ロープクライミングの主なメリット

スポーツ&アクティビティ

体育の授業でしか取り組んだことのない人や、未経験者にこそおすすめのロープクライミング。プロからの初心者向けアドバイスを織り交ぜながら、挑戦すべき理由をいくつかご紹介。

最終更新日:2022年7月19日
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ロープクライミングの主なメリット

どこでもできるワークアウトを選びたい人の選択肢に、ロープクライミングは、まず入らない。クロスフィットのジムや、障害物コースでのレースの常連でもない限り、取り組む機会はないだろう。 しかし、フィットネスのルーティンにクライミングを取り入れる手段を探すことが、賢い投資となるかもしれない。このアクティビティならではのメリットがあることを考えると、なおさらだ。

ここでは、ロープクライミングの主なメリットを、初心者向けのテクニックに関するプロからのアドバイスと併せて解説する。きっとロープクライミングにチャレンジしたくなるだろう。

全身を鍛えるワークアウトになる

クライミングをするとき、主に腕の力を使っているように見えるかもしれないが、そうではないと言うのは、C.S.C.S.の資格を持つ運動生理学者のトム・ホランド。『The Marathon Method』の著者で、ポッドキャスト「Fitness Disrupted」の司会を務めている。

「使うテクニック次第で、ロープクライミングは驚くほど全身を鍛える効果を発揮します」とトムは説明する。 鍛えられる主な筋肉は次の通り。

  • コア:ロープが不安定で揺れるため、体を安定させて位置を中央付近に保てるよう、コアの筋肉を使う必要がある。
  • 背中:ロープクライミングで使う特に大きい筋肉の1つに、ラットとも呼ばれる広背筋がある。広背筋は背中の中央と腰を覆い、脊椎の運動で重要な役割を担う筋肉だ。 さらに、背中上部の小さな筋肉も鍛えられる。
  • 脚:上半身だけを使って上ることも可能だが、ホランドが説明する別のテクニックでは、強度と安定性を高めるために脚を使う。これにより、ハムストリングが鍛えられ、身体の安定性が増す。
  • 腕:重力に逆らって体重を引き上げるには、前腕と上腕二頭筋の主な筋繊維を動員する必要がある。

「ロープクライミングはとても多くの筋肉を使うので、短期間で効率よく、他の自重運動を上達させる手段になります。特にプルアップやチンアップに効果的です」とホランドは語る。

握力が向上する

握力は、フィットネスであまり重視されていないように見えるかもしれないが、多数のエクササイズに欠かせない要素だ。特に年齢を重ねるほど、健康全般の指標としても役立つことを示唆する研究も発表されている。

2019年に学術誌『Clinical Interventions in Aging』に掲載された研究論文では、骨密度が転倒やけがのリスクの予測に役立つと見なされているように、健康に年齢を重ねているかどうかを知る指標として、握力を活用することを提案している。

物を強く握るには、ある程度の筋力が欠かせないからだ。それに、必要なのは手と前腕の筋力だけではない。力いっぱい握れるのは、全身の筋肉量が多いことの現れだ、と先述の論文に携わった研究者たちは述べている。

自信を養う

ホランドによると、ロープクライミングには筋力アップだけではなく、メンタルの健康に大きく役立つ一面もあるそうだ。 ロープクライミング未経験、または体育の授業でとても嫌な思い出があったりする場合は、ロープを見ただけで怖いと感じるかもしれない。 しかし、徐々に上達し、スキルが向上するにつれて、自信が持てるようになるとホランドは続ける。

その気持ちが別の場でフィットネス向上の支えになれば、なおさら自信は深まるだろう。 ロープクライミングを始めた当初はもどかしさを感じていても、うまくいったと思う瞬間が訪れる。ハードルの高い他のスポーツやワークアウトでも、同じ気持ちでチャレンジできるはずだ。

ロープクライミングの手順

いわゆるロープを前にして立っているとしよう。 次はどうすればよいだろうか?

まず重要なのは、腕をできるだけ高い位置に伸ばしてしっかり握ることだ。 それからジャンプして脚を引き上げると、FitnessTrainer所属の認定パーソナルトレーナー、キャロライン・グレインジャーは説明する。

「脚をロープに引き上げたら、足先とふくらはぎでロープを固定して腕をもっと高い位置に伸ばし、手を使って体を引き上げます。 結び目のあるロープを使えば、足による支えが大きくなるので、初心者向きです。 それから、ロープの下の床にクッション性があるマットを敷くなど、安全対策をとりましょう」

滑り落ちる場合、それは一般的に握り方が間違っているためではなく、足先の置き方と脚の筋力不足が原因だ、とホランドは説明する。 そこで、フットロックとも呼ばれるフットホールドをいくつか試してみることをおすすめする。 フットホールドを使うと足元が安定する。特に効果を発揮するのは、上を目指してロープから手を放すとき。両方の上腕の筋肉を休ませられるうえ、足を支えて滑り落ちるのを防げる。

最も簡単なのは、足に巻き付けて固定する基本の方法。Jフックとも呼ばれ、クロスフィットでよく使われる方法だ。 ロープが体の中心に来る位置で、膝を曲げ、利き足でロープを踏みながら、もう一方の足でロープの端を巻き上げて利き足の甲を踏む。 すると、ロープを両足で挟み、利き足ではない足の上にロープの端が垂れる形になる。より安全を確保するために、上に重ねた足で、ロープをしっかり固定しよう。

ロープクライミングの動作に慣れるために、さまざまな足の固定方法を試してみるのも手だ。自分にとって使いやすく、効果的な手段を見つけよう。 上級者になれば、足を一切使わずに腕を鍛えるエクササイズとして取り組むこともできる。

器具を使う他のエクササイズと比べて、ロープクライミングができる環境を見つけるのは大変かもしれない。しかし、楽しく全身の筋力を強化でき、自信もつくかもしれないワークアウトとなれば、取り組む価値はあるだろう。

文:エリザベス・ミラード

ロープクライミングの主なメリット

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公開日:2022年7月19日