足を枝に掛けて逆さにぶらさがったり。
少し高いところに座っておしゃべりしたり。
木に登っただけなのに、見える景色が変わるのが面白くて、写真も撮ってみる。久々に触れる木の感覚はどこか懐かしく新鮮だ。

木を降りた後は、目の前に広がる高原へ行ってみる。音楽なんてもちろん流れていないのだけど、芝生の上でステップを踏んでみる。
自然に囲まれると、心も頭も自然と自由になるのかも。制限のない視界と美味しい空気を目一杯吸って。生えている草ですら自由に踊っているように見えてくる。
傾斜している地面に気をつけながら踊っていると、所々には鹿の忘れ物を発見。手付かずの大地で悠々と背筋を伸ばせるのは人間だけじゃないんだな。

踊ったり、そこから鬼ごっこに発展したり。
夢中になっていたから気がつかなかったけど、だんだん雲行きが怪しくなってきた。
頬に最初の一滴。雨だ。これも自然の恵のひとつ。涼しくなって少し気持ちよく感じられたのは、みんなと一緒だからだろう。

少し足を延ばすだけで、こんなにも違う世界があることは頭ではわかっていたし、経験したこともあったはずなのに。すっかり忘れてしまっているのだから不思議。自然の中でみんなと過ごす楽しい時間はこんなに身近で、それは雨にだって止めらない。
さあ、外に出て雨と一緒に遊びに行こう。