チームのために個のチカラを 磨きつづける: 岩隈久志
高校時代、身長190センチの大型右腕として注目を集めた岩隈。結局全国の舞台を経験することなく3年間を終えたが、当時の練習での思いは、いまも岩隈を支えているという。
高校入学当時からずっと、監督さんから『野球っていうのは一人のミスで負けることがあるんだ』ということを徹底的に教えられてきました。プロ野球と比べると特にそうですが、高校野球というのは1つのミスで流れが変わってしまうことが多いんですよね。だからこそ『誰かのミスを周りがどうカバーするのか』ということを日頃から考えながら、練習に取り組んできました。
ただ、それはいつもみんなと一緒にがんばるということではないんです。チーム力を高めるということは、結局は個人の能力を高めていくこと。個人の能力が高まることによって、お互いのミスもカバーでき、結果的にチームの勝利につながっていくんだという意識を常に持っていました。
高校3年の最後の夏はベスト4で負けてしまって全国には行けなかったんですが、最後までずっと“仲間のために”という気持ちで投げていたことはいまでもハッキリと覚えています。自分と向かい合って積み重ねたトレーニングと、仲間への思いがひとつになって、自分が持っている以上のチカラを出すことができたんです。僕はその年の秋、ドラフトで指名していただいたのですが、高校時代にそこまで自分の力を高めることができたのも、仲間がいたおかげだと思っています。
プロに入ってからもずっと、その考えは変わりません。チームへの気持ちと、そのための個人練習というのは、いまでも大切にしています。高校生の皆さんには、チームへの思いと、自分がどれだけうまくなりたいかという意欲を持って、日々の練習に真剣に取り組んでほしいですね。そう全員が本気で思えることで、それがチームの力になって目標に近づいていくと思っています。

