上腕二頭筋を鍛える方法

スポーツ&アクティビティ

的を絞ったエクササイズと実証に基づくプログラムを行い、適切な食事を摂ることで、上腕の筋肉を鍛えよう。

最終更新日:2022年6月30日
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二頭筋を大きくするためにできること

まず、上腕二頭筋の正確な位置を確認しておきたい。 バイセップまたはバイセップスとも呼ばれる上腕二頭筋は、上腕(肩と肘の間)前側の太い筋肉。 上腕二頭筋には、短頭(内側)と長頭(外側)があり、 主に、肘関節の屈曲と前腕の外側への回旋(回外と呼ばれる)を担っている。

以下では、上腕二頭筋を鍛えるためのトレーニングと食事プランを紹介する。

上腕二頭筋を鍛える理由

日々の生活で、上腕二頭筋を使う動作は数多くある。 たとえば、肘を曲げて何か(たとえば買い物袋や子ども)を抱え上げたり、体の方に物を引き寄せたりするとき、上腕二頭筋を使って肘を曲げる必要がある。 ドアノブや瓶のふたを回そうと前腕を回旋させるときも、上腕二頭筋が役立っている。

上腕二頭筋を鍛えればスポーツのパフォーマンスが向上することにも疑いの余地はない。 野球やソフトボールといったボールを投げるスポーツには、強い上腕二頭筋が欠かせない。 テニス、クリケット、バドミントンなど、ラケットを使うスポーツでも、上半身や上腕の筋肉を鍛える必要がある。 バレーボール、フットボール、ホッケーの選手にとっても、上腕二頭筋を鍛えるメリットは小さくない。

上腕二頭筋を鍛えるためのトレーニングガイドライン

筋肉をつけて腕を太くするには、とにかく食事と運動の組み合わせが重要だ。 ターゲットを絞ったワークアウトを行えば筋肉がつき(筋肥大と呼ばれる)、食事で筋タンパク質合成を促して体脂肪を減らせば脂肪の層に筋肉が隠されることがなくなる。

二頭筋を大きくするためにできること

上腕二頭筋を鍛える効果の高いエクササイズ

2014年、米国運動協議会(American Council on Exercise:ACE)は、認定パーソナルトレーナーが顧客向けプログラムを組み立てる際に利用できるよう、特に上腕二頭筋を鍛える効果の高いエクササイズのリストを作成した。 委託を受けたウィスコンシン大学ラ・クロス校の運動科学の専門家たち(臨床運動生理学プログムを担当)は、どの運動が効果的かを調査すべく、

一般的な7つのエクササイズ(ほとんどが基本のバイセップカールのバリエーション)をテストした。 基本のバイセップカールは立った姿勢でも座った姿勢でもできる。まず両手にそれぞれウェイトを持ち、腕は体の両脇に垂らす。 運動はシンプルだ。上腕は動かさずに、抵抗(レジスタンスバンド、ダンベル、バーベルなど)に対して前腕を曲げ、ウェイトを肩に近づけるように持ち上げていく。

上腕二頭筋を鍛える効果が期待できるとしてACEが推奨するエクササイズは以下のとおり。

  1. コンセントレーションカール:座った姿勢で片手でダンベルを握り、肘をももの内側に当て、カールの運動を片腕ずつ行う。

  2. ケーブルカール:ケーブルマシンを抵抗として使ってカールを行う。片腕ずつでも両腕で行ってもよい。

  3. チンアップ:チンアップバーを逆手で握り、体をバーに向けて引き上げる。アシストを使う方法もある。

  4. バーベルカール:ウェイトプレートを付けたバーベルを使い、基本のカールを行う。

  5. EZカール(ワイドグリップ):持ち手に角度がついた特殊なバーを使って基本のカールを行う。上腕二頭筋(取り組むエクササイズによっては上腕三頭筋)にターゲットを絞りやすく、けがのリスクを減らせる。

  6. EZカール(ナローグリップ):狭い幅でバーを握ってカールを行う。両手の幅を肩幅より少し狭くしよう。

  7. インクラインカール:ウェイトベンチに座り、上半身を少し後ろに倒した状態で、両手それぞれにダンベルを持ち、肩の真下に垂らした姿勢から始める。

  8. プリーチャーカール:プリーチャーカールマシンを使ってカールを行う。肘の位置は肩の斜め下になる。

上記の調査の対象にはなっていないが、これ以外にも上腕二頭筋を鍛える一般的なワークアウトとして、ハンマーカール、プッシュアップ、ダイヤモンドプッシュアップ、逆手で行うベントオーバーローなどが挙げられる。

トレーニングの反復回数、セット数、頻度

全米スポーツ医学協会(National Academy of Sports Medicine、NASM)では、最適な筋肥大(筋肉の成長)を実現し、大きな力こぶを獲得するために、1回のエクササイズで6〜12回の反復を3〜6セット行うことを推奨している。 最大挙上重量(1RM)の75〜85%であるウェイトを上げることが、筋肉量をつけるために役立つ。 最大挙上重量とは反復回数を1回としたときに持ち上げられる最大重量のことだ。

頻度に関していうと、ジムに足を運ぶ頻度よりもトレーニングの全体量が重要だと研究者は指摘している。 ここでいうトレーニングの量とは、セット数、反復回数、抵抗のレベルを組み合わせた負荷を指す。

一方、トレーニングの頻度が多い(週に3回以上)方が、筋肉をつけるには少し有利であることを示唆する研究論文も、いくつか発表されている。

上腕二頭筋を増強するための食事

国際スポーツ栄養学会(International Society of Sports Nutrition、ISSN)は、筋肉の成長を最大限に促すために1日に摂取すべきタンパク質は体重1kgあたり1.4〜2.0gとしている。 しかし、筋力トレーニングに取り組む場合は、タンパク質をより多く摂取する(1日に体重1kgあたり3.0g以上)ことでさらに効果が高まる可能性があるとも指摘している。

ISSNは、タンパク源として必須アミノ酸を含む食材を選ぶよう推奨している。 必須アミノ酸(EAA)は体で自然に合成されないため、食事から摂取する必要がある。 また、アミノ酸の一種、ロイシンは、筋タンパク質合成のために特に重要な化合物であるとされている。

卵、アーモンド、ひよこ豆、レンズ豆、サーモン、ピーナツなどの食品にこのロイシンが多く含まれている。 大豆やホエイプロテインパウダーからもロイシンを摂取可能だ。 必須アミノ酸を多く含むほかの食品としては、七面鳥、魚、カッテージチーズ、キヌア、マメ科植物も挙げられる。

食事や間食で、一日を通じてタンパク質を取るようにしよう。ISSNは、3〜4時間ごとにタンパク質を20〜40gずつ摂取するよう推奨している。 健康的な食事は、あらゆるワークアウトの成功の鍵を握る。

そして、上腕二頭筋を鍛えるワークアウトには、十分な休息を組み込む必要があることも忘れてはならない。 筋肉にストレスがかかると、筋タンパク質の分解が起こる。 筋肉が成長し、強化されるのは、筋タンパク質合成が起こるリカバリーの段階だ。 上腕二頭筋トレーニングは少なくとも1日、場合によっては2〜3日間を空け、このリカバリー時間を最大限に活かすようにしよう。

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公開日:2022年2月17日

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