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今夜の良質な睡眠が、明日のランを助ける

エキスパートいわく、睡眠はパフォーマンスを向上させるのに最適な方法だ。睡眠の力を借りて、力強く走る方法をチェックしよう。

良質な睡眠がランを向上させる

プロのランナーではなくても、誰もが1日のほぼ3分の1を費やしているトレーニング。それが睡眠だ。少なくとも、睡眠には1日の3分の1くらいかけるのが目標でもある。

7-9時間の睡眠は究極のトレーニングツールであり、パフォーマンスに向けた充電のチャンスだ。そう語るのは、Nikeパフォーマンスカウンシルのチェリ・マー医学博士。トップアスリートの睡眠とパフォーマンスを専門とするUCSFヒューマンパフォーマンスセンターの医師兼科学者だ。「6時間の休息では、バッテリーを60%充電できますが、すぐに消耗してしまいます。毎晩80%以上、できれば90-100%くらい充電して、パフォーマンスの違いを実感してください」

この睡眠時間が奪われると、すべてに悪影響が出ると博士は言う。以下はそんな不具合の例だ。

01. 頭が冴えない。24時間寝ずに過ごした人は、血中アルコール濃度が約0.1%の時(酒気帯び運転の数値以上)と同等の認識機能障害と運動障害が起きる。

02. 体調を崩しやすくなる。睡眠時間が6時間以下の生活を続けていると、7時間以上の睡眠を取っている時よりも風邪をひくリスクが4倍になる。

03. 体重が増える。慢性的な睡眠不足は、食欲を調節するホルモンのレプチンとグレリンの力を変化させ、飽和脂肪や砂糖が多い食品を欲するようになる。

だが現時点での研究によれば、アスリートにとって最悪の影響は他にもある。睡眠不足の状態が数日間続くと、コーディネーションのパターンと生体力学が変化してしまうのだ。「パフォーマンスはもちろん、その他の要素にも悪影響を与える可能性があります。具体的に言えば、ランニング中にけがをしやすくなることも含まれます」と博士は語る。

これだけの悪影響があるとわかっていながら、アメリカでは成人の70%が推奨される睡眠時間を確保できていない。それは良質な睡眠を取ることが、簡単ではないからだマー博士は語る。定期的なエクササイズの時間を確保することや、健康的な食事を取ることと同じくらい難しいのだ。

ちょっとした変化を取り入れよう

睡眠のルーチンを作る。

多くの人が、6時間以下の睡眠パターンに陥っている。その原因は、睡眠に向けて体を準備していないことが理由だとマー博士は指摘する。「時速110kmで高速道路を走るように過ごし、急停止のように眠ることはできません。心身を落ち着かせるルーチンが必要なのです」

だが、複雑なルーチンや長時間のルーチンは必要ない。「ベッドの横に本を置いておけば、5分程度読むだけでも、体に『そろそろ眠る時間だよ』と合図を送ることができます」とクリス・ベネット(Nike Runningグローバルヘッドコーチ)は言う。また日記をつけたり、ストレッチをしたり、呼吸のエクササイズをしたりする数分間を確保するだけでも、同様の効果があるとマー博士は語る。

意識をある決まった状態に向けてやることで、眠りに落ちるまでの時間が短くなる。そしてより深く、長い睡眠が得られるようになるのだと博士は解説する。「準備をしておけば、夜に良質なリカバリーを得られるようになります。筋肉のリカバリーと同じ原理です」

「時速110kmで高速道路を走るように過ごし、急停止のように眠ることはできません。心身を落ち着かせるルーチンが必要なのです」

チェリ・マー医学博士
(UCSFヒューマンパフォーマンスセンター、Nikeパフォーマンスカウンシル)

さらに進歩するためのヒント

01. 就寝時のアラームをセットする。
「リラックスのルーチンを確立して、規則正しい睡眠スケジュールを実践しましょう。毎日同じ時間に寝起きするのは、多くのアスリートに最も大きな効果を発揮した方法の1つです。トレーニングに優先順位をつけるように、最適な睡眠を取ることを優先するようになりました」とマー博士は語る。NBA、NFL、MLBのチームにアドバイスを提供して確認した事実だ。

02. To Doリストを作る。
マー博士は、睡眠ルーチンの一環として毎晩To Doリストを作っている。「その日にあったことを処理し、明日やるべきことを把握するのに役立ちます。認識作用を開放する効果もあるかもしれません。頭の中で思考が駆け巡ることもなく、入眠しやすくなるのです」。できるだけ具体的なTo Doリストを作る人は、作らない人に比べてスムーズに入眠できるという研究結果も出ている。

03. 週末も決まった時間に起きる。
平日の朝は7時に起きているが、週末には10時に起きる。そんな人は、ニューヨークからサンフランシスコまでの移動時間(飛行機)を毎週末に奪われている。体内時計は、金曜の夜に「一時停止」ボタンを押せるようなものではない。睡眠科学者が「ソーシャルジェットラグ」と呼ぶこの状態は、頭がボーッとしたり、だるさを感じさせる原因になるとマー博士。1週間ずっと最高の気分で過ごしたいなら、毎日同じ時間に起きよう。天気が良い日は、朝日を浴びることで体内時計がルーチンに合ってくる。

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