ゴルフのスコアについて知っておくべきこと

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ゴルフの「良い」スコアとは何か、また重要な用語とその意味について、ゴルフコーチが解説。

最終更新日:2022年9月6日
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ゴルフのスコア用語について知っておくべきこと

ある意味で、ゴルフのスコアは単純だ。ボールを打つことをストロークと言い、 ボールをホールに入れるまでに要したストローク数(打数)の合計が、そのホールのスコアになる。

たとえば、ボールをホールに入れるまでに5回打ったら、そのホールのスコアは5になる。 ラウンドを終えるまでの合計ストローク数が、そのラウンドの合計スコアだ。 つまり、18ホールで100回打ったなら、スコアは100になる。 スコアは低ければ低いほど良い。

この加算方式はわかりやすいが、ゴルフのスコアについて知っておくべきことは他にもある。

ゴルフの「パー」とは?

選手名や順位が表示されるゴルフのリーダーボードを見ると、ゴルフのスコアがそう単純ではないと気付くのではないだろうか。 選手名の隣に表示された数字は、プラスやマイナスが付くこともあり、 +3、-4、-1といったようなスコアが表示される。 「E」という文字も目にするかもしれない。

こういった数字はすべて「パー」と関連性がある。「パー」はコースのホールごとに定められた基準打数であり、コースのラウンド全体にも基準打数がある。 たとえば、コースの第1ホールがパー4の場合、パーを取るにはそのホールを4打で終えなければならない。 3打で終えた場合、スコアは「ワンアンダーパー」または-1となる。 だから、スコアにマイナスが付くのは良いことなのだ。

デューク大学女子ゴルフチームのアソシエイトヘッドコーチ、ジョン・ウィットハウス氏によると、初心者はゴルフ用語のせいでゲームにストレスを感じたり、混乱したりすることがあるという。 この記事では、ウィットハウス氏をはじめとするゴルフコーチがスコアの数え方や用語を解説し、初心者はスコアをどう捉えるべきかについて説明する。

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パー以外に知っておきたいスコア用語

全米プロゴルフ協会(PGA)の説明によると、「パー」は1911年以来ゴルフのスコア用語として使われている。 パーはホールの基準打数を表すが、それは熟練者向きの基準を示すものであり、

全米ゴルフ協会(USGA)はパーを「熟練プレーヤーに期待するスコア」と定義している。だから、初心者がパーを取ろうとするのは、ストレスのもととなりうるのだ。

パーはホールごとに設定され、通常、ホールの距離によって決まる。 USGAが推奨するパーの設定基準では、男性で260ヤード以下、女性で220ヤード以下のホールはパー3だ。 男性で240~490ヤード、女性で200~420ヤードのホールはパー4。 そして男性で450~710ヤード、女性で370~600ヤードのホールはパー5が妥当とされる。

コースが変われば、パー3、パー4、パー5のホールの組み合わせも異なる。 あるコースでは第4ホールがパー4かもしれないが、 別のコースの第4ホールはもっと短く、パー3かもしれない。

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ホールごとのパースコアに加えて、コースにもそれぞれ合計パースコアが設定されている。コースのパースコアは各ホールのパースコアの合計に相当する。 リーダーボードに記載される、プラスやマイナスが付いた数字の意味はここにある。スコアが「-1」の場合、コース全体のパーより1打少ない(良い結果)ということだ。 スコアが「+4」の場合、パーより4打多い(悪い結果)ということになる。 スコアに「E」と記されている場合はイーブンパー、つまりパースコアと同じ打数だったことを表す。

各ホールのパーと比べて打数が多いか少ないかによって、スコアの呼び方は異なる。

  1. 1.パーより1打数少ない:バーディー

    各ホールに設定されたパーより1打少ないとき、つまりパー4のホールでスコアが3、パー3のホールで2、パー5のホールで4の場合、このスコアを「バーディー」と呼ぶ。

  2. 2.パーより2打数少ない:イーグル

    このスコアが出ることは滅多にないことから、より大きな強い鳥の名前で呼ばれる。 パー4のホールでスコアが2、パー5のホールで3の場合に、イーグルを獲得する。 定義通りに考えれば、パー3のホールでスコアが1のときもイーグルになるが、この場合は一般的に「エース」と呼ぶ(後ほど詳しく説明)。

  3. 3.パーより3打数少ない:ダブルイーグルまたはアルバトロス

    このスコアはきわめてまれだ。 2022年では今のところ、ホールに設定されたパーより3打数少ないこのスコアが達成されたのは4回だけだ。 これが実現するのは、パー5のホールでスコアが2のケースにほぼ限定される。

    「アメリカ人がダブルイーグルと呼ぶのには納得いきませんね」と言うのは、イーストテネシー州立大学男子ゴルフチームのヘッドコーチ、ジェイク・アモス氏。 「アルバトロス」が正しい名称とのことだ。

  4. 4.パーより1打数多い:ボギー

    ゴルフのゲームと同じく、この言葉の起源はスコットランドにある。 PGAの説明によると、「ボギー」はもともと、「パー」と同じ意味で使われていた。 「パーより1打数多い」スコアを指す言葉として使われ始めたのは、20世紀中頃になってからのことだ。

    ホールに設定されたパーより2打数多いときは「ダブルボギー」、3打数多い場合は「トリプルボギー」になる。

  5. 5.ホールを問わず1打で入る:エース

    このスコアは「ホールインワン」という呼び名でご存じかもしれないが、「エース」とも呼ばれる。多くのプレーヤーにとって、エースの獲得は一生に一度きりの偉業ともいえるだろう。これはパー3のホールで達成されることが多い。

    しかし、PGAツアーへの出場経験がある元プロ選手で、イリノイ大学男子ゴルフチームのヘッドコーチであるマイク・スモール氏によると、エースを達成しても、浮かれて残りのゲームを油断できるものではないそうだ。

    「PGAツアーでホールインワンを達成したときは、かなり興奮しました。 たしか次のホールはバーディーでしたが、その次はダブルボギー。 それで、『なんだ、結局は元通りじゃないか』と思いました」+2のダブルボギーで、-2のエースのスコアが帳消しになったというわけだ。

「望ましい」ゴルフのスコアとは?

コースによるが、プロゴルファーはパー以上のスコアを取ることが多く、ワンラウンドで何度もバーディーを取る。

しかし、パーは熟練プレーヤーに期待されるスコアであることを忘れてはいけない。 初心者ならパーは忘れるべきで、プレー中は合計スコアも考えなくていいほどだコーチらは話す。

ラウンドの合計スコアではなく、ホールごとの「勝利」を意識しよう

「ゴルフの1ラウンドは、他のスポーツで言うシーズンにたとえることができます」とウィットハウス氏。 ゴルフの1ラウンドは18試合を戦うアメフトのシーズンに相当するものだと捉え、各ホールを1つの試合だと考えようというのが彼のアドバイスだ。 「その試合、あるいはホールで目の前の敵を相手に戦い、次の試合へと移るのです。」

ウィットハウス氏は、それぞれのプレーヤーが持つスキルのレベルに応じて各ホールの「勝利」とは何かを判断し、各ホールで勝つためのスコア獲得を目指すよう彼らをサポートしている。

「私が初心者なら、ダブルボギー以上のスコアで勝利、トリプルボギー以下のスコアで敗北というように考えます」とのことだ。 このようにホールを捉えると、パーにとらわれずに済み、自分の目標とするスコアの獲得に集中できる。

「この考え方でいくと、3や4という野心的なスコアは目指しません。 コースに池や小川がある場合、ロングショット1打で超えようとするのではなく、 3~4打で超えればいいのです。」

ゴルフ初心者にとって最も重要なこと、それは常にゲームを楽しむこと。これを実現するには、各ホールの現実的なスコアを頭に置いておくことがポイントだとスモール氏は語る。

「レクリエーションの観点からすると、みんな負けず嫌いであるがゆえに、非現実的なスコアを追いかけがちです。 良いスコアを取りたいと思うだけでなく、楽しみたいと思ってコースに出ると、スコアがすべてだと考えるよりも良いプレーができるでしょう。」

各ホールで「勝利」スコアを目指す方法

「勝利」スコアがパー4のホールで6の場合、この6打をどう打つかを具体的に計画することから始めるとよい。 例えば、ドライバーでボールをフェアウェイに乗せてから、ホールの別の地点を目指して次のショットを打とうと考えるかもしれない。 しかし、6打を的確に達成する完璧なショットを考えるよりも、目標のイメージを単純化することをアモス氏は提案している。

「どのエリアにボールを運ぶ必要があるかを考えてみましょう。 ティーショットでねらったエリアにボールを乗せれば、目標のスコアを達成するために目指すべき次のエリアにボールを打てる可能性が高くなります。」

ボールを乗せるスポットを厳密に定めるのではなく、広範囲の大まかなエリアに打つようにするというのが、アモス氏の助言だ。 林を回り込むように左にカーブしたホールの場合、最初のショットで最も避けたいのは、林の中にボールが入ること。 林を避けることで、次のショットの位置が遠くなるかもしれないが、完璧なショットをねらって林に突っ込んでしまうよりは楽だろう。

「ゴルフではとにかく、次のショットができるだけ楽になるようにすることが大事です」とスモール氏。

プレーヤーにはそれぞれ強みがある。その強みをアピールできるショットを打てば、次のショットが楽になるはずだ。 強みを活かしたショットにチャレンジすることや、強みをアピールできるショットを見出すことをスモール氏はすすめている。 自分にとって難しいショットを迫られたときは、自分の強みを活かせそうな位置をねらって打ってみよう。

文:グレッグ・プレスト

公開日:2022年8月26日

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