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デザイン誕生まで

FEAR OF GOD X NIKE BASKETBALL

Fear of Godの創設者でクリエイティブディレクターのジェリー・ロレンゾとNikeの初のコラボレーションプロジェクト。このプロジェクトを強力にアピールするのは、コート対応のバスケットボールシューズ、Nike Air Fear of God 1だ。シューズには高さを従来の2倍にしたZoom Airのヒールユニットを搭載。このデザインは過去数週にわたり、Fear of Godの最新アイテムのプレビューやNBAのスター選手の足元で公開されてきた。実はこの発表の方法も、スポーツの感情的な要素を重視したいというロレンゾの希望を形にした戦略的なものだったのだ。

「これは、子どもが初めて目にした時に持つ感情によってのみ判断されるべきシューズなんだ。それがどんな感情であろうとね」ロサンゼルスを拠点に活動するデザイナーは説明する。「今は、発表前の画像があらゆる場所から流出してしまう時代。それに、その商品に対する考えや思い入れが語られることなく画像だけが流出してしまう。だからこそ、子どもたちには直感的な体験をしてもらいたい。アリーナに入場してきたベン・シモンズのシューズを初めて見た時でも、お気に入りのアスリートがコートで履いているのを見た時でもいい。それを目指したんだ」

ロレンゾはシューズに懐かしさの要素を取り入れたいと考えていた。大切なのは「何を」履いていたのかではなく、「どんな風に」履いていたのか。かつてスポーツが持っていたスタイルへの影響力を思い出してもらうため、現在は眠ってしまったかのような精神を呼び覚ましたいと考えたのだ。

「80年代に幼少期を過ごし、90年代に高校を卒業した僕の青春時代は、今とは対極の時代だった。当時はスーパースター級のアスリートやプロアスリートが、ストリートでの着こなし方のお手本だったんだ」ロレンゾは振り返る。「アガシやジョーダンのようなアスリートは、その最たる例だね。彼らはデザインの面でも美しさの面でもスタイルに妥協することはなかった」

ロレンゾは、Nike Basketballのシニアフットウェアデザインディレクターを務めるレオ・チャンと作業を進めることで、彼のデザイン美学と高いパフォーマンスを両立させたNike Air Fear of Godを完成させる。レオについてロレンゾはこう評している。「彼は驚くべき熱意を持ち、イノベーションとパフォーマンスを高いレベルで理解する人物。それに辛抱強くて、新しいデザイナーだけでなく、新しいデザインプロセスに対してもオープンな姿勢を見せてくれた」もちろん、辛抱強さが必要になったのはレオだけでなくロレンゾも同じだ。「スタイルやイノベーションの面で妥協のない製品を作るには、そのプロセスに対しても妥協することはできないんだ」

ロレンゾの製作プロセスには、彼が過去に野球やバスケットボールをしていた経験が影響しているという。彼はスポーツを通して人生への向き合い方の基本を学び、そこで培った競争心は、現在はデザイナーとして作品に生かされている。

最近公開された、Nikeの30周年を記念した「Just Do It」キャンペーン。ロレンゾは、このキャンペーンで人生のあらゆる場面に生きるスポーツの価値を確認したという。コリン・キャパニックが語るリードスポット「Dream Crazy」を見た彼は、「スポーツ以外の場所でも、スポーツの精神で人生を送っている人々がいる」という事実をあらためて認識したのだ。

そしてこれは「着用する人の心の中」という彼のコレクションが目指した場所でもある。「これは、小さな街から大都市への夢を抱いてやってきた子どもたちのためのシューズなんだ」ロレンゾは、そう締めくくる。「社会の期待を基準に考えるのではなく、自分がどうしたいのか考えることを大切にしてほしい」