卵は本当に健康的か

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卵のメリットと注意すべき点、そしてアスリートの食事への賢い取り入れ方とは?最新の情報を調べてみた。

最終更新日:December 21, 2020
卵は体に良い?

卵にはどこかワインのようなところがある。目玉焼きか固茹で卵か、赤ワインか白ワインかといったように、誰にでも自分の好みがあるだろう。そして、これらが健康に良いかどうかについてはそれぞれ持論があるようだ。研究者は長年この点について議論してきたし、両方の意見を裏付ける研究もある。本当のところはどうなのだろう?最新の研究をひもといてみよう。

専門家が同意するメリット

今では、卵と言えばタンパク質とほとんど同義語だ。平均的なLサイズの卵1個には、筋肉を増強する主要栄養素が6グラム含まれていて、エネルギーは約70カロリーしかない。卵は、カロリーに対するタンパク質量の比率が(動物性食品の中で)最も優秀な部類の食品だと言うのは、登録栄養士でPrecision Nutritionのパフォーマンスニュートリションヘッドコーチを務めるライアン・マシエル氏だ。

アメリカ農務省によれば、このタンパク質は約60%が白身に、そして残りの40%が黄身に含まれている。「白身には、筋肉の修復や成長を促進する分子鎖アミノ酸であるロイシンも含まれています」とマシエル氏は言う。

筋力トレーニングのワークアウト直後に全卵を3個食べた人は、白身だけのタンパク質に相当する食事を食べた人よりも、筋肉を増強する反応が40%大きかった。

『The American Journal of Clinical Nutrition(アメリカ臨床栄養学会誌)』

卵は体に良い?

一方、黄身には脂肪とコレステロールも含まれている。そのため、多くの人が比喩的な意味でも実際にも、黄身を捨てているとマシエル氏は言う。しかし、黄身には、ほとんどのビタミンやミネラルが含まれていて、心臓や脳の健康にとって重要であるのに不足しがちな必須栄養素であるコリンも含まれている。また、アメリカ国立衛生研究所によれば、黄身はビタミンDが含まれた数少ない食材でもある。

さらに、全卵を食べることで、ジムでのトレーニングの効率が上がりやすくなる。『The American Journal of Clinical Nutrition』に発表された研究によると、筋力トレーニングのワークアウト直後に全卵を3個食べた人は、白身だけのタンパク質に相当する食事を食べた人よりも、筋肉を増強する反応が40%大きくなることがわかっている。またこの研究では、黄身に含まれる他の栄養素は、身体がロイシンなどのアミノ酸を使うのを助ける可能性があるという結果も出ている。

考えさせられる点

ここで、コレステロールの問題に話を戻そう。アメリカ国立心肺血液研究所の研究によれば、Lサイズの卵1個には約180ミリグラムのロウ様物質が含まれていて、体内に蓄積されると動脈を詰まらせ、心血管系の問題を引き起こす可能性があるとのこと。しかし、人間の血流中のコレステロールは、ほとんどが自分自身の体内で作られていて、コレステロールを摂取すると、バランスを取るために体内で作るコレステロール量が減少することがわかっている。事実、40万人を対象とした2018年の追跡調査では、1日に平均して1個の卵を食べた人は、脳卒中や心臓発作で死亡するリスクが低いことがわかった。これはおそらく、抗酸化物質などの心臓に良い栄養素が卵に含まれているからだと思われる(卵は薬だと言っているわけではないので、飛びつかないように)。

そうは言っても、心臓に良いという利点にも限界がある。2019年、ノースウェスタン大学で行われた大規模な調査では、コレステロールや卵の消費量が多い人ほど、心血管疾患のリスクが高いことがわかった。1日に300ミリグラムのコレステロール(卵2個分より少ない量)を食べ物から摂取している場合は、心血管疾患のリスクが17%高くなるという関連が見られたのだ。コレステロールの代謝が早いせいで、コレステロールの血中濃度に影響を受けない人もいるが、人によって異なると研究者は言う。

卵ががんの原因になる可能性があるという噂を聞いたとしても、今のところあまり気にすることはない。卵の本当のマイナス面は、心血管に影響を及ぼす可能性だと言うのは、ハーバード大学公衆衛生学部の疫学および栄養学の教授であるメイア・スタンファー医学博士だ。「卵ががんの危険因子であると提唱する人もいますが、その証拠には説得力がありません」と述べている。

卵と健康的に付き合う方法

これらすべてを考慮して、専門家は1週間に食べる卵を6個以内にすることを提唱している。スタンファー博士によると、ほとんどの人にとって「1日1個の卵は問題ない」とのこと(マシエル氏は、コレステロールが含まれた他の食材を多く食べず、家族に心血管系の病歴がない場合は、1日に2個でも多分大丈夫だと言う)。しかし2人とも、もしも心配な点がある場合は、摂取量を制限するべきかどうかを医師に相談することをすすめている。

自分にとって適切な量を把握するために、卵の代わりに何を食べるだろうかと考えてみよう、とスタンファー博士。これは個人の食べ物のチョイスによって異なるだろう(博士自身は、週に数個の卵を食べるとのこと)。たとえば、1週間に食べる卵の数を減らす代わりに、タンパク源として加工肉の量を増やすのであれば、卵を食べる方が良い。しかし、週に数回、ホールフードやできるだけ加工されていない食材(オートミールなど)に替えるのであれば問題ない。いずれにしても、卵を食べるときに、ベーコンやソーセージなど飽和脂肪やトランス脂肪の多い食材と組み合わせないようにすること、とマシエル氏はアドバイスする。野菜入りのスクランブルエッグにして、全粒粉のトーストと一緒に食べよう。

それからマシエル氏は、卵でトレーニングを補完する場合は(賢い方法だ)、ワークアウトの前または後、およそ1時間以内に食べることをすすめている。フルーツなどの炭水化物と組み合わせると、卵に含まれる脂肪が消化を遅らせ、血糖値を安定させるので、ワークアウト中に倒れる心配もなくなる。セッションが終わったら、タンパク質、脂肪、微量栄養素が含まれた食べ物や飲み物を取ることで、回復を早めることができる。ただし、ロッキーの真似をして生卵を飲むのはやめておこう。

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