デザイン誕生まで

90年代にアメリカで大流行したテレビ番組「ベルエアのフレッシュ・プリンス」は、主人公のフレッシュ・プリンスが履いていたジョーダンシューズなしで語ることはできない。斬新かつクールな彼は、独自のスタイルを生み出すシューズの履きこなしでも輝いていた。人気のエア ジョーダンを履いて登場したウィル・スミスのパワフルなスタイルは、ポップカルチャーにおけるエア ジョーダンシリーズの地位を確固たるものにした。そして2018年、オリジナルバージョンのエア ジョーダン 5を、ユニークなフレッシュ・プリンスバージョンでアレンジした一足が登場する。

フレッシュ・プリンスを称えたシューズを作るにあたり、デザインチームはまずウィルのエネルギッシュなワードローブをイメージしたバージョンの製作を開始。また、シューズの発売日と合わせて、9月25日で50歳を迎える彼の誕生日を記念したゴールドベースのバージョンなども作られた。

最終的に選ばれたのは、シューズ全体にユニークなディテールをあしらい、ウィルのスタイルをさりげなく称えたバージョン。ディテールには、彼の故郷をアピールするシュータンの「West Philadelphia（ウェスト・フィラデルフィア）」の刺繍のほか、世界中で有名になった、シューレースなしでシューズを履く彼のスタイルを再現したモックデザインなどが使われた。

ソックライナーには彼のワードローブの鮮やかなTシャツを思わせるストライプ柄のグラフィックをあしらい、フレッシュ・プリンスのスタイルを大々的にアピール。ヒールとアウトソールにはクラシックなNike Airロゴを配し、エア ジョーダン 5のオリジナルのスタイルと履き心地をキープ。Grape のカラーバージョンの登場は、1990年に発売されたオリジナルバージョン以来となる。

完成したシューズは、オリジナルバージョンをテレビ界の人気者を称えてアレンジした姿にとどまらず、ウィル・スミスという現代で最も影響力のある人物のキャリアを称えたデザインだ。