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体内時計の調整でより良い睡眠とエネルギーを得る方法

最適な時間にトレーニングに取り組み、食事を取れば、睡眠の質とパフォーマンスが上がるのではないか。

概日リズムは必ずしもぴったり24時間とは限らない。人によっては23時間だったり25時間だったりする。24時間よりもはるかに短い、20時間周期で体内時計が動く人もいる。夜型の人もいれば、朝型の人もおり、常に時差ぼけを感じる人もいるのは、それが原因だ。

そうした現象は遺伝的に説明できることが分かってきた。

体内時計を調整してより良い睡眠とエネルギーを手に入れる方法

人には中枢時計が備わっている。それが、筋肉、肝臓、胃などの各部位にある時計に地球の24時間周期に基づく時刻と、それに応じた働きを告げるのだ。各部位にある時計は、PERタンパク質をはじめとする時計タンパク質で制御されている。このタンパク質の働きが乱れると、一般的な23時間周期や、それ以上によくある25時間周期になる。カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)をはじめとする複数の大学で行われた最近の研究によると、ある酵素(カゼインキナーゼ1)内に遺伝子の突然変異が発生した人は20時間周期リズムになることもある。

こうした周期にあっても理想的な7時間以上の睡眠を取る人は多いが、概日リズムの乱れ(あるいは地球の昼と夜に調和しない生活)は健康問題の原因に結びついている。この理由は、体内時計は必死に地球の周期と同調しようとするが、体内時計の周期のほうが短いとどうしても追いつかず、分子レベルで混乱が発生するのだ。「永遠に時差ぼけが続くようなものです」と説明するのはこの研究の筆頭著者であり、UCSC化学・生物化学部の准教授、キャリー・パーチ博士。

幸い、科学者によると20時間周期を生む遺伝子変異が発生するのは稀(100万人に1人程度)だとのこと。この遺伝子変異を持っている可能性があるのは、平日、週末を問わず夜7時に就寝し、朝4時頃起床する人くらいだ。生まれつき持っている遺伝子変異であり、子どもの頃にも睡眠サイクルに影響を与えているが、就寝時間を自分で管理するようになるティーンエイジャー以降にならないとそれに気がつかないかもしれない。

「ライフスタイル、特にトレーニングや食事を行うタイミングを調整すれば、体内時計のフェーズや時間設定をずらし、自分の目標に合わせてその日のピークを前後にずらすことができます」

カリン・エッサー博士、フロリダ大学筋学研究所教授兼アソシエイトプログラムディレクター

「体内時計が大幅に短いと睡眠を促すメラトニンの放出のピークがずっと早い時間帯にやってくるので、疲れも早い時間に感じます」とパーチ博士は言う。「そして、まだ朝にならない時間に目が覚めるのです」

「体内時計が標準より短くても長くても、それに合わせる必要はありません。ライフスタイル、特にトレーニングや食事を行うタイミングを調整すれば、体内時計のフェーズや時間設定をずらし、自分の目標に合わせてその日のピークを前後にずらすことができます」と言うのはフロリダ大学筋学研究所教授兼アソシエイトプログラムディレクターのカリン・エッサー博士だ。概日リズムと骨格筋の関係を探る研究分野の第一人者でもある。

体内時計とトレーニングの研究は現在進行中。それでも、例えば夜8時には疲れ果ててしまう人はワークアウトを午後に行うと効果が高いことは分かっている。なぜなら、エクササイズには体内時計の進行をずらし、メラトニンの放出を遅らせる働きがあるからだ、と博士は言う。深夜まで寝られなくて困っている人は、(できれば屋外で)ワークアウトを行うと概日リズムの就寝タイミングに合い、1日の早い時間にピークを持ってくることができる。「幸いにも、筋肉の中にある時計はエクササイズに対して非常に敏感です。あなたが決めたトレーニングスケジュールに合わせることができるので、どんなスケジュール変更にも対応してくれるのです。やればやるほどパフォーマンスが上がり、最終的にはスケジュール変更前と同じか、それ以上の結果を出すようになります」

また、体内時計にかかわらず、日が昇っている10時間以内に朝食、昼食、夕食を済ませると良い、と博士は付け加える。朝起きたらすぐに自然の光を浴び、暗くなったらブルーライトの画面(スマートフォン、TV、ノートPCなど)を見ないようにすると、メラトニンによるリズムの乱れを最小限に抑えることができる。

博士曰く、「まだまだ分からないことはたくさんあります。しかし、私たち全員が体内時計に基づいて行動しており、体内時計が体内にあるほぼすべての部位をコントロールしているという事実は非常に興味深いことです」自分の体内時計により注意を払うことで、起床、食事、トレーニング、睡眠など、やりたいことを自分の決めたタイミングで進めやすくなる。

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