バスケットボールをプレーすることで得られる5つのメリットをエキスパートが解説

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バスケットボールをプレーして得られるメリットは、コートの外でも実感できる。 バスケットボールにはどんな効果があるか、詳しく見てみよう。

最終更新日:2022年7月26日
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バスケットボールをプレイすることで得られる5つのメリットをエキスパートが解説

世界中には、あらゆるレベルの熱心なバスケットボールファンとプレーヤーがいる。 試合のビデオを友達と一緒に見たり、週末にピックアップゲームに興じるなどバスケットボールの楽しみ方はさまざまだが、バスケットボールが世界中の人々を魅了しているのは、持久力、技術、素早い判断が求められるからだ。

以下に、バスケットボールを始めることをおすすめする理由、そしてバスケットボールが世界的に人気がある理由を挙げる。

バスケットボールをプレーすることで得られる5つのメリット

  1. 1.バスケットボールは基礎運動能力を伸ばすうえで役立つ。

    年齢にかかわらず、すべての身体活動の基礎となる基礎運動能力は、アクティブなライフスタイルを送るための鍵となる。 基礎運動能力は身体移動(走る、跳ぶ)、用具操作(受ける、投げる)、安定性(バランスをとる、ひねる)の3つのスキルに分類される。

    「スプリント、垂直跳び、上手投げなどの基礎運動能力は、身体の動きの基本です」と話すのは、整形外科医でイートン整形外科の創業者であり、元バスケットボールプレーヤー(ベネズエラのプロバスケットボールチームでの3シーズンを含む)のココ・イートン医師だ。 「バスケットボールはスピード、敏捷性、筋力、体力、持久力を強化します。 また、柔軟性と運動協調性の向上にも効果があることがわかっています。 つまり、バスケットボールには他のスポーツにはない基礎運動能力の向上効果があり、プレーすることで全般的な健康を増進するメリットも認められます」

    2012年の調査では、ミニバスケットボールの練習、たとえばボールハンドリング、チェストパス、レイアップシュートが、7-10歳の子どもの基礎運動能力を大幅に伸ばすことが示された(これらのスキルは通常3-10歳の間に発達する)。

    マルコ・ロペスはP.T.、 D.P.T.、 C.S.C.Sの資格を持つ理学療法士で、The Basketball Doctorsの共同創設者でもあるが、バスケットボールは「スプリント、方向転換、ジャンプの組み合わせ」で、これは他のスポーツではあまり見られない特徴だと話している。

  2. 2.この動きが骨ミネラル濃度に対してプラスに作用する可能性がある。

    水泳、サッカー、バレーボールの選手とバスケットボールの選手を比較した2020年の調査では、バスケットボールの選手の骨ミネラル濃度(BMD)が最も高いことが示された。 2018年の調査でも同様の結果を示しており、長期的にバスケットボールをプレーすることは脚のBMDに好影響を与える可能性があることがわかった。

    「バスケットボールは骨密度に最も効果的なスポーツの1つです」とロペスは言う。 「ご存じのように、年を取ると骨密度が下がり始めます。 ジャンプやランニング、ウェイトリフティングなどで骨に負荷をかけることで、骨密度低下のスピードを緩やかにすることが可能です。バスケットボールはこうしたカテゴリーのほとんどすべてを満たしています」

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    調査ではまた、衝撃が大きく体重がかかる運動(ジャンプ、ダンス、ハイキングなど)と、筋力トレーニングやレジスタンス運動(スクワット、デッドリフト、バーベルカール)を組み合わせて行った場合、全体的な骨の健康にプラスの効果があることも示されていた。 中でもレジスタンストレーニングは、BMDに最も効果が大きいことが指摘されている。

  3. 3.レジスタンストレーニングは、強度が変化するタイプのワークアウトだ。

    Frontiers in Psychology』に掲載された2021年の調査にもあるとおり、一般的なバスケットボールの試合は、運動強度が高い時間と低い時間の両方で構成される。 たとえば、1分間ボールを持ってコートをダッシュした後、ゆっくり走るというのはよくあることだ。 バスケットボールの試合で強度を上げる簡単な方法は、コート全体を使ってプレーすることだ。

    2012年の調査では、コート全体を使った試合では心拍数が高くなることがわかっている。といっても、コートの半分しか使わない場合でも効果は得られる。 実際、2018年の調査では、コートの広さに関係なく、バスケットボールをプレーすると健康状態全般が改善することが示された。

    「フルコートを使ったバスケットボールはハーフコートを使う場合より効果が高いですが、ハーフコートでも参加者の健康状態に対して効果があります」とイートンは話す。 「この調査では血圧、身体組成、心臓血管の健康、最大酸素摂取量に関する効果に注目しました。 ハーフコートでも大きな効果が見られましたが、最大の効果が見られたのはフルコートでプレーした参加者でした」

  4. 4.バスケットボールをすると子どもは小さいころから活発になり、それが大人になっても続く可能性がある。

    「バスケットボールの最も顕著なメリットは、活動量の増加が大人になっても続くことです」とイートンは言う。

    2018年の調査では、米国の子どもと青年の74%が、バスケットボールをする1番の理由を楽しむためと答えている。 また、ある調査では子ども時代に身体的に活発だった人は、あまり運動しなかった人に比べて大人になっても身体的に活発であることが多いことがわかっている。 実際に米国の体力づくり、スポーツ、栄養に関する大統領諮問委員会によると、現在スポーツをしている大人の73%が、子どものときにスポーツをしていたという。

  5. 5.バスケットボールは、チーム作りを通じてコミュニケーションスキルを向上させる効果もある。

    これは、バスケットボールのメリットの中でも気付かれにくいものだろう。 バスケットボールはチームスポーツなので、プレーヤーは言葉を多く交わすことなく互いに意思疎通する必要がある。 2010年の調査でもこの考え方が裏付けられている。プレーヤーはプレー中に次々と違うチームメイトとコミュニケーションを取っているが、 こうしたコミュニケーションの多くは言葉を使わず、パスやプレー中の視覚的合図で行われていた。 コート外でも、言葉を使わないコミュニケーションがビジネスや人と人との関係といったあらゆる場面で行われている。 調査によって多少異なるが、『The Hearing Journal』の2018年版に掲載された調査では、あらゆるコミュニケーションのうち70%以上が言葉を使わないものだと推定されている(スポーツ以外も含めた数値)。

    コートで身に付けたスキルが日常生活に役立つことは他にもある。重要なコミュニケーションスキルに加え、バスケットボールは精神状態を整えるうえでもプラスの効果を発揮するのだ。2015年の調査では、プレーヤーがコンスタントに試合の流れに適応し、意識的に身体的な調整力を切り替えて対応しなければならないことが指摘された。 心理学者によると、適応力が身に付くと生活全般の満足度が高くなり、特に社会のサポートレベル(新しい仕事に慣れるまでの友人からのサポートなど)が高いとその傾向が強くなるという。

    文:アシュリー・ローレッタ

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公開日:2022年5月13日

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