナー向けのシューレースの通し方に関する本ガイドで、自分にとって一番快適な履き心地を見つけよう。
ランニングシューズのシューレースの通し方
1.パラレル/リディアードレーシング
足の甲に痛みがあるときに試して欲しいシューレースの通し方
足の甲に圧痛や腫れがあるなら、伸筋の腱鞘炎が疑われる。伸筋の腱鞘炎は足の甲全体の痛みのよくある原因だ。 足に合わないシューズを履いているランナーやシューレースをきつく締めすぎているランナーによくある故障で、足首や足指を曲げる際に使う伸筋腱に圧力がかかることから生じる。
ニューヨーク市のActiveCare Physical Therapyのボード認定整形外科医で理学療法のカレナ・ウーは、「この部位に炎症があるなら、(足の)甲に圧力がかかるのを防ぐほうが良い」と指摘する。
ウーのおすすめは、シューレースを交差させる通常のクリスクロス型ではなく、アイレットとアイレットを横切るように靴紐を水平に通す方法だ。 この方法はパラレルレーシングまたは(伝説的なランニングコーチ、アーサー・リディアードの名前から)リディアードレーシングとして知られ、足の甲にかかる圧力を下げることができると、ウーは言う。
それでもまだシューズがきついと感じるなら、そのシューズはあなたの足に合っていないのかもしれない。 ランニングシューズの専門店に行き、ランニングシューズの専門家にアドバイスをもらおう。
パラレル/リディアードレーシングによる靴紐の通し方
- シューズの下の方(つま先側)からスタートする。 両側のアイレットに外側からシューレースを通す。
- 両側のシューレースの長さが同じになるよう調整する。
- 左側(A)のシューレースの端を手に取り、左側の次のアイレットに下から通す。 反対側のアイレットに移動し、外側から内側にシューレースを通す。
- 最後に、そのシューレースを右側の次のアイレットに下から通す。
- もう片方(B)のシューレースの端を手に取り、右側の次のアイレットに下から通す。
- Aをシューズの甲の部分を横切るように左向きに引き、次のアイレットに外側から通す。
- Bで同じ動作を繰り返す。ただし次の空いているアイレットに紐を通す。
- すべてのアイレットにシューレースが通るまで続ける。
- シューレースを結び、蝶結びをして完成。
ヒント:アイレットの数が奇数の場合は、どこかでダブルパス(紐の両端を同じアイレットに通す)を行う。
2.パラレルレーシングとクリスクロスレーシングの組み合わせ
足指の靴擦れ、黒爪、足指の痛みあるときに試して欲しい通し方
足指に関するトラブルがある場合、大抵はシューズのトゥボックスがきつすぎるのが原因だ。 指先を動かすのに十分なスペースがないと、足指がお互いや靴を強くこすったり押したりすることがある。 そのため、靴擦れ、黒爪、足指の痛みなどが生じる。
ワシントン州シルバーデールにあるSilverdale Sport and Spine Sports Medicine Clinicを経営するマラソンランナー、ジョーダン・ダンカンDC(ドクター・オブ・カイロプラクティック)は、足指への負担軽減とトゥボックス内の足指のスペース確保のために、パラレルレーシングとクリスクロスレーシングを組み合わる方法を試してみるよう勧めている。 最初のいくつかのアイレットにはパラレルレーシングを採用し、最後を標準的なクリスクロス型にする方法だ。
パラレル・クリスクロスレーシングによる靴紐の通し方
- シューズの下の方(つま先側)からスタートする。 両側のアイレットに外側からシューレースを通す。
- 両側のシューレースの長さが同じになるよう調整する。
- 左側(A)のシューレースを手に取り、左側の次のアイレットに下から通す。
- 次に、Aを反対側のアイレットに外側から内側に通す。
- 最後に、Aを右側の次のアイレットに下から通す。
- 次に、もう片方(B)のシューレースの端を手に取り、右側の次のアイレットに下から通す。
- Bをシューズの甲の部分を横切るように左向きに引き、次のアイレットに外側から通す。 次に、同じ側の次のアイレットに下からシューレースを通す。
- 最後に標準的なクリスクロスレーシングを行う。
- シューレースを結び、蝶結びをする。
3.ループレーシング/ヒールロック/ランナーズループ
かかとの靴擦れやかかと滑りがあるランナーに試して欲しい通し方
かかとに靴擦れができやすい、または靴のかかと部分の内側がとても傷んでいる場合は、フィット感を高める必要がある。
かかとと靴のかかと部分の間にわずか6mmほどの隙間があるだけで靴擦れができる」と、ダンカン博士は言う。
ループレーシングの手法(ヒールロックまたはランナーズループとも呼ばれる)を使って、かかとの滑りを抑えよう。 通常のクリスクロス型で紐を通すが、残りのシューレースを使って一番上のアイレットのところにループを追加するやり方だ。 この小さな工夫で安定感が増し、足のずれを抑えられる。
ループレーシング/ヒールロック/ランナーズループによる靴紐の通し方
- 標準的なクリスクロス型でシューレースを通すが、両側の最後のアイレットまで来たらストップする。
- 右側のシューレースを手に取り、右側の最後のアイレットに外側から通す。 ただし、最後までは引っ張らない。 小さなループができたところで止める。
- 左側のシューレースで同じことをする。
- 両側に小さなループができたら、シューズを横切るように、2本のシューレースを引き、できた輪に通す。
- シューレースを引いて輪を締めてから、通常通りに結ぶ。 シューレースを締めすぎないように注意する。
- シューレースを結び、蝶結びをして完成。
4.標準型クリスクロスレーシングの変形
幅広足のランナーに試して欲しい通し方
適切なシューズの幅は1人1人異なる。 幅広の足を持つ人が標準幅のランニングシューズを履けば、必ず痛みや腫れが生じる。 また、シューレースの通し方にはシューズの幅をとても細くしてしまうものが多い。
あなたの足が幅広でむくみやすいときは、まず、幅広足のためにデザインされたより良いシューズを見つけよう。 その後で、シューズの圧迫感をさらに緩めるために考案されたシューレースの通し方を試して欲しい。
「幅広足に最適な靴紐の通し方は、アイレットを1つおきに飛ばすクリスクロス型」とダンカン博士は言う。 「この方法なら、シューズ内により広い足のスペースを作れる」
変形クリスクロスレーシングによる靴紐の通し方
- 最後から2番目のアイレットまでシューレースをほどく。
- クリスクロス型でシューレースを再び通すが、このとき、アイレットをひとつ置きに飛ばす。
- いつもどおりにシューレースを結び、蝶結びをして完成。
5.ギャップレーシング
甲高のランナーに試して欲しい通し方
甲高(偏平足の逆)のランナーは、シューズの圧迫感に悩んでいるかもしれない。特に甲の一番高い部分(土踏まずの反対側)だ。
時を経て、加えられた圧力が足の甲の炎症や痛みの原因となる可能性がある。 ダンカン博士は、甲高のランナーにギャップレーシングという方法を推奨している。 この方法なら、中足部が開き、甲の部分の締まりや圧迫感が緩和される。
ギャップレーシングによる靴紐の通し方
- 最後から2番目のアイレットまでシューレースをほどく。
- シューレースをシューズの上で交差させるのではなく、2番目と3番目のアイレットの間の側面に通すようにして、靴紐を通し直す。 これにより隙間(ギャップ)が生まれる。
- ここからは標準的なクリスクロス型でシューズの紐を通す。
- シューレースを結び、蝶結びをして完成。
ヒント:足の形によっては、3番目と4番目のアイレットの間、または4番目と5番目のアイレットの間で側面に通して隙を作る結び方にする必要がある場合もある。 いろいろ試して、自分に最適なパターンを見つけよう。
靴紐の結び方が万能な解決策とは限らない
さまざまなランニングシューズの結び方で解決できることには限界がある、ということを忘れないで欲しい。 シューズが足に合わなければ、問題は解決しないだろう。
自分の足のタイプとランニングスタイルに合うランニングシューズを見つけるのを優先しよう。まずはNikeのShoe Finderを活用し、それから靴紐の通し方を工夫してみよう。