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マッサージガンの実態とその必要性

ますます人気のハイテクリカバリーツールの実態をチェック。

最終更新日:December 1, 2020
マッサージガンの実態とその必要性

電動ドリルとリカバリーボールが合体したら?それが、一風変わったデバイス、マッサージガンだ。ジムのフォームローラーのそばに、理学療法士の備品庫に、お気に入りのトレーナーのSNSに、それは現れる。99-600ドルという幅広い価格帯で販売されているこの機器は、どういうもので、一体誰のためにあるのだろうか?

まず、マッサージガンがどのように動作するものなのかを確認しよう。ラバーやフォームでできたヘッド部分に電動モーターが取り付けられており、高速で反復的にストロークし、いわゆる殴打療法を行う。デバイスによって異なるが、ストロークの速度は1秒間に約40回だ。ヘッド部分が体に接触すると、筋肉が滑らかに力強く殴打される。

「このように力が加わることで、筋膜という結合組織の中にある固体が液状になると考えられています」と、セントルイスとフィラデルフィアにあるHelms Performanceの創立者である、有資格マッサージ療法士のポール・ヘルムズ氏は言う。彼は、スポーツをするクライアントにマッサージガンを頻繁に使用する。「つまり、筋肉周辺の筋膜が柔らかくなるため、筋肉のこわばりが和らぐように感じられるのです」

神経学的な効果もある。「筋肉はマッサージしてもすぐにはほぐれません。殴打するような接触が筋肉の腱にある感覚神経に作用し、腱の緊張が増したことを感知します。この効果によって脳に信号が送られ、脳は信号を処理し、筋肉にリラックスするよう指示するのです」とヘルムズ氏は説明する。

「このように力が加わることで、筋膜という結合組織の中にある固体が液状になると考えられています」

ポール・ヘルムズHelms Performance創業者、有資格マッサージ療法士

登場して間もないため、マッサージガンについて考察した科学的な研究はない。しかし、『Journal of Clinical and Diagnostic Research』(臨床診断研究ジャーナル)に掲載された論文では、5分間の振動療法または15分間のマッサージを受けた被験者は、どちらも受けていない被験者者より、運動後72時間までの体の痛みが大幅に軽減されたことを発表している。また、振動デバイスを使った人は、マッサージを受けたグループより、最初の24時間のリカバリーが早かったということだ。

マッサージガンは、頻繁にハードなトレーニングを行う人に特に効果的だ。ヘルムズ氏によると、リカバリーを促進するだけでなく、ワークアウト前に使えば筋膜をほぐして体の可動域を広げることができる。また、オーバーワークによる怪我につながる可能性がある筋肉の張りを和らげることができるため、特定のイベントに向けてトレーニングしている人にも最適だ。さらに、使い過ぎによる損傷を招きかねない筋肉のこわばりや局所的な痛みが生じたりしやすい人にも適している。「標準的なフォームローラーは、それほど深くまたは局所的に筋膜に当てることができません。また、手を電動のヘッドより速く動かせるはずもありません」とヘルムズ氏は言う。

マッサージガンを使える人や購入しようと思っている人は、次のことに注意しよう。

  1. 危険な部位を避ける
    筋肉に集中し、首、脇下、鼠径部の大きな血管構造や、背骨などの骨を避ける。また、ヘルムズ氏によると、振動が強すぎる場合があるため、女性は乳房組織にマッサージガンを当てない方がよい。
  2. 低速設定をメインで使用する
    「第1段階の設定で多くの部位や組織には十分な強さがあると思います」とヘルムズ氏は言う。使用中に十分な感覚がない場合や、使用後に筋肉がきちんとほぐれたという感覚がない場合は、設定を1段階上げてもよいが、強度を高めるより、その部位に当てる時間を長くする方がよい。「特に、筋肉痛がある場合は解消することが目的ではありません。強さより時間が大切です」とヘルムズ氏は補足する。
  3. 目的に応じて調節する
    ヘルムズ氏によると、ウォーミングアップの場合は、面積の大きいヘッドアタッチメント(大きな球形など)で部位ごとに3~5秒優しく押し、上から下、または下から上へと動かす。ワークアウトに向けて、組織の働きを停止させることなく軽い力で刺激する。トレーニング後の全身マッサージが必要な場合は、面積の小さいヘッド(小さい三角形など)を使用し、臀部、ハムストリング、前腕、肩甲骨の間(背骨以外)などの部位を重点的に、上半身と下半身を5-10分かけて撫でる。ふくらはぎの上部など、特にごつごつした部位をマッサージしたい場合は、面積の小さいヘッドを10-30秒当てる。このとき、不快感を伴うため呼吸を意識するとよい。

リカバリー専用の機器でなくても、ラクロスやゴルフのボールでもピンポイントで必要な圧力をかけることができるとヘルムズ氏は言う。

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