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ランナーのための筋力トレーニング

By Nike Running

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

ランニングに筋力トレーニングをプラスすれば、スピードと持久力が向上する。

ランニングだけに集中したい気持ちもわかる。だが、ルーチンに筋力トレーニングを追加れば、極めて大きな効果が得られる。筋力を強化するほど、長い距離でも疲れずに走れるようになる。つまりスピードを上げて距離も伸ばし、ランニングがもっと楽しくなるというわけだ。ここで紹介する全身ワークアウトは、ランナーに必要なすべてを網羅してくれる。

スクワットやダンベルに取り組むくらいなら、同じ時間をずっと走っていたい。そんなランナーはきっと多いはず。誰だって、好きなスポーツに時間を割きたいのは当然だ。うまく走れるようになるには、とにかく走り込む必要もある。

それでも、筋力トレーニングは、本当にランニングを改善してくれる。より速く、より長く、より良いフォームで走る助けとなるのだ。

「片足で着地するたびに、体全体のバランスをとる必要があります。姿勢を起こした状態を保ち、体がねじれたり曲がったりしないように踏ん張らなければいけませんから」

ジャネット・ハミルトン(Running Strongコーチ)

理由は極めてシンプルだ。「筋力を強化するほど、長い距離でも疲れずに走れるようになります」と語るのは、筋力コンディショニングコーチのジャネット・ハミルトン氏。アトランタに本拠を置くRunning Strong社のオーナーでもある。さらに、全身の筋力を強化することで、ランニングが必要とするバランスの保持にも役立つ。「片足で着地するたびに、体全体のバランスをとる必要があります。姿勢を起こした状態を保ち、体がねじれたり曲がったりしないように踏ん張らなければいけませんから」とハミルトン氏は言う。レジスタンストレーニングは、このような安定性を鍛えるのに役立つ。

ランニングと筋力トレーニングを生理学的に掘り下げてみると、深い関係がよくわかる。ざっと生理学の復習をしてみよう。低強度で持久力を基本とするアクティビティ(ランニングなど)は、タイプIの筋繊維(遅筋)を発達させる。この筋繊維は最小限の疲労で継続的に働けるので、一定のスピードで長い時間を走れるようになる。

そしてタイプIIの筋繊維(速筋)は素速く爆発的に働き、スピードを争う競走などで使われる。「速筋繊維は、ダッシュや坂道トレーニングなどで発達します。そして長距離ランでは、疲れ始めた後も頑張って走り続けることで発達します」とハミルトン氏は指摘する。

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

筋力トレーニングの利点は、両タイプの筋繊維を同時に鍛えられることである。

筋力トレーニングといえば、ジムでひたすら筋肥大を目指す人々が思い浮かぶかもしれない。だが、筋肉を鍛えることでスピードをアップし、ランニングフォームを改良できるのは事実だ。専門誌「Journal of Strength and Conditioning Research」に掲載された研究によると、筋力トレーニングを週に2〜3回取り入れ、それを8〜12週間続けたランナーには明らかな変化が見られた。ランニングエコノミー、つまりランニングの効率が大幅に改善されたのである。また同じく専門誌「British Journal of Sports Medicine」で発表された研究によれば、筋力トレーニング後に、持久力のパフォーマンスやVO2 max(最大酸素摂取量)が改善されることも明らかになっている。

「筋力トレーニングは、ランニング中のけがを防止するための保険」

クリス・ベネット(Nike Runningグローバルヘッドコーチ)

またクリス・ベネット(Nike Runningグローバルヘッドコーチ)は、脚が強く丈夫であれば、より少ない労力でハードなランニングがこなせると述べている。つまりは、けがの防止にもつながるのだ。「筋力トレーニングは、ランニング中のけがを防止するための保険です」と断言するベネット。ハミルトン氏が、その理由を説明する。「なぜなら、筋力トレーニングは筋肉を強化するだけではなく、骨や腱や靭帯などといった結合組織も強化するからです」

ランニングはほぼ全身の主要な筋肉グループを使う運動なので、相応しい筋力トレーニング計画が必要になってくる。以下に紹介する8種類の動きは、まさにそんな目的に適ったもの。走るときと同様、一度に片方だけの腕または脚を動かすワークアウトが主体である。複数の筋肉が動くメニューを組み合わせることで、コアの持久力を高め、腰や臀部や脚などの走力に直結する筋肉も鍛えてくれる。このメニューをすべて実践することで、より優れたランナーになって身体の回復力も高まるというわけだ。

ワークアウト

週に2回(連続は避ける)、このルーチンを試してみよう。1日に2〜3ラウンドのエクササイズをこなそう。鍛えたい筋肉が疲れるまで(良いフォームを保てなくなるまで)、5回でも20回でも繰り返すこと。自分の強みや、弱みに合わせて計画を立てれば、嫌気が差さずにチャレンジを続けられる。エクササイズの合間には30〜60秒の短い休憩を取り、ラウンドの合間には2〜3分ほど休む。こうすることで重いウェイトを使用するのに十分な回復が得られ、ワークアウトが有酸素運動になってしまうのを防げる。

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

01. ラテラルボックスプッシュアップ

鍛えられる部分:

肩、胸、腕、腹筋

トレーニング方法:
高さ15〜30cmのボックスを前に置いてひざまずく。腕を肩幅より少し広く開き、左手をボックスに、右手を床に置いて、プッシュアップのポーズをとる。腹筋を引き締めながら、上腕が床と平行になるまで胸を下ろしていく。腕を伸ばして元の姿勢に戻る。ボックスに乗せている手を床に、床に置いている手をボックスに置き、脚もそれに合わせて移動させる。背中は平らにしてプランクの姿勢を保ち、反対側でもプッシュアップする。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけて、ゆっくりと身体を上げ下げする。

負荷を軽くするには:
ボックスを使わず床の上で、または膝を床に付けてプッシュアップ。次にハイプランクの姿勢で手と足を横に2〜3歩移動し、プッシュアップして、また移動して最初の位置に戻る。

02. エレベーティッドスプリットスクワット

鍛えられる部分:
臀筋、大腿四頭筋、ハムストリング筋

トレーニング方法:
ボックスから約60cm離れ、後ろを向いて足を腰の幅に広げて立つ。片足を後ろに出し、爪先をボックスの上に乗せる。前膝が爪先と重なるようにしながら、後膝が床に触れそうになるまで、スクワットしていく。最初の姿勢に戻り、繰り返す。次に反対側でも繰り返す。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけてスクワットし、2〜3秒かけて起き上がる。胸の位置でウェイト(ダンベル、ケトルベル、メディシンボールなど)を持つか、肩を後ろにし、腹筋を使いながら、両手でウェイトを持って動いてもいい。

負荷を軽くするには:
低いボックスを利用するか、身体を動かす範囲を減らして、適切なフォームを維持できる範囲内で、スプリットスクワットをする。

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

03. バイシクルクランチ

鍛えられる部分:
腹部、斜筋、股関節屈筋

トレーニング方法:
仰向けに横わたり、手を耳に軽く当て、膝を胸に向かって上げ、肩は床から離す。左の肘を右の膝へ近づけ、同時に左脚をまっすぐに伸ばし、床から10cmほど浮かせるようにする。最初の姿勢に戻って、反対側で繰り返す。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけて、肘が膝に触れるまでクランチする。

負荷を軽くするには:
動作を繰り返さず、肩と脚を床に戻し、一旦休んでから続ける。

04. ハイプランク

鍛えられる部分:
肩、腕、腹筋、大腿四頭筋

トレーニング方法:
プッシュアップのポーズをとり、肩が手首の上にくるようにする。背中は平らにすること(腰が落ちたり、折れたりしないようにする)。腹筋、太もも、臀部を意識し、手の前から10cmほど先の床を見る。これを、良いフォームが保てる限り続ける。

負荷を高めるには:
片足を持ち上げてもう片足でバランスをとるか、片手でバランスをとってみる(足をさらに離してみると安定しやすくなる)。

負荷を軽くするには:
肘の上に肩がくるような姿勢で、前腕を下ろして動く。

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

05. シングルレップヒップブリッジ

鍛えられる部分:
ヒップ、臀筋、ハムストリング、ふくらはぎ

トレーニング方法:
仰向けになって膝を曲げ、足を床に平らに付け、腕は両脇に置く。右脚を伸ばし、かかとを床から約10cm浮かし、爪先は伸ばさないでおく。臀筋を絞るように腰をできるだけ高く上げる。その状態で一旦止まってから、ゆっくりと下ろす。もう一方の脚で繰り返す。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけて腰を上げ、2〜3秒かけて下げる。腰にダンベル、ケトルベル、またはプレートを置き、両手でしっかりと保持しながら繰り返す。

負荷を軽くするには:
片脚を持ち上げて、動ける強さと安定感が得られるまでは、両脚を床に置いて実行。

06. ラテラルステップアップ

鍛えられる部分:
ヒップ、臀筋、ハムストリング筋、大腿四頭筋

トレーニング方法:
ボックスの側面に平行に立って、腰に手を当てる。ボックスに近い方の足をボックスに乗せ、足で踏みしめながら上に立つ。ボックスから遠い足で、ゆっくりと床に降り、最初の姿勢に戻る。何度か繰り返したあと、反対側でも同じ動きを繰り返す。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけてボックスに上り、2〜3秒かけて降りる。胸の位置でダンベル、ケトルベル、メディシンボールなどを持ったまま動くか、肩を後ろにし、腹筋を使いながら、両手でウェイトを持って動いてもいい。

負荷を軽くするには:
より低いボックスを使用する。

07. ワンアームベントオーバーロー

鍛えられる部分:
僧帽筋、背中上部、広背筋、腕

トレーニング方法:
右手を使いニュートラルグリップでウェイトを持ち、膝を少し曲げ、背中が床と平行またはほぼ平行になるように前傾姿勢を取る。肩甲骨を絞りながら、ウェイトが右腰の高さにくるまで、右肘を上にあげる。腕を下げ、最初の姿勢に戻る。繰り返した後、左側でも同じ動きを繰り返す。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけてウェイトを上げ、2〜3秒かけて下ろす。また、動作を繰り返す間、反対の手にウェイトを動かさずに持っていても良い。

負荷を軽くするには:
軽いウェイトを使用するか、ウェイトなしで動く。肘を上げ下げするとき、広背筋を使うことを意識する。

ランナーのための筋力トレーニング
ランナーのための筋力トレーニング

08. ニーリングカールトゥプレス

鍛えられる部分:
肩、上腕二頭筋、腹筋

トレーニング方法:
膝立ちし、右手を使いニュートラルグリップでウェイトを持つ。腹筋を使い臀筋を引き締めながら、胸部にウェイトを引き寄せてから、頭上まで押し上げる。逆の動きをしながら、最初の姿勢に戻る。繰り返した後、左側でも同じ動きをする。

負荷を高めるには:
2〜3秒かけてウェイトを胸に引き寄せ、2〜3秒かけて頭上へ押し上げる。また動作を繰り返す間、反対の手にウェイトを動かさずに持っていてもいい。

負荷を軽くするには:
軽いウェイトを使用する。

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