学校の授業でも 野球の能力を磨ける: 桑田真澄
高校時代、全国の舞台で通算20勝をマーク。2度の全国優勝を果たした桑田真澄。彼は普通の高校野球プレーヤーとはまったく違う発想で3年間を過ごしていた。
僕の高校時代は、野球部員のほとんどが野球のためだけに学校に来ているような感じでした。朝早くから夜遅くまで練習だから、授業中は寝ている。授業が終わって、ユニフォームを着て、グラウンドに入った時が、一日の中でいちばん気合が入っている。そういう感じでした。いまもそういう選手が多いんじゃないかと思います。でも、僕はそれとはまったく違う考えで3年間を過ごしました。
僕は、野球だけではなく、学校の勉強もとても大事にしていたんです。高校時代に僕がチームメイトをいちばん驚かせた経験は何かなって考えると、それはマウンドで投げている時でも、チャンスの場面で打った時でもないんです。僕が授業中、一回も寝ることもなく、テストの成績も常にトップクラスだったこと。そこに、みんなざわついていた。『なんで桑田はあんなに練習してるのに寝ないんだ?』と不思議がるんです。でも僕の場合は、野球の練習だけではなく、勉強や遊びも大事だと考えていた。だから、授業中も手を抜きたくなかったんです。
それに、勉強に一生懸命取り組むことで、ピッチャーとしての分析力や洞察力を養うことができるし、友達と遊ぶことによって、相手を思いやる心が学べて、試合中に仲間のことを考えて声掛けができたりする。そうやって、すべてが野球につながっていくんですよね。グラウンドだけが野球の練習ではないんです。
プロに入って、僕よりカラダが大きくて体力がある選手がたくさんいる中で長く結果を残すことができたのは、やっぱり高校時代に勉強や遊びからも、いろんなことを吸収してきたからだと思います。高校生のみなさんも、このバランスを大事にして、3年間を過ごしてもらいたいですね。野球はもちろん、その先の人生においても、必ず自分の力として残っていくはずですから。

