無理なくペースを上げる方法

Coaching

ジムでのトレーニングだけで、理想のスピードは手に入らない。マインドセット、食事、リカバリー、睡眠習慣を改善し、もっともっと速くなろう。

最終更新日:December 2, 2020
もっと速くなるには?

スピードアップにはスリルがある。心臓がバクバクし、アドレナリンが湧き出る。それだけではない。動きのスピードを高めることによって、身体と精神に大きなメリットがもたらされる。ジムでも、毎週のランニングでも、バスケットボールのピックアップゲームでも、フットボールの試合でも原則は変わらない。

どんな運動でも、ペースを上げれば負荷が増える。負荷が増えるほど、肺と筋肉はもっと激しく活動しなければならない。これは心臓血管系と筋肉のフィットネスに確実な高価をもたらす。しかしメンタル面での効果はさらに大きいという。フィラデルフィアのブレイクスルー・パフォーマンス・コンサルティングで、認定メンタル・パフォーマンス・コンサルタントを務めるアンジー・ファイファー博士は次のように述べている。「どんな運動でも、常に同じペースで繰り返していると飽きてしまい、やめてしまう可能性が高くなります。でも頑張ってペースを上げてやり遂げれば、自分の潜在力に気付いて何度もチャレンジしたくなるものです」

「どんな運動でも、常に同じペースで繰り返していると飽きてしまい、やめてしまう可能性が高くなります」

アンジー・ファイファー博士
ブレイクスルー・パフォーマンス・コンサルティング(フィラデルフィア)認定メンタル・パフォーマンス・コンサルタント

動きのスピードを上げたいと感じるなら、トレーニングで鍛えることができる。しかしジムワーク以外にも、進歩を促すためにできることはたくさんある。まず手始めに、エキスパートのアドバイスを聞いてみよう。

心のターゲットを定める

長距離のサイクリング、ランニング、スイミングに取り組んでいるときは、視線が周囲に移りやすい。しかし、A地点からB地点へ移動するワークアウトなら、ゴールへの意識を集中することで速く到達できるようになる。学術誌『動機と感情(Motivation and Emotion)』掲載の研究によると、ゴールに集中している人は周囲を見回す人より動きが23%速かった。またゴールに集中すると運動の激しさを認識する自覚的運動強度(RPE)が低下し、全力を出しても疲れを感じにくくなる。

ファイファー博士によると、意識するのは最終のゴールラインでなくても構わない。道路標識や木を目指して走ることを繰り返してもいいのだ。これはHIIT(高負荷インターバルトレーニング)にも応用できる。例えばマウンテンクライマーの動きを続けながら、前方に見える床の木目をゴールに見立てるのだ。どちらも視覚的にターゲットを定めることで、放心することなく動きに集中できるようになる。このマインドセットがあれば、ずっとアクセルを踏み続けることもできるのだ。

もっと速くなるには?

戦略的に栄養補給をする

残念ながら、スピードを高める魔法の食品は存在しない。それでもランニング、ワークアウト、試合の1時間前以内に、タンパク質と炭水化物(固ゆで卵と果物など)を組み合わせて摂取すると非常に効果的だ。「タンパク質によって血糖値が安定し、思いがけない筋肉の損傷が防げます。炭水化物はすぐにエネルギー源となるため、空腹状態や前日に蓄積したグルコースでランニングするより効率的です」と語るのは登録栄養士のライアン・マシエル氏。プレシジョン・ニュートリーションでヘッド・パフォーマンス・ニュートリション・コーチを務める専門家だ。この2つの栄養素を組み合わせれば、スピードを高めて維持するエネルギーが得られる。

飲料も重要である。効果的なのはコーヒーやお茶だ。「カフェインには脳を刺激する効果があり、意識を集中して速く走れるようになります。一部の研究では、カフェインでRPEが低下することもわかってきました」とマシエル氏は言う。学術誌『スポーツにおける科学と医療ジャーナル』に掲載された研究結果によると、熟練の市民ランナーがカフェインを摂取することで、5キロを走る所要時間が1%縮まったという。1秒が勝敗を分けるスポーツの世界において、これは決して小さな差異ではない。運動前に体重454グラムあたり1.5ミリグラムのカフェイン(体重68キロならカフェイン225ミリグラム、コーヒー約2杯分)を摂取するのがマシエル氏のお勧めだ。

日頃からカフェインを摂取していない人は、ビートジュースを試してみよう。ビートジュースを飲んだランナーは、5キロレースのタイムが1.5%縮まったという研究結果がある。別の小規模な研究によると、レース前に7日連続でビートジュースを飲めばスプリントのタイムが縮められる。マシエル氏の説明によると、ビートジュースには硝酸塩が豊富に含まれているという。硝酸塩には血流量を増やして肺の機能を高め、筋肉の収縮を強くする効果がある。すべてスピードを左右する重要な要素だ。

リカバリーを促進する

もっと楽をしながらパフォーマンスを高める方法もある。ウエスタンコロラド大学が発表した新たな研究結果によると、週3回、中程度の負荷のワークアウトの後、39度くらいのぬるま湯に30分間浸かることでVO2maxが高まる。運動中に酸素を運搬して消費する機能が高まるため、激しく動いても疲れにくくなるという。

これは酸素を運ぶ赤血球の量が、熱の刺激によって増えることから起こる現象である。総説明するのは、オレゴン大学生理学教授のクリス・ミンソン博士だ。また熱を加えることで、体内の熱ショックタンパク質も活性化する。最終的に酸素が筋肉に行き渡りやすくなって、パフォーマンスが引き上げられるのだ。

計画的に睡眠をとる

最後に、決して軽んじてはならないのが睡眠だ。『The Sleep Solution』を著した睡眠の専門家、W・クリス・ウィンター医師に聞いてみよう。夜に良質な休息をとらなければ、ジムで注ぎ込んだ努力がすべて台無しになってしまう。質の悪い睡眠や睡眠不足は、特に筋肉の形成を促すタイプの代謝に深刻な悪影響を及ぼすからだ。

一般的に推奨されている睡眠時間は7-9時間だが、アスリートにはそれ以上の睡眠が必要な場合もある。学術誌『Sleep』に掲載された小規模な研究によると、バスケットボール選手たちが一晩10時間以上の睡眠を5-7週間とり続けたところ、スプリントが速くなったという。ならばこれから2-3週間ほど毎日早く就寝して、本当にタイムが縮まるのか確かめてみる価値はあるだろう。なかなか早く寝られない人にウィンター氏が勧めているのは、起床用のアラームと同様に就寝用のアラームもセットすることだ。

ヒントを併用すれば効果倍増

以上の項目から1つ選び、定期的に実践してみるだけでスピードアップが期待できる。集中的なトレーニングに取り組みながら全項目を網羅すれば、飛ぶようなスピードを手にできるかもしれない。

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