COACHING

心と体にとって「継続性」が重要な理由

ワークアウトの負荷を高めることよりも最後までやり遂げることが心身の向上に重要な場合がある。その理由を科学が解明する。

継続は力なり

短期間で筋力を強化したいなら、反復回数は増やすべきか減らすべきか。効果があるのはエキセントリックな運動か、筋肉混乱か、それともHIITだろうか。結局のところ、ワークアウトの違いにこだわるよりも、定期的にトレーニングを行うこと、つまり継続して行うことの方が、はるかに結果に結びつくことがわかっている。

さまざまなトレーニング方法が話題になる中、継続性というのはありきたりに聞こえるかもしれない。だが、トレーナーの間では何年も前から継続性がもたらす効果は指摘されてきた。そして今、新しい研究結果でその考えが正しかったことが証明されている。

ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究チームは、訓練を受けていない女性におけるレジスタンスエクササイズに関する調査研究のレビューを行った。その結果、筋力向上の最も大きな要因は、反復スキームや負荷のかけ方、ワークアウトの持続時間などではなく、頻度であることが判明。つまり、継続性が筋力向上にダイレクトに影響したということだ。

どんな内容であれ、定期的なワークアウトを積み重ねていくことで、トレーニングの全体量が増えます。それこそが長期的な変化を起こす鍵なのです。

ニューサウスウェールズ大学医学部専任講師、マンディ・ハグストローム博士

「筋力強化のためには、軽めの運動か激しい運動か、限界まで追い込むかといったことは、これまで考えられていたほど重要ではないようです」と、この研究の筆頭著者であり、ニューサウスウェールズ大学医学部で専任講師を務めるマンディ・ハグストローム博士は語る。博士によると、週に2~4回運動した女性は、運動の仕方にかかわらず15週間で筋肉量は平均3.3%、上半身の筋力は25%、下半身の筋力は27%アップしたという。その理由は何だろうか?「どんな内容であれ、定期的なワークアウトを積み重ねていくことで、トレーニングの全体量が増えます。それこそが長期的な変化を起こす鍵なのです」と、博士は説明している。(継続性は当然男性にも効果があるだろうと、博士は指摘している)

これが意味していることは極めてシンプル。どんなタイプのワークアウトをどのくらいの時間、どの器具を使って行うかで悩んだりストレスを感じたりしているなら、いずれ行き詰る可能性が高い。これは急なモチベーションの低下を感じたときや、詰め込みすぎたスケジュール、憂鬱な気分、悪天候などについても同じことが言える。細かいことを気にするのはやめて、とりあえずいつもワークアウトする場所へ行き、行動を起こすことに集中しよう。それを何度でも繰り返す。そうすればそんな悩み事は気にならなくなるはずだ。

継続性が脳にもたらす効果

継続性は身体的な変化を起こすだけではなく、精神的な面影響する。「継続的な習慣を作ることは、荒地に新しい道を切り拓くことに似ています」と言うのは、CMPC(メンタル・パフォーマンス・コンサルタント)の資格を持ち、センパーファイ&アメリカズファンドでスポーツプログラム担当マネージャーを務めるアマンダ・リーボビッツ博士。「たとえば朝6時にトレーニングする、あるいは夕方ランニングをするなど、何かを始めることは新しい道を切り拓くことと同じです。最初はでこぼこで、歩くのが難しいかもしれません。でも続けているうちに、通りやすくなっていくでしょう」やがて体と脳は、雑草だらけの道(運動しないこと)よりも、新しくできた道の方を好むようになる。なぜならその道こそ、いまや一番楽な道になったからだ。

継続性が及ぼす影響はそれだけではない。継続性を身に付けることで自分自身に対する考えも変わってくる。ワークアウトを始める、デリバリーの注文ではなく料理をするなど、自分で決めたことを実行するときに自信が持てるようになる、とリーボビッツ博士は言う。一度身に付いてしまえば、それを失くしたいとは思わないはずだ。

行動に移すには

継続して何かをすることは難しく感じられるかもしれないが、必ずしもそうではない。「継続的な習慣にしようとするときの一番大きな落とし穴は、中途半端はダメだという考え方です」と、マサチューセッツ大学アマースト校のスポーツ心理学部長、ニコール・ガバナ博士は言う。「この運動に必要な重量のダンベルがないからできない」とか「今日は45分間走る時間がないから、ランニングはやめておこう」というような考え方だ。博士曰く、「行動を起こすということは、何もしないことよりましです」たとえそれが完璧なワークアウトでなかったとしても気にすることはない。何をしなかったとか、もっとうまくできたはず、などと愚痴るより、できたことを称えよう。あまり気が乗らなかったのに行動を起こしたという事実は、次回レッスンを休もうかと考えたときに、やり通そうという気持ちを後押ししてくれるかもしれない。

重要なのは、できることを、できる範囲で、とにかく実行すること。健康的で心身ともに満足できる自分を目指すには、これだけで十分だ。

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