古いスニーカーをオレンジ、クルミ、小麦粉で復活させる?

Innovation

これは本当の話。Nikeのフットウェアデザイナーが、天然成分を使った簡単な3つの方法を伝授する。自宅で気軽に挑戦して、スニーカーの寿命を延ばそう。

最終更新日:2022年4月4日
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天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

「エキスパートに学ぶ」は、熟練のイノベーターが伝授する、とっておきのテクニックを学ぶシリーズ。

「私はベジタリアンとしては超優秀、ビーガン(完全菜食主義者)としてはまあまあ優秀、ってところ」。フットウェアデザインの専門家、エイジャ・ザレパーバーは冗談めかしながら、植物を使用したスニーカーの染色について紹介。

ランチの材料にしても、シューズのお手入れ方法にしても、私たちは皆、自分たちのやり方でサステナビリティに取り組んでいる。しかし、一人一人の行動が本当に社会の変革につながるのだろうか?

エイジャの答えはイエス。「何が『クール』であるかを決めるのは文化です。シューズのリメイクが推奨され、カスタマイズして大切に使う習慣が浸透すれば、サステナビリティはまぎれもなく『クール』な活動の主流になります」と彼女は語る。

天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

ホストのエイジャ・ザレパーバー(右)と、ゲストのインダ・ナー。

お湯とビーツを入れた大きな鍋の中にシューズを浸すことが気候変動対策につながると、直感的に分かる人はほとんどいないだろう。しかし、エイジャにとっては日々の仕事だ。

「私の役割は、Nike各部門のデザイナーを刺激して、新しいプロセスやアプローチに対する探求、想像、発見を促し、情熱をかきたてること」。Nike本社の構内にある創作スペース、ブルーリボンスタジオでの仕事について彼女はこう話す。「間違うこともあるけれど、それによって幸運なハプニングが起きて問題を解決できるんです」。

ここからは、自由な発想(と若干の力仕事)でスニーカーに関する具体的な問題を解決していく。下にスクロールすると、サステナビリティを重視したシューズのクリーニング、染色、接着方法が紹介されている。エイジャと、同僚のフットウェアデザイナー、インダ・ナーは実際に自宅でやっているそうだ。それでは見てみよう!

注:一部の手順で熱い液体を扱うため、大人による指導の下で、安全ゴーグルと手袋を着用して行うこと。

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      1. 自宅にあるものを使って、スニーカーをフレッシュな状態に保つ方法

      スニーカーの外観については、できるだけ新品のようなフレッシュな雰囲気を残したいか、履き込むほど魅力が増すと考えるか、好みが分かれるところだ。いずれにせよ確実なのは「丁寧にお手入れすれば、長く使える」ことだとデザイナーのインダは語る。彼女は、元気に遊び回るキッズのための耐久性に優れたスニーカー開発を専門としている。あまりに多くの意見やテクニックが流布していて途方に暮れているなら、基本から始めるのがおすすめ。自宅で、キッチンや浴室にある道具を使ってやってみよう。上の動画で詳しく説明している。

      豆知識:Nike Airバブルは、
      多くのプラスチック同様、時間が
      経つと酸化して曇りが生じる。しかし、
      新品のようにきれいに戻せるので
      安心してほしい。コツを確認しよう!

      参考情報:毎日違うスニーカーを履くのは、コーディネートのためだけではない。シューズを長くフレッシュな状態に保つのにも役立つのだ。Nikeの品質担当エンジニアによれば、1日履いたシューズのフォームミッドソールは通常、元に戻るのに24-48時間ほど必要になるという。できるだけ2足以上を交替で履いてシューズの回復を心掛けよう。

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          2. シューズを天然成分で染色してよみがえらせる方法

          汚れて色あせたシューズが、靴箱の奥で眠っていないだろうか。単に飽きてしまったシューズもあるだろうが、寄付やリサイクルに出す前に、カラフルなスタイルで復活させてみよう。上の動画のような、天然染料を使うならもっといい。「どんな方法でも、染色すればシューズは一新されます。でもターメリックやコーヒー、食品廃棄物で染めると、アーティスティックな自然の循環が生まれるんです」とエイジャは語る。

          豆知識:ビーツはレッド、コーヒーは
          ブラウン。ではアボカドの種では何色に
          染まるだろうか?意外な答えを
          上の動画でチェック。

          参考情報:シューズの素材を確認しよう。上の動画で挑戦しているような天然成分による染色は、天然素材(コットン、キャンバス、スエード、ウールなど)に対してのみ有効だ。合成素材(プラスチック、ゴム、ポリエステルなど)もシューズのパーツによく使われるが、天然染料では染まらない。こうしたパーツには、もっと強力な染料を入手しよう。

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              3. シューズ用の接着剤を自分で作って修理する方法

              「手に入れるまでのストーリーや履いたときの気持ちを思い出します」たくさんのお気に入りシューズについてエイジャはこう話す(その中のセンチメンタルな1足については上の動画でチェック)。「今でも、すべてのシューズに何とも表現しがたい魅力を感じるんです!」大切にとっておいたシューズの部品が取れかけているなら、ためらわずに接着剤を使ってほしい。上の動画を視聴して、修理可能な箇所、ベストな接着方法、それから自宅で接着剤を作る方法まで、しっかり確認しよう。

              豆知識:動画で作っている
              ような小麦粉の接着剤は、大昔
              (数千年前)から製本や貼り絵の
              装飾などさまざまな用途で
              使われてきた。

              参考情報:最新式の接着剤を使いたい?もちろん大丈夫。Nikeの化学者たちは常に改良に取り組んでいる。しかし、工業用の接着剤も何十年も過ぎれば劣化する。湿度や温度が高すぎるとその進行も早まるので気をつけよう。そして、シューズが本当に駄目になったら、Nikeの加盟店でいつでもリサイクル可能だ。

              スニーカーエキスパートの紹介:エイジャとインダ

              今回の「HANDS ON エキスパートに学ぶ」でコツを伝授してくれた2人のプロフィールをチェックしよう。

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              エイジャ
              フットウェア・デザイン・スペシャリスト
              Nike ブルーリボンスタジオ

              ブルーリボンスタジオ(BRS)とは?
              「BRSはNikeデザインの文化、創造性、コミュニティを結びつける中核拠点です。Nikeデザインのクリエイティビティの発信地とも言えます。デザイナーが立ち寄って自由に遊べる場所です」

              どんな仕事をしている?
              「BRSのフットウェアデザインの専門家として、他のデザイナーをサポートしています。さまざまなスタイル、素材、形状について、どんどん創造性を発揮してもらいたいですね。自分自身については、シリアルボウルの中のミルクのような存在だと思っています。もちろん植物性のオーツミルクです」

              経歴を教えて。
              「大学と大学院で建築学を学び、3年ほど前に3DフットウェアデザイナーとしてNikeに入社しました」

              自分のどんな特性を仕事や生活に生かしている?
              「探求が大好きで、後先考えずに飛び込んでいきますね。好奇心旺盛で新しいことを学ぶのが大好き。何事も真面目になりすぎないようにしています」

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              スニーカーを好きになったのはいつ?
              「中学1年生のとき、バスケットボールで2006年製エア ジョーダン 4 レトロ ‘Mars’ を履きました。最初の一足を手に入れてから何かが変わり、過去を振り返らなくなりました」

              最近お気に入りのシューズは?
              エア ジョーダン 1 ‘Not For Resale’:「つま先の『please crease(しわをつけて)』のメッセージが最高。シューズカルチャーの問題を的確に表現しています」

              ISPA フロー:「トランスルーセントのアッパーが素晴らしい。全く違う履き心地で、歩き回るのが楽しいんです」

              ブレーザー ジャンボ:「考え抜かれたデザインですね。これこそが定番のアップデートのお手本だと思います」

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              インダ
              マテリアルデザイナー
              Nike キッズフットウェア

              どんな仕事をしている?
              「私の役割は、お客様のニーズを徹底的に理解して、求められる優れた製品を作ること。素材の観点から創造性を発揮して、サステナビリティや循環性に取り組みながら問題を解決しています」

              スニーカーを好きになったのはいつ?
              「私とスニーカーのつながりは家族との楽しい時間から生まれました。2005年にインドネシアからロサンゼルスに引っ越してきたとき、私は英語を話せず、いとこたちはインドネシア語を話せなかった。それでもスニーカーを通じて仲良くなれたんです。何度かキャンプに連れていってもらって、私は列に並ぶ間に新しい友達を作りました。コミュニティのおかげで自分は歓迎されていると感じられるのです」

              自分のどんな特性を仕事や生活に生かしている?
              「私はやぎ座生まれの、のんびりした性格で外向的。新しい食べ物を試したり、ビンテージショップやリサイクルショップなどを開拓したりするのが好き。いつも動き回っているから快適なシューズが絶対条件」

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              最近お気に入りのシューズは?
              エア ジョーダン 4 x Off-White:「ウィメンズバージョンが発売されて本当にうれしい。履き込むほど良くなるシューズです。チームメイトといつも、長く履くほど魅力が増す素材を見つけたいと話しています」

              エア ジョーダン 1 MID フィアレス ‘Melody Ehsani’:「友人がプレゼントしてくれました。MIDについては厳しい意見もありますが、私にとっては非常に心地よくお気に入りのシューズになりました。女性による、メッセージ性が強いデザインで、カラーも個性的です」

              エア ジョーダン 3 ‘A Ma Maniére’:「このウィメンズシューズも入手困難でしたが何とか手に入りました。上質な素材、キルト加工で抜群に快適なライナー、スエード、シューレース先端の『work harder(もっと頑張ろう)』プリントが気に入っています」

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              エイジャ
              フットウェア・デザイン・スペシャリスト
              Nike ブルーリボンスタジオ

              ブルーリボンスタジオ(BRS)とは?
              「BRSはNikeデザインの文化、創造性、コミュニティを結びつける中核拠点です。Nikeデザインのクリエイティビティの発信地とも言えます。デザイナーが立ち寄って自由に遊べる場所です」

              どんな仕事をしている?
              「BRSのフットウェアデザインの専門家として、他のデザイナーをサポートしています。さまざまなスタイル、素材、形状について、どんどん創造性を発揮してもらいたいですね。自分自身については、シリアルボウルの中のミルクのような存在だと思っています。もちろん植物性のオーツミルクです」

              経歴を教えて。
              「大学と大学院で建築学を学び、3年ほど前に3DフットウェアデザイナーとしてNikeに入社しました」

              自分のどんな特性を仕事や生活に生かしている?
              「探求が大好きで、後先考えずに飛び込んでいきますね。好奇心旺盛で新しいことを学ぶのが大好き。何事も真面目になりすぎないようにしています」

              インダ
              マテリアルデザイナー
              Nike キッズフットウェア

              どんな仕事をしている?
              「私の役割は、お客様のニーズを徹底的に理解して、求められる優れた製品を作ること。素材の観点から創造性を発揮して、サステナビリティや循環性に取り組みながら問題を解決しています」

              スニーカーを好きになったのはいつ?
              「私とスニーカーのつながりは家族との楽しい時間から生まれました。2005年にインドネシアからロサンゼルスに引っ越してきたとき、私は英語を話せず、いとこたちはインドネシア語を話せなかった。それでもスニーカーを通じて仲良くなれたんです。何度かキャンプに連れていってもらって、私は列に並ぶ間に新しい友達を作りました。コミュニティのおかげで自分は歓迎されていると感じられるのです」

              自分のどんな特性を仕事や生活に生かしている?
              「私はやぎ座生まれの、のんびりした性格で外向的。新しい食べ物を試したり、ビンテージショップやリサイクルショップなどを開拓したりするのが好き。いつも動き回っているから快適なシューズが絶対条件」

              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう
              天然成分で古いスニーカーを蘇らせよう

              スニーカーを好きになったのはいつ?
              「中学1年生のとき、バスケットボールで2006年製エア ジョーダン 4 レトロ ‘Mars’ を履きました。最初の一足を手に入れてから何かが変わり、過去を振り返らなくなりました」

              最近お気に入りのシューズは?
              エア ジョーダン 1 ‘Not For Resale’:「つま先の『please crease(しわをつけて)』のメッセージが最高。シューズカルチャーの問題を的確に表現しています」

              ISPA フロー:「トランスルーセントのアッパーが素晴らしい。全く違う履き心地で、歩き回るのが楽しいんです」

              ブレーザー ジャンボ:「考え抜かれたデザインですね。これこそが定番のアップデートのお手本だと思います」

              最近お気に入りのシューズは?
              エア ジョーダン 4 x Off-White:「ウィメンズバージョンが発売されて本当にうれしい。履き込むほど良くなるシューズです。チームメイトといつも、長く履くほど魅力が増す素材を見つけたいと話しています」

              エア ジョーダン 1 MID フィアレス ‘Melody Ehsani’:「友人がプレゼントしてくれました。MIDについては厳しい意見もありますが、私にとっては非常に心地よくお気に入りのシューズになりました。女性による、メッセージ性が強いデザインで、カラーも個性的です」

              エア ジョーダン 3 ‘A Ma Maniére’:「このウィメンズシューズも入手困難でしたが何とか手に入りました。上質な素材、キルト加工で抜群に快適なライナー、スエード、シューレース先端の『work harder(もっと頑張ろう)』プリントが気に入っています」

              Move to Zeroについて:Nikeは、カーボンゼロと廃棄物ゼロを目指し、スポーツの未来を守るMove To Zeroに取り組んでいます。

              動画:アリエル・フィッシャー
              文:ゲイル・ドーウィン

              公開日:2022年3月31日