エキスパートが伝授する、器具なしでできる全身トレーニングベスト13

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自宅ですぐにできる、おすすめの自重エクササイズをご紹介。

最終更新日:2022年6月29日
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エキスパートが伝授する、器具を使わない全身エクササイズ13選

ウェイトトレーニング室にこもって、重いウェイトを持ち上げることだけが筋力トレーニングの唯一の方法だと思っている人は多い。 しかし実際には、器具を使わずにできる全身運動はたくさんあり、筋力、バランス、運動能力の向上につながる。

ニューヨークのBody Space FitnessでNASM認定のパーソナルトレーナー兼コーチを務めるクリスティーン・トーデは、次のように語る。「自重のみのエクササイズやトレーニングプログラムは、どんな体力レベルの人にも効果的で、自分を鍛えることができます」 自重運動は初心者に最適であるのみならず、トレーニング経験者が初めて新しい動きを試す際にもうってつけだ。 もっと負荷を加えたいというときに、ウェイトを使わず正しいフォームでしっかり行うことで、より効果的かつ安全に動けるように。

さらに自重運動は、より上級者を目指して継続していく際にも、ルーティンに組み込む価値がある。

NASM認定のパーソナルトレーナーであり、グループフィットネスインストラクターでもあるオー・アルツィは、次のように述べている。「自重トレーニングを取り入れることで、飽きずに取り組むことができ、ベストパフォーマンスを維持できます。 どの動きも簡単に、レベルをアップさせたり戻したりできるので、試行やアレンジの可能性が無限に広がるのが最大の魅力です」

また、筋力向上だけではなく、正しい動作や可動域、安定性を鍛えるためにも自重トレーニングを活用できると、トーデは言う。 ウェイトやレジスタンスバンドを使ったエクササイズと一緒に自重トレーニングをルーティンに組み込んで、プログラムにバリエーションを持たせ、体を順応させよう。 また、ウォームアップのエクササイズとしても最適だ。

関連記事:エキスパートが伝授する、自重トレーニングで得られる10のメリット

以下に、トーデとアルツィがおすすめする、器具なしでできるお気に入りの全身運動を紹介する。 ターゲットにする部位ごとに分類してあるが、どれもコアを含む複数の筋肉群を一度に動かすので、総合的な全身運動と考えることができる。

エキスパートが伝授する、器具を使わない全身エクササイズ13選

ウェイトなしでできる、おすすめの上半身エクササイズ

  1. 1.プッシュアップ

    「プッシュアップ(腕立て伏せ)は、上半身全体の筋力を向上させるための最も基本的で効果的な動きのひとつです」とアルツィは言う。

    プッシュアップは、胸、肩、上腕三頭筋と、背中の筋肉が鍛えられる。 さらに、プッシュアップは基本的に、動きのあるプランクなので、コアを鍛え、安定性を高めることもできる。 このバリエーションとしてアルツィがおすすめするのが、傾斜をつけたプッシュアップだ。 足を床につけ、両手はベンチや丈夫な椅子、安全なテーブルなど、高い場所に置く。 ゆっくりと手を押し、力をかけるにつれ、床に近づけていこう。

  2. 2.プルアップ

    アルツィによれば、これは上半身を鍛える自重トレーニングの中で最も難しいもののひとつだ。 また、強い背中をつくるための優れたトレーニングでもある。

    「背中、上腕二頭筋、肩など複数の筋肉群を鍛えることができますし、腹筋もたくさん使います」と彼女は言う。

    プルアップを行うには、バーをオーバーハンドグリップで握り、手のひらが自分の反対側を向くようにする。 チンアップは、プルアップのバリエーションで、手のひらを自分の方に向けたアンダーハンドグリップで行う。 上腕二頭筋をより多く使うチンアップのほうが比較的簡単だと、アルツィは言う。

  3. 3.プローンラットプルダウン

    「これは、姿勢を良くしたいと思っている方に最適なエクササイズ。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用で姿勢に悩んでいる方は多いでしょう」とトーデ。 大臀筋、腰、コアに意識を集中し、胸と脚を床から浮かせる。 次にプルダウンを追加して、肩と背中を鍛える。

エキスパートが伝授する、器具を使わない全身エクササイズ13選

おすすめの自重レッグトレーニング

  1. 1.グルートブリッジ

    大臀筋(臀部の主要な筋肉群)は、多くの動作で主要な役割を担っている。 ブリッジは、大臀筋を鍛え、ランニングや重いリフティングの際に使えるようにするための優れた方法だと、アルツィは語る。 「余裕が出てきたら、片足を地面から離し、テンポを変え、負荷を加えることで、より難易度を高めましょう」と彼女は述べている。

  2. 2.スクワット

    「スクワットに勝るものはありません」とアルツィは語る。 「スクワットは、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎ、股関節屈筋をターゲットにした、下半身の機能的な動作です。 私たちは、座ったり立ったりするたびにスクワットの動きをします。ですから、これをマスターすることはとても重要なのです」

    プロからのアドバイス:スクワットはコアを安定させる動きでもある。

  3. 3.ポゴジャンプ

    これは神経系と足を目覚めさせるプライオメトリックな動きだ、とトーデは言う。 「ふくらはぎに効くポゴジャンプは、ランナーに非常におすすめです。足を鍛え、ふくらはぎを強化し、アキレス腱の健全な状態をサポートします」とトーデ。ウォーミングアップのエクササイズとしても最適だという。 また、動くことで心拍数の上昇を感じることができる。 これの代わりになるエクササイズとしては、カーフレイズがおすすめ。ただし、有酸素運動の要素はなくなる。

  4. 4.フォワードバウンド

    トーデはフォワードバウンドを、通常のスクワットジャンプや垂直跳びの「より刺激的なバージョン」と呼ぶ。着地の仕方という非常に重要な機能的スキルを教えてくれるトレーニングだ。 「バウンディングという力を生み出す練習と、着地という力を吸収する練習。つまりプライオメトリクス運動に取り組むことで、怪我を減らすことができます」とトーデは言う。 「つまずいたときなどに、怪我や転倒をせずに受け止められる可能性が高くなります」

  5. 5.ランジ

    リバースランジ、カートシーランジ、ウォーキングランジ、バックワードウォーキングランジなど、ランジはバリエーションが豊富だ。 「脚のほぼすべての筋肉を鍛えるだけでなく、コアを安定させ、片脚の筋力を鍛えるためにも、ランジは最適です」と、トーデは言う。 「私たちは歩くときも走るときも絶えず片脚立ちになるので、片脚の脚力というのが非常に重要となります」

エキスパートが伝授する、器具を使わない全身エクササイズ13選

おすすめの自重コアトレーニング

  1. 1.プランク

    「プランクは、正しく行えばコアの安定と強さ、そして姿勢を改善するための優れたトレーニングになります」とアルツィは語る。

    また、腹筋だけでなく、さまざまな筋肉を鍛えられる。 たとえば、プランクの姿勢を保持していると、肩や背中に疲労を感じはじめる。 上半身にさらに負荷をかけるには、片方の手を反対側の肩に当て、交互にプランクをキープするようにしよう。 または、プランクアップダウンやラテラルウォークプランクを行ってもいい。 下半身をさらに鍛えるなら、コアと骨盤を安定させたまま足を跳ね上げるプランクジャックがおすすめだ。 バリエーションは豊富にある。

  2. 2.デッドバグ

    デッドバグは、仰向けに寝て、片方の腕と反対側の脚を床と平行に伸ばしながら、もう一方の腕を天井に向け、脚を曲げてテーブルトップポジションにする運動だ。 トーデは、このトレーニングがお気に入りのひとつだと言う。シンプルでありながら、コアを安定させるのにとても効果的なのだ。 大切なのは、ただ手早く動きをこなしていくのではなく、しっかりと意識して行うこと。

    「誰かがあなたの腰や尾てい骨の下にタオルを置いていて、それを下から引き抜こうとしていると想像してください。 引き抜かれないようにするのです」とトーデは言う。 コアの力を使って、腰を床につけたまま、片方の腕と反対の脚をゆっくり伸ばす。 そこで一時停止してから、腕と脚を中央に戻す。

  3. 3.ベアクロール

    有酸素運動、コア、そして意外にも肩のトレーニングが、この自重エクササイズには組み込まれている。

    「ベアクロールは、ゆっくり着実に進めることが大切です」と、トーデは言う。 また、ウォーミングアップの際に行うことで、コア全体を鍛え、上半身と下半身の動きを連動させることができる。

  4. 4.キックスルー

    キックスルーとは、四つん這いの姿勢で膝を床から浮かせ、脚を体の下に蹴り込んで、上半身を片側ずつひねる動作のこと。 コア、大臀筋、脚、肩、背中のすべてがこの動きで鍛えられると、アルツィは言う。 「体を回転させると同時に足を下に通すので、バランス感覚や協調性も鍛えられます」とアルツィ。 コツをつかんだら、スピードを加えて少し有酸素運動をしてみよう。

  5. 5.ホローボディホールド

    ホローボディホールドは、仰向けに寝て、多くの筋肉を働かせるアイソメトリックトレーニング。腕、胸、脚を床から離して、体がバナナの形になるようにする。 これは、コアの筋力と安定性を必要とする、まぎれもなく難易度の高いエクササイズだ。 腹横筋(ディープコア)、腹直筋、腹斜筋、大腿四頭筋、股関節屈筋など、体の前面全体を鍛えられると、アルツィは言う。 膝を曲げたり、地面からさらに高く上げたりしてアレンジを加えよう。

    文:エイミー・マルトゥラナ・ウィンデル(ACE公認パーソナルトレーナー、PRONatal産前産後エクササイズスペシャリスト)

エキスパートが伝授する、器具を使わない全身エクササイズ13選

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公開日:2022年6月3日

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