自分に合ったニュートラルなランニングシューズの選び方

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自分に合ったランニングシューズを選ぶといっても、難しく考える必要はない。 ここでは、ニュートラルタイプのランニングシューズの特徴と、どんな人に適しているかを説明する。

最終更新日:2022年7月26日
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自分に合ったニュートラルなランニングシューズの選び方

そもそもランニングは、シューズを履くだけで開始できるスポーツ。大がかりな装備や高価なギアは必要ない。

多くのランナーはシューズを選ぶ際に快適さを最優先に考え、初心者は特にその傾向が強い。 当然のことと言えるだろう。履き心地が悪ければ、せっかくのランニングの楽しみも台無しになってしまうからだ。 これは調査結果にも現れている。 『PLoS One』で2020年に発表された研究によれば、初心者ランナーは、パフォーマンスの向上やけがの予防につながる要素よりも、シューズの総合的な快適さを重視するとのこと。 フィット感を基準にシューズを選ぶというのは良い出発点だ。 購入する前に、近隣のランニングショップでエキスパートに相談し、アドバイスをもらおう。

私たちはつい、クッション性といった用語を快適性と結びつけて考えがちだが、クッショニングだけを基準にシューズを選ぼうとしても、必ずしも最適なシューズが見つかるとは限らない。 自分にぴったりの一足を見つけるために着目するべき機能は、実はたくさんある。 初心者が最適な一足を見つけるためには、まずサポート性、感触、柔軟性が異なるさまざまなタイプのシューズをチェックしてみることをおすすめする。

ニュートラルなランニングシューズは、ほとんどのランナーに適している。その理由と購入時にチェックするべきポイントについて考えてみよう。

ニュートラルなランニングシューズとは?

ランニングシューズ関連の用語は、多少難しく感じるかもしれないが、この分野のエキスパートたちに言わせれば、ニュートラルタイプのランニングシューズの定義はいたってシンプルでわかりやすい。

American Academy of Podiatric Sports Medicine(AAPSM)の説明によると、ニュートラルタイプのランニングシューズにはメディアルポスト(ミッドソールに配置される硬いパーツ)がないため、スタビリティタイプやモーションコントロールタイプのシューズよりも土踏まずのサポート性が低い。 ニュートラルなシューズは、かかとからつま先まで土踏まずに沿ってカーブしており、着地時に足首がわずかに内側に傾くニュートラルプロネーションの足をサポートする。

ニューヨーク州サファーンを拠点とするSuffern Podiatryの創設者で、DPM(足病医)の資格を持つハワード・E・フリードマンは、ニュートラルなランニングシューズはほとんどのランナーにとって標準的な選択肢だと語る。 つまり、筋肉や骨格に特にサポートを必要とするような問題がない限りは、ニュートラルタイプがおすすめということだ。 一般的に、ランニングシューズは、スタビリティタイプとニュートラルタイプの2つのタイプに分かれる。 判断できない場合は、まずニュートラルシューズを選ぶといいだろう。

フリードマンはこう話す。「スタビリティタイプのシューズは、土踏まずのサポート性を高めたデザインです。 シューズの土踏まずの部分にパーツを加え、かかと部分の厚みを増すことで、土踏まずをしっかりサポートします。 ニュートラルなシューズは土踏まずのサポート性がそれほど高くなく、かかと部分の厚さが均一で、一部に厚みを加えていません。 だから、一般的にニュートラルなシューズはスタビリティタイプより軽量です」

スタビリティタイプのシューズが適しているのは、足首が過剰に倒れるオーバープロネーションや扁平足の場合だ。 モーションコントロールシューズはスタビリティタイプより重さがあり、深刻なオーバープロネーションに悩むランナーに最適で、足が過剰に傾くのを抑えてくれる。

「スタビリティタイプやモーションコントロールタイプのシューズは、着地時に足首が内側に[過剰に]傾くオーバープロネーションを抑えるよう作られています」と説明するのは、セス・コフだ。Kopf Runningのオーナーで、Road Runner's Club of Americaと全米陸上競技連盟の認定を受けたランニングコーチでもある。

着地や足運びの改善を目指しているランナーは、シューズの機能をあれこれ試すうちに行き詰まりやすいという。 USATF認定ランニングコーチで、Lift | Run | Performの創設者であるメアリー・ジョンソンは、完璧なランニングフォームを追求するのは無益だと指摘する。 むしろシューズの性能に頼るのではなく、足と体の動きを妨げないシューズを選ぶよう、ランナーにアドバイスしている。

目立った問題やアンバランスに悩まされているのでなければ、ニュートラルなシューズを選ぶことで、ジョンソンの言う「外因的な誘導」の影響がランに及ぶのを防げる。 2018年に発表された研究では、スタビリティタイプやモーションコントロールタイプといった高性能シューズが原因となって、着地衝撃を緩和するシューズにランナーが頼り過ぎる可能性があることが明らかになった。 この研究論文は、ニュートラルなシューズではなく高性能シューズを選んだ初心者ランナーは、実際により強い衝撃を受けていたことから、長期的にはけがのリスクが高まる可能性があると、結論付けている。

ニュートラルなランニングシューズはどんなランナーに適しているか?

初心者ランナーや特に問題を抱えていないベテランランナーには、ニュートラルなシューズが適している。 ただし、土踏まずの痛みや、かかとの痛みを伴う足底筋膜炎の既往歴がある場合は、スタビリティタイプのサポートが必要かもしれないとフリードマンは言う。

「一般的には、足には安定性とサポート性が高いシューズが必要だと思われているようです。 一部のランナーにとっては確かにそうですが、例外もあり、決して通例とは言えないのです。 多少扁平足である人も含め、ほとんどのランナーは土踏まずのサポート性を強化する必要はないでしょう。 むしろ、ニュートラルなシューズを履くことで、安定性に優れたシューズを履くよりも、足の筋肉組織を強化できる可能性があります」

実際、別の研究では、クッション性が優れているシューズだからといって、着地時の衝撃によるランニングのけがを予防できるわけではないことが明らかになっている。 また、硬めのシューズはけがのリスクの上昇に関連性があることも指摘されている。

「ランニング専門の店で3年間働いた経験から、多くの人々が間違ったタイプのシューズを履いていると証言できます。 自分に必要なのはニュートラルタイプかスタビリティタイプかを判断できれば、目標を達成したも同然です」とコフは話す。

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ニュートラルなランニングシューズ選びのポイントとなる機能とは?

ニュートラルなランニングシューズを購入する際に着目すべきポイントはいくつかある。 たとえば、かかと部分とつま先部分の高低差を表すドロップが重要だと、ジョンソンは説明する。ゼロドロップのシューズは、底が完全にフラットか、かかと部分とつま先部分の高さの差がない。

ランニングストアに足を運ぶ前に、最善の選択ができるよう、多少の知識を得ておこう。 今使用しているランニングシューズのドロップを調べ、候補になるシューズと比較しておけば、 調整期間を設ける必要があるかどうか判断できる。 これは異なるブランドのシューズを購入する場合に特に気をつけるべき点ともいえる。ジョンソン曰く、ニュートラルなシューズといっても各ブランドで異なるからだ。さらに、柔軟性も重要なポイントだと補足する。

高いクッション性を発揮するニュートラルなシューズが必要かどうかも含め、さまざまな機能を検討するなかで、優先すべき最も大切な要素は快適さだ。

フリードマンはこう話す。「つま先部分は、足指を広げられる程度のゆとりが必要です。 これを確認する方法があります。可能であればシューズの中敷きを外し、その上に足を乗せて確認してみましょう。 中敷きの内側に足全体がフィットするのが望ましい状態です」

シューズを店頭で購入しない場合は、オンラインで何足か注文し、試しに履いて走ってみるという方法もある。 ジョンソンの言うように「考え過ぎないで。履き心地が快適であれば、それを買いましょう」というのが結論だ。

おすすめのニュートラルランニングシューズ

ニュートラルなシューズは、ほとんどのランナーに適しているため、豊富に出回っている。 ランニングを始めるための一足を探している人向けに、Nikeではニュートラルタイプで軽いシューズを用意している。軽量性を損なわずに安定性を高めたモデルもある。

  1. 1.ナイキ エア ズーム ペガサス

    自分に合ったニュートラルなランニングシューズの選び方

    Nikeの主力商品であり、ランニングシューズとして代表的な存在。ナイキ ペガサスの最新モデルはつま先部分が広い(フリードマンの説明にあったように、足指を広げるゆとりがある)。 抜群に軽量でありながら、クッショニング機能を備えたニュートラルシューズだ。

  2. 2.ナイキ エア ズーム ボメロ

    自分に合ったニュートラルなランニングシューズの選び方

    軽量性に優れたもう一つのシューズ。アッパーが伸縮するデザインで、足に快適にフィットする。 スタビリティタイプからニュートラルタイプのランニングシューズに変えてみようと考えている場合は、このナイキ エア ズーム ボメロがおすすめ。ヒールに配したクリップが、硬くないのに足をサポートする。

  3. 3.ナイキ ズームX インヴィンシブル ラン フライニット

    自分に合ったニュートラルなランニングシューズの選び方

    ニュートラルシューズのもう一つのおすすめは、スタビリティシューズに似た機能を発揮するナイキ ズームX インヴィンシブル ラン フライニット。ソールに軽量のフォームを搭載している。 軽さはそのままにクッショニング機能を備えており、長距離ランに適している。 Nike Flyknitテクノロジーにより、足の形状に合わせてグローブのようにフィットし、通気性にも優れ、足をしっかり固定する。

    文:アシュリー・ローレッタ

公開日:2022年4月6日

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