スタンドをざわつかせる スピードを: 開発者インタビュー
ナイキが日本の高校野球プレーヤーのためにつくった最新スパイクNIKE ZOOM VAPOR ELITE SHA|DO J。「スピードをつかめ」というコンセプトから生まれたこの革新的スパイクについて、開発をリードした佐々木知法(ナイキジャパン ベースボール マーチャンダイジング マネージャー)が語る。
ナイキは、NIKE AIRやNIKE FREEなど、常識にとらわれない発想でたくさんの革新的プロダクトを生み出してきたわけですが、今回のNIKE ZOOM VAPOR ELITE SHA|DO Jでもそのポリシーは変わりません。スカルの広告ビジュアルのなかで語られている"ざわつかせろ"というメッセージは、製品づくりにおいても常識にとらわれずにイノベーションを起こし、世の中を驚かせるんだっていう思いも込められているんです。
企画・開発するにあたって1,200人の高校球児とプロ野球選手からアンケートを取って、本当にスパイクに求める要素は何かを調査しました。そこで導きだされた、あらゆるタイプの選手に共通するキーワードが"スピード"だったんですね。特にセカンド、ショートの選手では圧倒的な割合を示していました。守備、攻撃どちらにおいても、一歩目を踏み出す瞬発力だったり、一瞬でトップギアに入る加速力を発揮することが、現代野球のプレースタイルにおいて必須項目になってるんです。

こういったデータの収集、それを反映したスパイクの試作、試し履きを繰り返して完成したのがNIKE ZOOM VAPOR ELITE SHA|DO Jです。特徴はもちろん"スピード"に特化している点。軽量素材を使ったり、補強パーツを最小限にして軽さにこだわったのは当然として、一番のストロングポイントになるのがスタッズ。スパイクの歯です。調査結果を分析していくなかで、スピードを実現するには軽さだけではなく「地面をつかんで、強く蹴る」ことが重要だという結論に至りました。

日本人はつま先のみではなく、前足部全体で蹴り出す傾向が強い事が判明したので、前足の中央部にスタッズを入れることにしたんです(写真)。これはいままでのスパイクにない、思い切ったチャレンジです。そうすることで、地面をつかんで蹴りだす間隔が短くなり、加速力が増す仕様になっています。さらにその前足中央のスタッズとつま先のスタッズを同じ角度にすることで、蹴りだしからスムーズにトップスピードに乗れるようになっています。他にも固いシャンク(前足部とかかと部をつなぐブリッジ)を採用して反発力をUPさせるなど、アウトソールにはスピードを生み出すためのテクノロジーが満載です。
このスパイクでは衝撃吸収と反発力UPのためにNIKE AIRを採用しているんですが、何種類かあるNIKE AIRの中からZOOM AIRを採用しました。ZOOM AIRの最大の特徴は、約5ミリという薄さと反発性。この反発性は、かかとの着地から蹴り出す動作の中で前方向への推進力になります。また、ソールが薄いことでスピードに必要な地面をつかむ感覚をダイレクトに感じられるようになっています。ほかにも、中敷きを薄くしたりして、ダイレクトに地面をつかめるような仕様になっています。

いままでにないスタッズのレイアウトやZOOM AIRはもちろん、ヒール部分のハイパーヒューズや、シュータンのメモリーフォームも、すべてスピードをつかむため搭載されたテクノロジーです。SPEEDを高めるためにはスパイク内の少しのブレもロスに繋がります。NIKE ZOOM VAPOR ELITE SHA|DO Jは自己最速のスピードを手に入れられるスパイクに仕上がったと思います。スピードを武器にフィールドを制圧して、スタンドをざわつかせてもらいたいですね。
