バスケットボールチーム「カルタ・ブランカ」(1952年設立)

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スポーツは何歳になっても続けられる。そんな当たり前の事実を証明するのは、メキシコのバスケおばあちゃんたちだ。

最終更新日:2021年4月23日
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      コートを走り回るのは、カナリアイエローのユニフォームに身を包んだ女性たち。もう70年ほど活動を続けている偉大なチームがここにある。メンバーたちの誇りは、故郷の町であるオリサバ。メキシコ政府観光局によって、プエブロ・マヒコ(魅惑的な町)にも選出された。木々の緑、山並みの景色、映画のような霧、ホットピンクとライムグリーンに彩られた家々。そんな美しい光景にも負けないオリサバの魅力が、バスケットボールチーム「カルタ・ブランカ」だ。

      1952年に創設されて以来、カルタ・ブランカの選手たちは女性とスポーツをめぐる先入観に抗ってきた。白髪を短く整えたアデラ・オチョア・ガルシアは、生まれながらのアスリート。創設初日からプレーしているので、67年前のこともよく憶えている。女性がショートパンツをはいたり、自転車に乗ったりするだけで眉をしかめられた時代。相手からバスケットボールを奪い取り、見事なショットをネットに沈める喜びなど背徳に近かった。だがそんな障壁を乗り越えて手に入れたスポーツ愛には、かけがえのない値打ちがあった。

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム
      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      「走って、すべてを出し切ります。自分でも驚くほど走ります。ストレスなんか忘れますよ。バスケットボールはリラックスの手段なんです」

      マリア・ロルデス・モラ・ヒメネス(#8)

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム
      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      カルタ・ブランカの一員であることは、自分にとってどんな意味がありますか?

      オルガ・イルマ・アレイ・イスラス(#5): バスケットボールは互いの結束を強め、日々成長させてくれます。試合や練習でけんかになっても、やっぱりひとつのチームだからお互いに助け合います。自分を気遣ってくれる人がいるだけで、本当に気持ちが満たされますね。言葉では言い尽くせないほど温かい気持ちです。

      セシリア・ガルシア・ルナ(#10):みんなと本当に長いつき合いをしています。ここにいられてすごく幸せ。今でも動き回れるチームメイトは、自慢の種ですね。これからも長く続けたいと思っています。

      マリア・デ・ロス・アンヘルス・バウティスタ・ルイス(#4):このチームと一緒にいられて、みんなと共存できることが大きな喜び。何しろ楽しいですから。

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      チームメイトのあだ名をいくつか教えてもらえますか?

      オルガ・イルマ・アレイ・イスラス(#5)、「コオロギ」

      アラセリ・ロドリゲス・ビバス(#9)オルガはずっと「コオロギ」って呼ばれてます。

      オルガ・イルマ・アレイ・イスラス(#5):みんなにそう呼ばれてきました。マッチ箱に入りそうなくらいヒョロヒョロだから。
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      アラセリ・ロドリゲス・ビバス(#9)、「芸能人」

      オルガ・イルマ・アレイ・イスラス(#5):アラセリにはみんなで「芸能人」っていうあだ名を付けました。だって、シャワーを浴びて出てきたときにはもう髪を梳かしてメイクもばっちり。準備万端なんですから。

      グアダルーペ・モラレス・キラスコ(#6):いつもみんなで言ってます。「芸能人が出てきた」って。

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      マリア・ジセラ・リモン・オルティス(#4)、「ブッブーッ」

      マリア・アントニア・ビレガス・ガルシア(#13)::彼女のことは「ブッブーッ」って呼んでます。ほんと自動車みたいに速いんですよ。

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      プレー中に、いつもとは違う自分が顔を出すことはありますか?

      マリア・ロルデス・モラ・ヒメネス(#8):走って、すべてを出し切ります。自分でも驚くほど走ります。ストレスなんか忘れますよ。バスケットボールはリラックスの手段なんです。

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      皆さんの得意なシュートは?

      マリア・デ・ロス・アンヘルス・バウティスタ・ルイス(#19):私は足が速いので、フォワードをやってます。得意なシュートはレイアップとミドルシュートです。

      グアダルーペ・モラレス・キラスコ(#6):私もゴール下から狙うのが好きです。

      マリア・エレナ・ミロン・エレラ(#13):私はフォワードで、得意なのはフックシュートとフリースローです。

      マリア・ジセラ・リモン・オルティス(#4):私はミドルですね。

      ジョルジナ・シルバ・ビジェガス(#16):私の場合はスリーポイントとミドルシュートです。

      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム
      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム
      カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

      コートを離れたら、どんなことをして一緒に時を過ごしていますか?

      グアダルーペ・モラレス・キラスコ(#6):チームメイトのみんなが大好きで、何事も助け合ってます。集まるための口実を絶えず探していて、実際に毎日のように集まっています。みんなで集まるのは素晴らしいことですよ。

      オルガ・イルマ・アレイ・イスラス(#5):コンチータが何日か前に体調を崩したし、トーニャもけがで具合がよくありませんでした。同じ場所にいなくても、日頃からWhatsAppや電話でやりとりしています。いつでも困ったときはお互い様ですよ。

      チームのかけ声を教えてください!

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          女性アスリートに対する見方は、この70年で大きく変わってきた。それでもなお「ばあば」たちがスリーポイントライン前後からシュートを決める光景は圧巻だ。当人たちは、これからバスケットボールの歴史にどんな伝説を残してくれるのだろうか。「スポーツとは健康、友情、交流です」と語るルルの願いは、あらゆる年齢の人がカルタ・ブランカに触発されて運動を始めることだ。

          そしてチームは、実際に周囲の人々を動かし始めている。試合の日には、夫、子供、孫、甥っ子や姪っ子たちがコート脇で声援を送る。そして試合終了の笛が鳴ると、観客もみんな地元の英雄に混じってシュート練習に汗を流すのである。

          カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム
          カルタ・ブランカ 女子バスケットボールチーム

          このストーリーは2019年11月に取材したものです。

          公開日:2019年12月25日