ランナーにおすすめ。食生活のための8つの簡単なヒント

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食生活を徹底的に見直したり、細かいことに神経質になったりする必要はない。どんなタイプのランニングでも、この簡単なガイドラインに従ってモチベーションをアップさせよう。

最終更新日:2021年11月10日
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ランナーの健康な食事に役立つ8つのヒント

これまでの俗説は覆された。ランナーのパフォーマンスを上げる食生活があったとしても、完璧なものは存在しない。プロであれ初心者であれ、あるランナーに効果があっても、自分自身に合っているとは限らないからだ。

まったく役に立たず、途方にくれてしまうような事実だが、これは束縛から解放されるということでもある。もうスポーツのために厳しい食生活のルールに縛られることはないのだ。代わりに、ランニングの前、最中、後のヘルシーな食生活に関するエキスパートからのアドバイスを早速今日から試してはどうだろうか。

1. 考えすぎない

ランニングの栄養補給をあまり複雑に考えないようにしよう。より遠く、より速く走ることを目指す場合、高脂肪、低炭水化物の食事法や低脂肪、高炭水化物の食事法に従う必要はない。糖分を控える必要もない。簡単なルールを守るだけで、タンパク質、炭水化物、良質な脂肪のバランスが取れ、賢く栄養を補給できる。

「鶏肉や魚などのタンパク質を手のひら1つから2つ分、ベジタリアンなら豆や豆腐。できるだけ色々な色の野菜を握りこぶし1つか2つ分。フルーツや全粒穀物などの炭水化物を1つかみか2つかみ分。それから、アボカド、ナッツ、オリーブオイルなどの良質な脂肪分を親指1本から2本分」とアドバイスするのは、ライアン・マシエル氏(管理栄養士、Precision Nutritionパフォーマンスニュートリション部門ヘッドコーチ)。この組み合わせに従った食事をとれば、最高のパフォーマンスを発揮し、リカバリーに必要な栄養素を体に取り込むことができるとのこと。

可能な場合は、加工食品よりも栄養が豊富な自然食品を選択しましょう、とマシエル氏は言う。オレンジジュースよりもオレンジ、白パンや白米よりも全粒穀物ということだ。

2. 三大栄養素を摂取する

良質な炭水化物、タンパク質、脂肪(三大栄養素)がすべてのランナーのパフォーマンスやリカバリーに欠かせない理由とは?

炭水化物、つまりグリコーゲンとして体内に貯蔵されるグルコースはランナーに不可欠。最も簡単に入手できるエネルギー源だからだ。体はタンパク質や脂肪もエネルギーとして利用できるが、炭水化物ほど簡単ではなく、エネルギーになるまでに時間がかかる。十分なグリコーゲンが貯蔵されていない状態でハードなワークアウトを行うと、体は筋肉を分解して使い始める。それは避けたい事態だろう。栄養価の高い炭水化物には、サツマイモを始めとするでんぷん質の野菜、全粒穀物、フルーツなどがある。

「定期的にランニングやエクササイズをしている人なら、毎日、体重1ポンド(0.45キロ)あたり約1グラムのタンパク質を摂取するのが理想的です」

ジョン・ベラルディ
Nikeパフォーマンスカウンシルメンバー

筋肉を構成するタンパク質も重要な要素。「定期的にランニングやエクササイズを行っているなら、毎日、体重1ポンド(0.45キロ)あたりおよそ1グラムのタンパク質を摂取するのが理想的です」と言うのは、ジョン・ベラルディ博士(Precision Nutrition共同設立者、Nike Performance Councilメンバー)。タンパク質は、動物由来なら鶏肉、七面鳥、魚、牛乳、ヨーグルト、カッテージチーズ、卵、牛肉の赤身、豚肉などから、植物由来ならナッツ、種子、レンズ豆、豆、豆腐、枝豆、テンペ、ニュートリショナルイーストなどから摂取できる。

脂肪は悪者にされることが多いが、アスリート、それも特にランナーには重要な栄養素だ。「良質の脂肪は消化に時間がかかるため、グルコースとインシュリンの血中濃度を維持するのに役立ちます」とマシエル氏は説明する。つまり、長距離のランでもエネルギーが枯渇しにくくなり、ワークアウトの始めから終わりまでエネルギーが安定して供給される。これは朗報だ。「さらに、脂肪には炎症や筋肉の痛みを抑える効果もあると考えられています」つまり、リカバリーにかかる時間が短縮され、次回のランに合わせて体調を回復させられるのだ。良質な脂肪は、アボカド、ナッツ、オリーブオイルの他、サーモンやイワシなどの脂肪分の多い魚に含まれている。

ランナーの健康な食事に役立つ8つのヒント

3. カロリーではなく体に注意を向ける

ほとんどのランナーは、十分なエネルギーを補給するためにカロリーを計算する必要はない。実際、十分食べているのか、食べすぎているのかは、単純なことでわかる。「ランニングによって体重が増減しなければ、十分なカロリーを摂取していることになります」とマシエル氏は言う。「意図に反して体重が減っていたり、増えていたりする場合は、食べる量を増やすか減らすかしてみましょう」

マシエル氏いわく、パッケージの成分表や体重計の数字より重要なのは、自分の体がどのように感じ、どのようにパフォーマンスを発揮しているかということ。食べ過ぎると体が重く感じられ、きちんと食べていないと、ワークアウト中にエネルギーが足りなくだろう。体の声に耳を傾け、そのサインを参考にして食事のバランスを考えよう。

4. サプルメントよりもリアルフードを選ぼう

プロテインパウダー、フィッシュオイル、アミノ酸、コラーゲンなどの流行りのサプリメントは、いとも簡単に栄養を摂取できるかのように宣伝されている。ランナーに有用なものもあるが、もっと簡単に体に栄養を補給する方法がある。マシエル氏いわく、「バランスの良い食事をして十分なカロリーを取っていれば、サプリメントを飲まなくても、必要な栄養をすべて摂取することができるはずです」例外として、ヴィーガンの人は、動物由来の製品に多く含まれるビタミンB12やビタミンDといった特定の栄養素をサプリメントで補うことも考慮すべきだと指摘している。

覚えておいてほしいのは、サプリメントの安全性と有効性はFDAの規制対象外だということ。また、摂取することによって、望ましくない副作用が発現することもある。特に他の薬を服用している場合は、サプリメントを摂取する前に医師に相談することをおすすめする。

5. 水分補給をおろそかにしない

健康のためには十分な水分補給が推奨されているが、軽視されることが多い。結局のところ、人は喉が渇けば何か飲むからだ。しかし、ランナーにとっての水分補給はそう単純な話ではない。

汗をかくと、体が適切に機能するために必要な電解質と水分が失われる。この状態は急速に進み、失われた水分を補わなければ、トラブルが発生する。「スポーツの種類に限らず、アスリートの怪我の主な原因は脱水と疲労です。水分を維持できれば、怪我のリスクが大幅に軽減します」と語るのは、ブライアン・サン=ピエール氏(管理栄養士、Precision Nutrition栄養担当ディレクター)。脱水は筋持久力の低下と捻挫のリスクを上げることが、研究から判明している。

モチベーションを高く保ち、力強く走るためには、ランニングの前、最中、後に十分な水分量を保っておく必要がある。「体は脱水に適応できません。パフォーマンスを最高にするためには、常に水分が補給されている状態を目標にしましょう」とサン=ピエール氏。

暖かい日に屋外でエクササイズをするときは、約250mlの水を1日に12杯から16杯飲むことをマシエル氏はランナーにすすめる。そんなに多くは飲めないという人は、水分量の多い果物や野菜を食べれば、水分を摂取できるとサン=ピエール氏が付け加える。

15分以上のランニングには必ず水のボトルを持参して、15分から20分に一度は少量飲むように、とマシエル氏は言う。路上を90分以上走る予定の場合は、汗で失った塩分やカリウムのような電解質を補うためにスポーツドリンクを持って行くように。レース当日には、給水所を通るたびに、たとえ少しの水でも口にしよう。

レースの一週間前から水分補給を心がけて十分な水分を摂取しておこう。前日の夜や当日に多くの水を飲むのは、パフォーマンスには逆効果。それまでの脱水状態が与えたマイナスの影響をなしにすることはできない、とマシエル氏。

最後に、ランニングやレースの後にも水分補給を忘れないようにしよう。失った水分を確実に補給するには、ランニングの前と後に体重を量るといい、とサン=ピエール氏。次のワークアウトのためには、ほぼその体重差に相当する水分を補給する必要がある。

ランナーの健康な食事に役立つ8つのヒント

6. ランニングのたびにエネルギーを補給する

適切な栄養補給は、ハンガーノック、胃痛、疲労など、ランナーが恐れているトラブルの多くを防止できる。特にランニングの前に食べるのが良い。

「ほとんどのトレーニングでは、ワークアウトの前に簡単に栄養補給ができます。エクササイズの数時間前に普通に食事をとってもいいし、ワークアウト開始の少なくとも30分前に軽く食べてもよいです」と、ベラルディ博士。こういった選択肢を試してみて、自分に合う方法を選ぼう。いずれにせよ、何かを食べるべきだ、とマシエル氏は語る。胃が空の状態でランニングをすると、グルコースが不足して低血糖症(血糖値が低い状態)を発症し、心拍数の増加、疲労、立ちくらみ、目のかすみ、失神などを引き起こすおそれがある。

ランニング後の栄養補給も重要だ。「ランニングの2時間以内に何も食べないと、リカバリーが遅れて翌日のパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合があります」と、ベラルディ博士は言っている。ランニング終了後の1時間以内に通常の食事をとりたくない場合は、炭水化物、タンパク質、脂肪を含むスムージーや軽食をとると乗り切れる、とマシエル氏。

7. 長距離ランに備えた食事をする

持久力とスタミナは、もちろんトレーニングによって培われるが、栄養も重要な役割を担っている。

長距離を安定した状態で走っているときは、体に蓄えられたエネルギー(グリコーゲン)と、ランニングの直前や最中に摂取したエネルギーを消費していくことになる、とマシエル氏は説明する。体内に蓄積できるグリコーゲンの量には限りがあるが、2時間のエクササイズにはそれで十分。グリコーゲンが少なくなるか、使い切ってしまうと、ペースを維持することはできなくなる。これは「ハンガーノック」と呼ばれる状態だ。

したがって、ランナーはグリコーゲンを十分に蓄えた状態で、栄養素を味方に付けて長距離ランに臨むのがふさわしい。「ゼリー、ソフトキャンディー、ドリンクなどからエネルギーを補給すると、筋肉のグリコーゲンを最大限温存できるようになり、高いパフォーマンスのランニングを維持できます」とマシエル氏。これで長距離ランでもスピードを維持できる。

8. レース当日の栄養を調整する

「レース当日の新品は厳禁」というランナーにまつわる古い格言がある。これは特に食事に当てはまる。自己新記録を目指しているときに、体が重く感じたりトイレに行きたくなるのは避けたいだろう。自分の体に何が最も合うかを知るための唯一の方法は、トレーニング中に食事、ドリンク、ゼリー、ソフトキャンディーなどを試してみることだ。

レースの当日には、トレーニング中に試して効果的だった食事やドリンクを同じ方法で摂取すべきだとマシエル氏は言っている。レース当日と同じスケジュールをトレーニングで数回行ってみると、自分に何が合うかを知ることができる。これを行うのは長距離ランが効果的。レースと同じくらいの時間がかかるためだ。

何から始めたら良いのかわからない場合には、レースの2-3時間前にバランスの良い食事をとることをマシエル氏はすすめている(炭水化物を半分以上、タンパク質を4分の1、残りは脂肪分)。朝、あまり早く起きたくない場合は、ランニングを開始する1時間前に、この食事を少量にして食べよう。シェイクのような液体なら、消化しやすいのでさらに良い。

これまで説明した食事に関するヒントはあくまでも参考程度にとらえよう。自分に合わなければ忘れても良い。気分よく走り出せれば、ランニングのための栄養をきちんと摂取できているということだ。

文:アシュリー・マテオ
イラスト:ケシア・ガブリエラ

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