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食事はタイミングが重要な理由

気持ちよく食べて、パフォーマンスも向上させる食事のタイミングをエキスパートが解説。

食事は内容よりタイミングが重要な理由

正午にピザを食べるのと、午前2時にピザを食べるのとでは、体に与える影響に違いはあるだろうか。深夜にピザを食べ、胃もたれとだるさで起きた経験があるなら、答えはすぐにわかるだろう。

多くの人は、あの二日酔いのような感覚は、深夜にピザを食べたこと(そしてお酒を数杯飲んだこと)が原因だと考える。確かにそうかもしれないが、それだけが理由ではない。生物医学系のソーク研究所教授、サッチン・パンダ博士は、消化器官は概日リズムや体内時計によってコントロールされている多くの体組織の1つだと説明する。真夜中過ぎの体は、食物を処理する状態にはない。そのため、消化を促すための十分な唾液が出ず、腸は停止モードで、膵臓はピザに含まれる炭水化物に対応する準備が整っていない。

体内時計に逆らって食べることは、起きているべき時間に眠ったり、右目のコンタクトレンズを左目に装着したりするようなもので、ボーッとした状態になってしまう。より具体的に言えば、「間違った時間」に食事を取ることで、体内時計が混乱し、リセットを試みようとするとパンダ博士は説明する。この「間違った時間」の例には、残業のため夕食を10時に食べたり、朝の9時前に食事を取ることはめったにない人が、長距離ランに備えて午前6時にピーナッツバター付きのバナナを食べたりすることが挙げられる。このような生活が数日続くと、たとえそれがどんなに健康的な食事でも、体内時計は効果的にコントロールする力を失ってしまう。すると、炎症や細胞の損傷が発生し、関節痛や筋肉のリカバリーが遅くなるなどの問題につながっていく。

「間違った時間」に食事を取ることで、体内時計が混乱し、リセットを試みようとします。このような生活が数日続くと、たとえそれがどんなに健康的な食事でも、体内時計は効果的にコントロールする力を失ってしまうのです。

サッチン・パンダ博士、ソーク研究所教授

裏を返せば、日中の8-12時間以内に食事や軽食を取るようにすれば、体を効果的にコントロールできることになる(ただし、最初にかかりつけ医に相談すること)。この「時間制限付き断食」や「断続的断食」などの名称で知られる食事法は、全身性炎症のレベルを下げることで、膝の痛みや筋肉の回復を改善させるだけでなく、免疫も向上させる効果があるとパンダ博士は語る。また、断続的断食は血糖調節と脂肪を燃焼させる機能を向上させることも、研究によってわかっている。おそらく、体が休もうとする時ではなく、食物を消化する準備ができている状態で食べることが理由だろう。ランチにピザを食べれば、一晩お腹にためることなく、エネルギーとしてすぐに使われるということだ。

では、それぞれの食事に最適なタイミングとは?以下では、エキスパートの意見と研究結果に基づくアドバイスを紹介する。

朝食:起床してから1-2時間待つこと。また、この時間はなるべく一貫させることが望ましいとパンダ博士は語る。理由は、起きた時にはまだ睡眠ホルモンのメラトニンが血流に高濃度で残っているため。この状態では、炭水化物を分解して利用するのに必要なホルモンのインスリン生成を妨げてしまうからだという。朝食では多くのカロリーを摂取し、甘いものが食べたい場合は、できるだけ朝食時に食べておこう。『The Journal of Nutrition』に発表された研究によれば、1日で最も多くの量を食べる食事を朝食にすると、健康的なBMI(ボディマス指数)を保つのに役立つとされ、別の研究では睡眠の質も向上するという結果が出ている。つまり、朝食をしっかりと取ることで、その日の食欲と甘いものが食べたいという欲求をコントロールでき、体重だけでなく、睡眠ホルモンにも良い影響を与えることができるのだ。また、オレンジジュースやマフィンなど、甘い食品や飲料に対するインスリン反応も、夜に食べた場合と比べて弱めになることを覚えておこう。

軽食:食事と軽食の間には、少なくとも2時間の間隔をおくようにすることをパンダ博士は勧める。食事をすると、膵臓からインスリンが放出され、約90分後にインスリンレベルは基準値に戻る。あまり頻繁に食べ過ぎると、インスリンレベルが基準値に戻ることができなくなり、脂質が蓄えられるようになってしまう。

昼食:空腹を感じたら食べること。朝にしっかりと食べた場合や、軽食を取った場合は、夕方近くになることもあるだろう。朝食をたっぷり取ることが難しい場合は、昼食を1日のメインの食事にしてもいい。どちらにしても、夕食よりもボリュームを多めにすることをパンダ博士は推奨する。前述の研究結果によれば、昼食に最も多くのカロリーを摂取するようにすると、少し効果は下がるものの、朝食を最も多くした時と似たようなメリットがあるとしている。

夕食:その日の最初の食事から約10時間後になるように調節する。有名な8時間の食事法(16時間断食)よりも、少しだけ取り組みやすいだろう。また、研究によれば、この方法でも血圧、体重、体脂肪率を改善することができるという。パンダ博士は、夕食を少なめにして体への負担を下げることを推奨。10時間の間隔をおくのが簡単になってきたら、朝食が午前10時なら夕食を午後6時までに終える、といったように、今度は8時間に短縮してみよう。

もちろん、ここで紹介した食事の時間を守ることが難しい時もあるだろう。残業になる日もあれば、子どもが昼寝をしてくれない日、誕生日パーティーの日もある。だが、毎日厳しく守る必要はない。1週間に5日だけ食事のタイミングに注意するのでも効果はある、とパンダ博士。食事に対する前向きな取り組みは、何であれ健康の改善に役立つのだ。幸いなことに、すでに私たちの体には時計が備わっている。あとは、時を刻む方法を体に教えればいいだけだ。

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